ゲームや映画を存分に楽しみたいなら、手っ取り早いのは液晶モニターにこだわることだ。高画質な4Kや、明暗が鮮明に分かれるHDRなどへの対応はもちろん。最近は、さらに進化した“HDRi”という規格が登場している。開発したのは、液晶モニターメーカーのBenQ。一体、どのような体験ができるのか。同社の新製品「EW3280U」で、実際に確かめてみた。

 EW3280Uは、32インチの4K UHD対応液晶モニター。BenQ独自の「HDRi」技術のほか、2.1chスピーカー、「treVoloオーディオシステム」を搭載し、高画質と高音質を兼ね備えている。また、フリッカーフリーやブルーライト軽減、輝度自動調整機能「ブライトネスインテリジェンスプラス(B.I.+)」など、目に優しい機能も充実。エンタメを心行くまで楽しむためのこだわりが、随所に見える製品だ。

●HDRの“一歩”先


 最大の特徴は、従来のHDRを強化した「HDRi」という規格に対応している点。従来のHDRより明瞭さ、ディティール、色の効果が大幅に向上しているという。EW3280Uのメニューを見てみると、通常のHDRに加え「ゲームHDRi」「シネマHDRi」と3種類から選択することができる。
 まず、オフ時と「Display HDR」を比較してみる。どちらも美麗な映像には違いないが、繰り返し切り替えて見え方を比較してみると、オフ時はうっすらと全体が白みがかって見えた。一方、オンの時はもやが晴れたように鮮明に見える。暗い箇所もリアルな表現で、臨場感が増す。ゲームや映画を見るときは、オンにしていた方が楽しめそうだ。
 次に、ゲームHDRiを選択してみると、白飛びが抑えられた表示になった。暗いシーンで必要以上に明るく表示されることもなく、視認性を向上させながら没入感が増した印象だ。サスペンスやホラー、シューティングゲームなどを楽しむにはピッタリだろう。暗い中でも輪郭がハッキリと見えることで、新たな発見があるかもしれない。
 もう一つのシネマHDRiでは、全体的に色合いが濃くなり、鮮やかになっている。名前の通り、映画の映像美を楽しむのに適したモードといえる。HDRに対応していないコンテンツでも、独自のアルゴリズムによってHDRi相当の画質で楽しむことができるのも魅力。ひと昔前の映画を鑑賞してみると、以前とは少し違う景色が見えた。

●音にもこだわった液晶モニター


 EW3280Uには、もう一つ大きな特徴がある。液晶モニターを使用するとき、スピーカーやヘッドホンなど、別途で音響機器を用意する場合が多いだろう。しかし、EW3280Uは、サウンドにもこだわった液晶モニター。2.1chスピーカーと「treVolo サウンドシステム」を搭載しているため、単体で映像とサウンドを兼ね備えている。スペースに悩んだり配線が増えたりする心配もない。
 肝心の音質は、多少こもって聞こえるものの、ゲームや映画の雰囲気は損なわれない。サウンドにも五つのモードを搭載しており、コンテンツにあわせて選ぶことが可能。ゲームモードでゲームをプレーしてみると、立体音響システムのように敵の足音が鳴っている方向を聞き分けることもできる。

●目に優しい各種機能


 このほか、周辺の照明環境に合わせて、いつでも同じ見え方になるよう輝度と色温度を自動で調整するB.I.+を搭載。ブルーライト軽減、モニターのちらつきを抑えるフリッカーフリーなども搭載しており、長時間使用しても目への負担はそれほど感じなかった。また、HDRiモードでは自動でB.I.+もオンになっているので、画質と目へのやさしさを両立できる魅力を持つ。
 リモコンでモニターの設定を変更できるのも手軽でうれしい。これまでは、液晶モニターの背面や底面に手を伸ばして設定をいじる必要があったが、どこからでも操作できるようになったことで利便性は向上している。もちろん、背面に5キーナビゲーター、底面に音量調節ダイヤルなどを搭載している。リモコンを紛失してしまう心配がある人にも優しい設計だ。
 接続端子は、映像出力と60W給電を同時に行えるUSB Type‐CやHDMI2.0×2本、DisplayPort1.4を備える。これだけの機能を詰め込んで税込実勢価格は8万9000円前後。給付金の10万円の使い道に迷ったら、候補に加えてみるのもアリだ。