NTTとNECは6月25日、5Gの通信機器や高速大容量通信規格などにおけるオープンで革新的な技術開発で資本業務提携を結んだと発表した。NTTがNECの第三者割当増資を引き受ける形で約645億円を出資する。

 オンライン会見でNTTの澤田純社長は、「O-RANというオープンアーキテクチャを、キャリアであるオペレーターと高い技術力を持つメーカーで一緒に進める世界初の取り組み」と今回の狙いについて説明した。5Gなどの基地局や通信ネットワークでは、ノキアやエリクソン、ファーウェイなどが垂直統合モデルで推進しているのに対し、両社によるオープン化の普及促進で「競争の優位性を発揮できる」と語った。
 NECの新野隆社長は、「2030年までにO-RANで世界シェア20%をとるという覚悟で事業を推進していきたい」と意気込みについて語り、両社にとって5Gだけでなく、さらに次世代の6Gまで視野に入れた中長期的な事業戦略であることを強調した。
 また新野社長は、4GまでNECがグローバル市場で戦っていけなかったことについて「GMSという標準化に課題があり、なかなか外に出られなかった」と振り返りつつ、「5G以降のオープン化は、われわれにとってグローバルに出ていく最後のチャンス。オペレーターとモノづくりの技術的なノウハウを組み合わせて、オープンな市場に出ていく」と不退転の覚悟であることを示した。
 両社による共同技術開発の具体的な中身は次の六つ。(1)O-RAN準拠の国際競争力のある基地局、(2)世界最高レベルの性能と低消費電力化を兼ね備えた小型光集積回路(DSP)と、それを組み込んだ情報通信機器、(3)IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の実現に資する革新的な光/無線デバイス、(4)海底ケーブルシステムの大容量・高機能・低コスト化、(5)宇宙通信の大容量・低遅延・自動/自律化、(6)インフラネットワークのセキュリティ確保に向けた技術の高度化――。
 澤田社長と新野社長は2018年から両社の協業の可能性を模索してきたという。19年にNTTがIOWN構想を発表したのと、新しい5GをO-RANで進めたいという両社の認識が一致して、最終的にはNTT側からの提案により資本業務提携に至った。