アリババクラウドは、AI関連サービスを必要とする日本の事業者を支援するための包括的なサービスパッケージを10月12日に発表している。

 今回のサービスパッケージには、機械学習タスク用のGPUインスタンスやAIアクセラレーションエンジン、eコマース、自動車業界向けのAIソリューションまで、さまざまなソリューションが含まれている。同パッケージの提供は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を求める顧客のニーズに応え、最先端のテクノロジーを市場に展開するというアリババクラウドの継続的な取り組みを実証するものとなる。
 サービスパッケージに含まれる主なソリューションとして、機械学習の推論・学習、高性能計算(ハイパフォーマンス・コンピューティング)、グラフィックス仮想化を可能にするパワフルなGPUアクセラレーテッドインスタンスを日本市場に導入する。GPUインスタンスは、画像分類、ビデオトランスコーディング、グラフィックスレンダリングなどのAIタスクの展開に使用できる。GPUインスタンスには、最先端のNVIDIA A100、A10、T4シリーズを含む最新のNVIDIA GPUが搭載されている。
 さらに、画像認識、広告のクリック率推定、自然言語処理、インテリジェントな音声認識といった大規模なディープラーニングのタスクに適したアクセラレーションエンジン「Apsara AI Acceleration」を導入した。このエンジンは、Tensorflow、PyTorch、MXNet、Caffe、Kaldiといった主要な分散型学習フレームワークをサポートしている。
 また、Alibaba Cloud KubernetesをベースにしたクラウドネイティブなAI Suiteの導入により、アルゴリズムエンジニアやサイエンティストがAIモデルトレーニングのO&M(Operation&Maintenance)環境を簡素化し、コストを効率化してAIプラットフォームを構築できるようになった。このスイートには、AIエンジニアリングの効率化を図るためのさまざまなツールやコンポーネントが含まれており、環境構築からモデル開発、モデルトレーニング、推論に至るまで、ディープラーニングのさまざまな段階を網羅する。
 eコマースや自動車業界が抱えるビジネスのニーズに応えるため、アリババのグローバルな研究機関であるアリババ DAMOアカデミーで開発された技術を活用した「ビジュアルAIソリューション」を導入する。
 「EC商品画像解析AI(EC Product Image Analysis)」は、eコマース事業者がオンラインの商品在庫を適切に管理できるよう支援。このソリューションは、写真がアップロードされると、商品を自動的に識別し、服のカテゴリや柄、色、襟の種類に至るまでの情報を抽出して、簡単に商品に合うラベルを付与することができる。
 ECサイトで数百万点におよぶ商品の分類とインデックス作成プロセスが高速化され、ラベルタグに基づくリアルタイムの傾向分析が可能になるほか、ECサイトで商品を販売する事業者はインテリジェンスに基づいておすすめの商品を販売できるようになる。
 「自動車プライバシー保護(Vehicle Privacy Protection)」は、中古車売買サイトでの車両所有者のプライバシーを保護。高精度のセグメンテーション技術を活用することで、中古車販売サイトでは車両の所有者が投稿した写真のナンバープレートや背景の情報に自動でモザイクをかけて、車両のみの詳細情報を提供できる。
 「車両損傷評価(Vehicle Damage Assessment)」は、車両破損が起きた際に、保険金請求に掛かる期間を数日から数分に短縮。このソリューションは、車両の外観上の破損箇所を自動的に特定し、破損の位置や度合いなどの評価結果を提供する。また、保険調査員は過去のデータを迅速に参照でき、修理費の見積りプロセスを効率化できる。
 なお、アリババクラウドでは企業がビジネスの成長に向けたAIソリューションの潜在的なメリットを検討できるよう、このパッケージに含まれる関連AI製品の技術サポートを最大3カ月間無料で提供する。さらに、開発者コミュニティであるAliEatersと連携し、AIや機械学習の最新トレンドやビジネスケースに関するオンライントレーニングを定期的に提供する。