帝国データバンクは、新型コロナ禍で100円ショップの業界売上高が2020年度は過去最高を更新することがほぼ確実となったという、調査・分析結果を2月20日に発表した。

 同社の分析によれば、100円ショップ業界の大手5社を中心とした20年度の売上高(事業者売上高ベース)は11年連続で増加する見通しとなっている。
 大手のセリアなどでは、20年度業績で過去最高の売上高を見込むなど、各社の業績好調を背景に業界全体でも売上高で過去最高を更新することがほぼ確実となった。
 20年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛や店舗休業などの影響を受けたものの、巣ごもりに伴う「おうち時間」の増加によって、生活雑貨を中心に幅広いアイテム需要が拡大するとともに、消費者の節約志向も相まって、生活雑貨からアイデア商品までがそろう100円ショップが脚光を浴びている。
 総務省の家計調査に基づく、20年度の雑貨支出は総じて前年を上回っており、とりわけ第3四半期が前年を1割上回ったほか、緊急事態宣言が発令された第1四半期でも前年を上回り、生活用品や雑貨類への需要は通年で旺盛に推移した。
 巣ごもり下でおうち時間が増加したことから、室内雑貨類などの需要が高まっており、新型コロナ禍で外食を控える一方で、中食や自炊ニーズが高まったことから、鍋などのキッチン用品の需要が伸長するとともに、清掃商品や生活消耗品、手芸品、インテリア用品といった「おうち空間」を飾る雑貨需要が増加している。
 こうした状況を受けて、生活雑貨からDIY用品まで幅広い品目がそろう100円ショップが台頭しており、アイテム当たりの単価が低いため送料との釣り合いが難しく、同価格帯でネット通販との競合が少ないことや、新型コロナ禍での所得減などで高まった消費者の節約志向などを追い風に、実用的で割安感がある100円ショップ各社の好調な売り上げが続く。
 セリアは、21年3月期の売上高を従来予想から積み増し、前年比1割の増収となる1987億円を予想、売上・利益ともに過去最高を更新する見通し。キャンドゥも、20年11月期の売上高は連続増収を記録し、21年期も引き続き増収を予想する。
 一方で、消費者の「少しいいモノ=プチ贅沢」ニーズをくすぐる300円ショップなど高価格帯の出店攻勢も盛んになっており、ダイソーは「100円ショップ」の基本スタイルは堅持しつつ、300円プライスの「THREEPPY」業態を拡充するなど、高額商品も織り交ぜつつ柔軟に対応。キャンドゥも、300円などの高価格商品を拡充している。