今年5月のデジタル改革関連法案の成立・交付、今年6月18日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」、9月1日のデジタル庁の発足に続き、9月6日に内閣総理大臣が議長を務める「第1回デジタル社会推進会議」が開催され、デジタル改革の新たな推進体制や今後の進め方などについて議論された。

 会議資料の「当面のデジタル改革における主な項目(案)」では、「行政サービスのデジタル化の推進」「くらしのデジタル化の促進」「産業全体のデジタル化とそれを支えるインフラ整備」「誰一人取り残さないデジタル社会の実現(デジタルデバイドの是正)」の四項目に分類。第一の「行政サービスのデジタル化」では、マイナンバーカードを利用した公金受取口座の登録による国からの給付金の迅速な支給や、ワクチン接種証明のスマートフォンへの搭載(デジタルワクチンパスポート)を挙げた。
 正式にデジタルワクチンパスポート導入に向けての動きが始まることになったが、案の通り、マイナンバーカード保有を条件とした場合、まだマイナンバーカード普及率が4割弱(21年8月23日時点で37.2%)と低いため、利用者は限定されることになる。利便性を考えると、ワクチンパスポートのデジタル化は必須だが、専用アプリの有無、有効期間、利用方法など、思いつくだけでも実現に向けた課題は多そうだ。
 第二の「くらしのデジタル化」については、デジタル庁主導で全体像(見取り図)を描き、くらしを変えるデータ連携の実現を目指す。具体例として、医療分野では「オンライン診療の推進」と「国民が生涯にわたって自らの健康情報を電子記録として正確に把握できる仕組み(HR)の提供」、教育分野では「ICT利活用環境の強化、デジタルコンテンツの教育現場での活用」を挙げた。
 このほか、「産業全体のデジタル化とそれを支えるインフラ整備」として、デジタル社会を支える次世代通信規格となる5Gインフラの整備とビヨンド5Gの実現に向けた研究開発、標準化を推進する。
 デジタル庁は、デジタル社会形成基本法の規定に基づき、今回の「当面のデジタル改革における主な項目(案)」を盛り込んだデジタル庁創設後初めての「重点計画(新重点計画)」を12月中下旬の閣議決定を目指し策定を進める。(BCN・嵯峨野 芙美)