総務省は、主にスマートフォン(スマホ)初心者向けに、通信事業者(キャリア)の乗り換えを支援する対面の窓口「スマホ乗り換え相談所」事業の実証実験を2021年度に実施するという。そこで何回かに分けて、スマホ乗り換えに関して解説していきたい。

 今回は、注目度No.1のNTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」、UQ mobileの新料金プラン「くりこしプラン」、ワイモバイル(Y!mobile)の新料金プラン「シンプルS/M/L」を比較する。ahamoとほぼ同じコンセプトのソフトバンクの「LINEMO」、KDDI(au)の「povo」については、サービス開始日が全て決まった時点で別途まとめる。
 まず、ahamo(3月26日開始)のデメリットを挙げよう。オンライン専用のため、故障時などのサポート対応はオンライン受付のみとなるほか、従来プランと違い、「キャリアメール提供なし」「留守番電話なし」「ドコモ回線継続利用期間は継続されるが、『ファミリー割引』『みんなドコモ割』特典の適用なし」となる。ネットワークは5G/4G(LTE)で、月間データ容量は上限20GBまで。テザリングは無料。
 月額料金は税別2980円。キャリアメールはフリーメールで代替可能なので、従来プランでは有料オプションとして用意していた留守番電話サービスの切り捨てこそ、最も割り切った点といえるだろう。なお、留守番電話は、後日追加される可能性はある。
 2月1日に提供を開始したUQ mobileの新料金プラン「くりこしプラン」の月額料金(税別)は月間データ容量3GBの「プランS」が1480円、15GBの「プランM」が2480円、25GBの「プランL」が3480円。プランMがahamo同等となり、月間15GB以内に収まるならUQ mobileのくりこしプランS、くりこしプランMのほうが安く済む。
 Y!mobileの4G/5G共通の新料金プラン「シンプルS/M/L」は、UQ mobileと同じく3GB・15GB・25GBが区切りとなり(初回1年間無料の「データ増量無料キャンペーン2」適用で4GB・18GB・28GB)、最安のシンプルSの場合、月額料金は税別1980円。月間15GB以内に収まるならahamoよりY!mobileのシンプルS、シンプルMのほうが安く済む。
 UQ mobileのくりこしプランSとY!mobileのシンプルSを比較すると、1回線の場合はUQ mobileのほうが500円安いが、本人と家族の2回線・同一名義2回線の場合は、2回線目に「家族割引サービス」による割引(1080円)が適用されるため、2回線合計でY!mobileのほうが80円安く済む計算だ。1回線でも「おうち割 光セット(A)」適用時は通常の1080円引きの月額900円となり、UQ mobileよりY!mobileのほうが安い。
 UQ mobile、Y!mobileとも家族一括請求は可能(詳しくはこちら https://www.bcnretail.com/market/detail/20210211_212326.html)。ただし、UQ mobileは家族間で回線の譲渡ができないので、例えば17歳まで親名義だった回線を18歳になった子どもに譲渡したいケースでは、auやドコモなど、家族間で譲渡可能な通信事業者にいったん乗り換え、それからUQ mobileに再び乗り換える必要がある。対して、Y!mobileは手数料を支払えば家族間で譲渡可能なので、余計な手続きは発生しない。子ども用に回線を新規契約するなら、この違いは把握しておこう。
 ほかにも、UQ mobileは余ったデータ容量を繰り越せる、Y!mobileは繰り越せない、UQ mobileは現時点では5G非対応、Y!mobileは2月18日から対応済みという違いがある。ソフトバンクは2月15日から、LTE周波数帯の700MHz・1.7GHz・3.4GHz帯を利用した5Gサービスを千葉県、東京都、愛知県の一部エリアから順次開始。5Gサービスのエリアマップも公開しており、ワイモバイルやahamo、大手キャリアの5G対応プランを選んだほうがより早い時期から5Gの恩恵を受けられる可能性が高まる。
 また、UQ mobileでは、キャリア決済(電話料金合算払い)の「auかんたん決済」が利用できるが、上限額はワイモバイルで利用できる「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い」より少なく、13歳以下はおこずかい相当の「1500円」に固定されている。細かい点だが、これもUQ mobileのデメリットといえるだろう。
 次回は4月1日から提供を開始する、月間データ容量1GB以内なら圧倒的に安い、楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT VI」のメリットを徹底解説する。(BCN・嵯峨野 芙美)