三井住友DSアセットマネジメントは、マーケットレポート「今年、米国で上場が急増している『SPAC』って何?」を11月30日に発行した。

 米国では「SPAC」(Special Purpose Acquisition Company・特別買収目的会社)の上場が急増しているという。SPACを活用したIPO(新規株式公開)にも注目が集まっているが、メリットが多い反面、問題もあるようだ。10月13日には、ソフトバンクグループがSPACを設立する計画が報じられ、日本でも新聞や経済誌などでSPACの文字を見る機会が増えてきた。
 SPACは、自らは事業を営まず、未公開企業や他社の事業を買収することを目的とした会社。SPACを活用した上場の仕組みは、まず、SPACが上場、資金調達を行い、買収先を見つけると、その会社を買収し、事業を営む買収先が存続会社となって上場会社となる。通常、SPACの上場時にはどの会社を買うのか不明なことから、ブランク・チェック・カンパニー(白紙の小切手会社)とも呼ばれる。
 活用のメリットとして、SPAC設立者は事業が簡素なため比較的簡単にIPOが行え、SPACを活用する企業(被買収企業)は、機関投資家向け説明会などの手続きを省けるため、IPOにかかる時間とコストを節約できる。また、個人投資家にとっては未公開株式への投資が身近なものとなる。一方、SPAC活用は安易な裏口上場との批判もあり、情報開示の徹底など課題もある。
 米国ではSPACの上場が急増しており、今年は足元時点で200件が上場し、累計690億ドルの資金調達が行われたとの調査報告がある(19年136億ドル)。SPACのメリットが評価されている模様だが、各国・地域の金融緩和政策による過剰流動性がSPAC上場の増加をけん引しているともいわれる。
 日本では、2008年にSPACの上場解禁が検討されたが、課題が多く見送られている。ただし、上場手法の多様性を求める声もあり、今後、情報開示や投資家保護などの課題を解決したうえで、SPACの上場が解禁されることも考えられる。