全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、「データ管理ソフト」部門の上半期(2021年1〜6月)でデネットが販売本数シェア1位を獲得。半数を超す51.5%の圧勝で、2位のヴァル研究所(22.0%)と3位のアールアイティ(21.8%)を大きく引き離した。そのデネットは、小中学校向け勤怠管理ソフトでも強さを発揮している。

●コロナ禍で「名簿リストの断捨離」


 デネットは、前年の2020年上半期(1〜6月)は「テンプレート」ソフト部門で販売本数シェア1位を獲得する強さを見せていた。主力商品は「価格表メニュー作成」や「販促チラシ印刷」といった販促チラシのテンプレートソフトだった。飲食店や小売業、病院などで新型コロナウイルス対策の対応に追われ、テイクアウトニーズや感染対策に素早く対応したチラシテンプレートが受けたのだ。
 しかし、新型コロナが2年目に突入すると、売れる商品にも大きな変化が表れた。「かんたん住所録PRO8」や「パソコンで住所録・宛名印刷」など、はがきのあて名印刷用ソフトが売れるようになった。そこにはコロナ禍ならではの少し寂しい理由が隠されている。
 外出自粛で人と会う機会が減ったことで、いわゆる「名簿リストの断捨離」ニーズが発生したのだ。ビジネスシーンでは、苦境の飲食店などが名簿リストの中身を精査したり、個人間では本当に大切な友人や仲間は誰かなど、名簿リストを見直すきっかけになった。
 「デジタル時代に、はがきのあて名印刷は減っていくだろう」と読んでいたデネットにとっても想定外の反応で、ふたを開けてみれば住所録シリーズのダウンロード数は前年同期比110%も増加した。
 もっとも、一方では人流抑制など人との接触が減ったからこそ、疎遠になった人にはがきやDMを送ろうとするアナログのコミュニケーションの良さが見直されたという側面もある。暑中お見舞いや年末年始の挨拶をする際に、データ管理ソフトが活躍する余地が生まれた。
 新製品では、久しぶりに印刷用はがきを使う際、印刷する表裏やセットする方向を間違えたりしてムダにならないよう、テスト印刷用のはがき2枚を同梱している。こうしたユーザーの心をくすぐる細やかな配慮をすばやく形にしてサービス提供するのも、デネットが市場から評価されている理由かもしれない。
 デネットでは、今後は飲食店の営業再開や新型コロナが収束したときの友人や遠く離れた人と再会する際の挨拶などでも、引き続きこれらの製品が売れるとみている。

●変化の激しい教育現場に対応する「パソコンで勤怠管理School」シリーズ


 さて、そんなデネットが全社を挙げて注力している事業が「学校の先生たちの働き方改革」である。もともと2018年10月から「パソコンで勤怠管理School」という勤怠管理ソフトを販売しており、教員の長時間労働などを見直すツールを提案していた。
 新型コロナで先生たちの在宅勤務やリモート授業が増えた。それにつれて勤怠機能だけに絞り込んでいるシンプルさや、少人数でも安価に導入できることなどから、口コミでパソコンで勤怠管理Schoolの使い勝手の良さが広がっていった。
 21年9月時点では、シェア1割を超える全国の小中学校3000校以上、教職員7万7000人以上が使うソフトに成長している。導入数の大小はあるが、パソコンで勤怠管理Schoolが入っていない都道府県はないほどだ。
 新しいネットワーク版に対応した「パソコンで勤怠管理School NETWORK」では、専用のPCが不要になり安価な専用端末にICカード(フェリカ)をかざすだけで出退勤管理ができる。在宅勤務のときはスマートフォンだけで出退勤ボタンが押せる。
 今後は、教員免許廃止に伴う教員の研修管理など、勤怠管理から派生した人材管理まで対応する機能の開発を進めている。
 デネットでは「先生たちの労働環境をよくして、教育界のDXを推進していきたい」と、さらなるサポートやサービスの充実を図りながら、文教分野での認知度をさらに高めていく考えだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。