東京都三鷹市は、三鷹市役所本庁舎1階市民課総合窓口の証明書交付手数料などの支払いについて、2021年1月18日から、電子マネーやクレジットカード、コード決済(スマホ決済7サービス)によるキャッシュレス決済サービスを導入すると発表した。同時にセミセルフレジ(現金自動精算機)も導入し、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、窓口での接触の機会を低減する。

 経済産業省は20年度、自治体窓口や公共施設のキャッシュレス化に取り組む先進的な自治体として「モニター自治体」を募集・選定。同省がまとめた「公共施設・自治体窓口におけるキャッシュレス決済導入手順書」を公開し、従来は現金による支払いしか選べなかった、公共施設の利用料や住民票など各種証明書の発行手数料のキャッシュレス化を促している。
 このモニター自治体ではないが、埼玉県飯能市は今年3月8日から対象窓口での対象項目の支払いに限り、クレジット/デビットカードなどのキャッシュレス決済サービスを順次導入すると発表した。対象項目は各種証明書の交付手数料、市民会館の施設使用料・チケット販売手数料などと、一定の条件を満たす窓口払いの上下水道料金。
 3月8日時点でVISA/Mastercardブランドのクレジットカードと、りそなグループのスマートフォン(スマホ)決済サービス「りそなウォレット」に対応。3月22日に交通系電子マネー(Suica、PASMO、ICOCA、Kitaca、TOICA、manaca、SUGOCA、nimoka、はやかけん)と電子マネーのnanaco、WAON、楽天Edy、4月以降にJCB/AMERICANEXPRESS/DinersClubブランドのクレジットカード、QUICPay+に対応する予定。なお、クレジット/デビットカードは、NFC(タッチ決済・コンタクトレス決済)にも順次対応する。
 このうち、Suica、PASMO、QUICPayはiPhone/Androidスマホでも利用でき、Androidならnanacoモバイル、モバイルWAON、楽天カードや共通ポイントの楽天ポイントからチャージできる楽天Edyも使える。
 PayPayやd払いなど、主要スマホ決済サービス非対応の理由は、窓口に設置するキャッシュレス端末に「りそなキャッシュレス・プラットフォーム」を選択し、埼玉りそな銀行が端末を提供したため。QUICPay/iD両対応の店舗が圧倒的に多い中、今回はiD非対応なので注意が必要だ。
 埼玉りそな銀行は、自治体へのりそなキャッシュレス・プラットフォームの提供は県内初とアナウンスしているが、埼玉県行田市は市役所窓口で発行する各種証明書など交付手数料の支払いに、20年10月から既にスマホ決済のPayPay/楽天ペイを導入している。他にも一部窓口での導入、試験導入はかなり多くの自治体で行われているようだ。
 自治体(市役所・区役所)窓口のキャッシュレス決済の導入は、そこに居住する住民にとっては利便性向上となるが、対象人数が少ないため、全国の読者を対象としたニュースサイトではほとんど取り上げられない。
 導入時期や導入するキャッシュレス決済サービスが自治体ごとにバラバラで、今ならPayPayや、バーコード付き払込票が手元にあれば、窓口に行かずにいつでも支払えるPayPay請求書払い/LINE Pay 請求書支払いなどのスマホ決済の請求書払いサービスを優先して導入してほしいところだが、先進的な一部自治体による先行事例を受け、今後1、2年で多くの自治体で何らかのキャッシュレス決済サービスの導入が進むと予想される。
 特に3月は、最大50%還元など大判振る舞いの主要スマホ決済サービスの還元キャンペーン、クレジットカード会社の新規入会キャンペーン、大手都市銀行・インターネット銀行の新規口座開設キャンペーンは、将来の完全キャッシュレス・チケットレス化に向けた布石となる。月額課金制サービスの契約に欠かせないクレジットカードと電子マネーまたはスマホ決済、最低二つのキャッシュレス決済サービスを使える状態にしないと、現金払い一辺倒よりも、だいぶ損をするようになる日も近いのではないだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)