エクイニクス・ジャパンは10月19日、今年5月の小川久仁子社長の就任後、初めての事業説明会を開いた。メガクラウドベンダー向けの専用データセンター(DC)を設置することを発表。第1号は今年12月に首都圏で開業する予定。次いで大阪エリアにも開設し、2021年10-12月期にサービスを始める。メガクラウドのインフラ基盤を広く手掛けることで、従来の「DC事業者」から「デジタルインフラ企業」へのステップアップを図る考えだ。

 メガクラウドベンダー向けDCのメガクラウドベンダー向けDCサービスは「xScale(エックススケール)」という名称で提供する。「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform(GCP)」「Salesforce」「Alibaba Cloud」など、エクイニクスグループの大口顧客のクラウドサービス向けの専用設計となる見通し。米中ベンダーが中心で、現時点では国内ベンダーはxScaleの顧客には含まれていないという。主要なメガクラウドベンダーの要求仕様に沿って設計し、大電力を供給できる点が特徴となっている。
 xScaleのサービスを提供するDCは、シンガポールの政府系ベンチャーキャピタルのGICと1000億円規模の合弁投資で建設する。最終的には首都圏に追加でもう1カ所開設し、計三つのDCを国内に設置する計画だ。xScale仕様のDCが全て開業すれば、国内DCは計16カ所になる。
 xScale仕様DCの3カ所合計の電力供給量はフル稼働時に13万8000kVAに達する。単純計算で1カ所あたり4万6000kVAと、国内の一般的な大型DCの電力供給量を上回る。「メガクラウドベンダーにとって日本市場は魅力的で、彼らの要求仕様に合う大電力を供給可能なDCに対する需要は非常に大きい」と小川社長は話す。
 近年のデジタルビジネスは複数のメガクラウドのサービスを組み合わせて構築するケースが増えており、メガクラウドとの相互接続をエクイニクスのプラットフォーム上に集約するなどして、「DC事業者からデジタルインフラ企業へと発展させる」構想だ。エクイニクスグループは、世界主要56都市圏、200カ所以上でDCを運営し、国内だけでも、xScale仕様のDCが全て開業すれば計16カ所になる。これらを相互にネットワークで接続しており、全体を巨大なデジタルプラットフォームと位置づけ、デジタルインフラ企業としての価値を市場に訴求していく。
 米国に本社を置くエクイニクスグループ全体の昨年度(2019年12月期)連結売上高は、前年度比9.7%増の55億6200万ドル(約5840億円)で、今年度は60億ドルの見込み。(安藤章司)