コニカミノルタ(山名昌衛社長)は、オフィスでのプリント需要の縮小を補う施策として、デジタル技術を活用した職場の業務改革や、デジタルX線動画解析などの医療機器、感染症対策のサーマルカメラを使った検温システムなどの事業に力を入れる。コロナ禍でリモートワークの比率が増え、ペーパーレス化が急速に進行。一般的なオフィスでのプリント枚数が激減している。「オフィスのプリント需要はすぐに戻らない」(山名社長)と見ており、それに代わる事業の成長に重点的に投資していく方針だ。

 デジタル技術を活用した職場の業務改革では、例えば、職場でのファックス送信を前提とした業務プロセスを改め、自宅などからリモートでファックスの送信を可能にする。また、紙と押印をベースとした業務フローについては、電子的な決済ワークフローや文書保管システムへの移行を支援するといったビジネスも強化する。自治体向けでは行政改革の担当者と連携し、自治体同士の業務フローの標準化、RPAによる業務自動化などを後押しする。
 医療領域のビジネスでは、X線動画解析技術による肺機能の可視化や、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質の蓄積を測定する技術などの活用に焦点を当てる。ほかにも分子レベル解析による個別化医療、遺伝子検査によるガン診察などにも力を入れる。
 また、コロナ禍が収束に向かう過程でオフィスや施設に人が回帰することを想定し、サーマルカメラで複数人の体表温度を同時に測定したり、マスクの有無を検知するシステムの販売増を見込む。すでにNECや沖電気工業、パナソニックグループなどの商材と連携するなどして販路を広げている。
 山名社長は、「オフィスのプリント需要は以前のようには戻らないことを前提として、成長事業をより確かなものにする」と、向こう数年かがりでコロナ後の成長を可能とする収益構造の変革を推進していく。(安藤章司)