パナソニックの「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX900A」は、吸水性が保たれたふかふかのタオルに仕上げる「タオル専用コース」を搭載している。こだわりの使い方を提案する。ドラム式の購入者が、縦型洗濯機を選ばなかった理由に「乾燥機能がない・乾燥機能が十分でない」を1位に上げることからも、ドラム式ユーザーは「乾燥」機能を重視する。毎日使うタオルの肌触りにこだわったタオル専用コースは、そんな乾燥重視のユーザーの心をくすぐりそうだ。

 以前に比べて最近のユーザーは、タオルを自分で購入するケースが増えている。花王の生活者研究センターの調べでは、2004年にタオルを購入するユーザーは26%にすぎず、多くが人からもらったものだったという。それが17年の調査では、84%が購入している。
 今治のブランドタオルをはじめ、オーガニックコットンなど質感や肌触りにこだわったタオルが増えていることもあるのだろう。タオルにこだわるユーザーは、以前より増えているのだ。
 パナソニックのユーザー調査では、タオルにこだわりが「ある」(11.0%)と「多少ある」(48.4%)を合わせた約6割のユーザーが、タオルへのこだわりを持っていることが分かった。また、洗濯後のタオルの仕上がりは「気になる」(44.4%)と「やや気になる」(43.0%)を合わせた約9割のユーザーが気にしている。
 こうしたニーズを背景に開発した「タオル専用コース」は、どのようなものなのか。新製品発表会では、1953年にタオルの街、愛媛県今治市で創業したIKEUCHI ORGANICでタオルソムリエとして活躍する阿部哲也氏が、タオルを乾かす極意をレクチャーした。阿部氏は、タオル専用コースを監修した人物である。
 ちなみに、IKEUCHI ORGANICは生産する全製品で赤ちゃんが口に含んでも安全というエコテックス規格100のクラス1をクリアしている。2073年までに赤ちゃんが食べられるタオルを創るという目標を掲げるほど、タオルの素材にこだわっている。

●タオルを洗うときに柔軟剤は使わない


 タオルの表面は、輪のように浮き上がった「パイル」で埋められている。このパイルがつぶれないように、水をたっぷり入れてやさしく洗うのがコツだ。このときのちょっとした豆知識が、柔軟剤を使わないこと。タオルを柔らかくするイメージのある柔軟剤だが、柔軟剤を使うとタオルの繊維にその成分が堆積してしまうという。タオルが本来持っている吸水性も奪ってしまう。
 そのため、タオル専用コースの洗いでは柔軟剤の投入が自動でオフになる。その後、すすぎと脱水を経て「パイル起こし」という独特の工程に入る。
 阿部氏のデモでは、バスタオルの両端を指でつまんで思いっきり上から下に何度も振り下ろしていた。こうすることでパイルが立ち、乾燥時の風でパイルを膨らませることができ、ふっくっらとした仕上がりにつながるという。このほぐし作業が、タオル専用コースの「パイル起こし」に相当する。
 パイルがしっかりと立って乾燥したタオルは、気持ちいい肌触りに加えて、吸水性の良さにも現れる。デモでは、タオル専用コースで柔軟剤なし、通常のおまかせコースで柔軟剤のあり、なしの生地を比較。柔軟剤を使うと、やはり吸水性が落ちるのは明らかだった。柔軟剤なしのタオル専用コースの吸水性が最も高かった。
 ほかにも、新「約40℃つけおきコース」でおしゃれ着の黄ばみを除去して洗浄力を高めたり、「約60℃槽カビクリーンコース」で洗濯槽の黒カビの発育を抑制するお手入れ機能を搭載する。
 11月1日発売のNA-VX900Aの価格はオープンで、税別の実勢価格は38万円前後の見込み。同じくタオルコースと新約40℃つけおきコース、約60℃槽カビクリーンコースを搭載した「Cuble NA-VG2400」は12月1日発売。実勢価格は32万円前後の見込み。
 ドラム式洗濯乾燥機は、衣類をドラムの上から下にたたきつける力で洗うため、タオルのパイル倒れが起きやすいといわれてきた。タオル専用コースの搭載は、タオルのこだわり層を満足させるだけでなく、そうしたドラム式洗乾の負のイメージを払拭する狙いもありそうだ。(BCN・細田 立圭志)