楽天が3月3日の会見で披露した米AST&Scienceとの戦略的パートナーシップは、人工衛星で通信エリアをカバーする「衛星通信ネットワーク構想」として注目された。米ASTのおひざ元の米国の消費者はどれだけの関心を示したのだろうか。Amobee(アモビー)が運用する、消費者のビッグデータと独自AIによる解析ツール「ブランド・インテリジェンス」のレポートから紐解いてみた。

  本社をカリフォルニアに構えるAmobeeは、シンガポール・テレコムを親会社とする従業員約1000人の企業で世界に20拠点以上のオフィスを構える。北米や欧州、ASEAN、オセアニアを対象国として、そのエリアの消費者の興味関心や広告の効果測定、関心層のデモグラ分析などを得意とする。
 ブランド・インテリジェンスは、グローバルの消費者約5000万人のデジタルデータを独自AIで解析し、最新トレンドや一般消費者(サイレントマジョリティ)の興味・嗜好が分析できるAmobee独自の分析ソリューションだ。
 ブランド・インテリジェンスが示す図は、米国における3月2〜8日の1週間に「Rakuten」というキーワードにネットニュースなどで消費者が関心を示した度合をバブルチャートで表現する。円の大きさが関心の強さを示す。「Rakuten」のキーワードと一緒に「AST」のキーワードも大きいことがわかる。
 ASTのキーワードに反応が高かったコンテンツを見ると、やはりスタートアップであるASTが衛星経由でスマートフォンと接続するために楽天やボーダフォンから1億2800万ドルの調達をしたというニュースがヒットしているこがわかる。ほかにも「Satelite(衛星)」や「4G Service」「5G」など、楽天モバイルによるキャリア事業への参入に関する話題にも関心を示した。
 逆に「AST」をキーワードにした同期間での関心を見ると「Rakuten」が「Vodafone」よりも大きく、楽天の発表による関心の高さをうかがわせる。
 米ASTは、低軌道人工衛星から低遅延な信号を送る特許技術や知的財産を保有する。現在市販されているスマホで直接通信ができるようになるという。すでに19年4月に試験用人工衛星の打ち上げに成功しており、米FCC(連邦通信委員会)から実験用ライセンスも取得。軌道上を周回しながらの実証実験が行われている。楽天は英ボーダフォンと共に出資する形で同社の事業を支援することを発表した。