NECは、ユーザー企業のオンプレミス環境に設置されたサーバー、ネットワーク機器、PCの運用を遠隔で支援するサービス群「ICT Management Service and Technology」の提供を今月より順次開始する。クラウドからの遠隔運用ができないIT機器や、他社の製品にも対応している。中小企業や地方拠点など、情報システム部門のリソースが限られるユーザー向けに提供し、ITインフラの運用負荷を軽減する。
 このサービスでは、IT機器の監視機能を持つ「エッジサーバー」をユーザーのオンプレミス環境に設置する。NECは、エッジサーバーを通じて、ユーザーが保有するIT機器を遠隔で24時間監視し、ハードウェアの異常を検知した場合、自動的に顧客にメールで連絡する。
 メールには保守ベンダーへの連絡用対処ガイドが添付されており、異常が発生した個所と原因の特定を素早く行うことができる。監視対象となるのはx86サーバー、スイッチ、ルータで、Ping監視やSNMPトラップ監視に対応した機種であればNEC以外の製品でも監視可能。
 エッジサーバーとNEC側との間はモバイル回線を利用した閉域網で接続されているため、インターネットからのアクセスを想定していない社内の機器も、ネットワーク構成を変更することなく監視できるのが特徴となっている。
 エッジサーバーには業務アプリケーションなどが実行可能な仮想インスタンス(別途有償)も用意されている。エッジサーバー自体の死活監視やバックアップ/リストアといった運用サービスも提供されるので、重要な業務はエッジサーバーの仮想インスタンス上で実行することで、IT管理者がバックアップなどの作業を行わなくてもアプリケーションやデータを保護できる。
 加えて、PCのパッチ管理サービスも提供する。エッジサーバー上でWindowsの更新プログラムを配布する機能(WSUSサーバー)を実行することで、社内にあるPCへのパッチ配布・適用を集中管理できる。
 NECでは、IT機器の監視・メンテナンスといった業務は現在も手作業で行われているケースがままあり、特に中小企業においては、情報システム部門の人手が限られることから業務の属人化を招いていることが多いと分析。今回のサービスで、従来の仕組みでは難しかったオンプレミス機器の遠隔運用を可能にすることで、情報システム部門の負荷を軽減し、IT担当者がより付加価値の高い業務に従事できるようにするとしている。
 また、エッジサーバーとNEC側のサービス基盤を閉域で連携させるアーキテクチャを採用したことで、オンプレミスの既存IT資産を活用しながら遠隔でサービスを提供する仕組みが整う。今後はパートナーのソリューションとも協業を検討し、ユーザー企業の情報システム部門だけでなく事業部門の業務を支援するサービスへと発展させていきたい考え。(日高 彰)