よくいわれるデビットカードのメリット「口座残高までしか使えないので使いすぎない」は逆に怖いと感じる。残高が尽きるまで使ってしまいそうだからだ。つまり、デビットカード・デビットサービスと紐づけた銀行口座には多額の現金を預けられないことになる。実際、PayPay、FamiPay、ドコモ口座などと紐づけた都市銀行は、各サービスへのチャージ専用口座と位置づけ、おおむね3万円前後しか預けていない。

 クレジットカードは後払いのため、高額商品を購入すると翌月や翌々月、ボーナス月(ボーナス払い指定時)の請求額が跳ね上がる。実際、何度か給与の振込を上回ったことがある。高額請求は「高額商品を買う時期、年払保険料・サブスクリプションサービスの年会費を払う時期はずらそう」など、お金の使い方を見直すいい契機となると思うのだが、月会費、ガソリン代、ETC代金などデビットカード・プリペイドカードでは支払いが不可のカテゴリーを除き、カード・スマートフォン(スマホ)を利用した非接触キャッシュレス決済サービスによる「即時決済」や「前払い決済(電子マネー)」を定着させようとする流れを感じる。
 買回り品やゲーム参加などで獲得したポイントを活用する行動「ポイ活」を否定すると、日常生活において損するのは間違いない。ただ、やはり銀行口座直結のデビットカード・デビットサービスの普及は、コツコツと節約して貯蓄する意思を弱める方向に影響し、危険ではないだろうか。
 繰り返しになるが、即時決済のデビットカード、スマホやウェアラブル端末のApple Pay/Google Payに登録したデビットカード・デビットサービスなどをメインのキャッシュレス決済手段として使う場合は、使い過ぎ防止や万が一の不正利用に備え、紐づけた口座の預金残高を毎月一定金額以下に抑えておくことを強くおすすめしたい。
 また、「使い過ぎ防止」という観点からは、メルペイが定めた利用上限額(枠)を上限に、月ごとに使う額を自身で設定できる「メルペイスマート払い」や「Kyash」「Visa LINE Payプリペイドカード」「かぞくのおさいふ・Visaプリペ(三井住友カード)」などのプリペイドカードの利用をおすすめしたい。2月10日改定予定のKyashのクレジットカードチャージに対するポイント還元率引き下げ(0.8%引き下げ)は、サービス改悪ではなく、クレジットカード派から非クレジットカード派・即時決済派へのターゲット変更とポジティブに受け止めたい。(BCN・嵯峨野 芙美)