楽天グループは、2021年11月に発表した「楽天グループ ヒットキーワード2021/ヒット予測キーワード2022」で、21年のヒット商品の一つに「資産形成」を挙げ、若年層・女性・投資初心者を中心に楽天証券の口座開設数が増加したと伝えた。今年は、21年夏に楽天証券も開始した初心者向けおまかせ投資サービス「ロボットアドバイザー(ロボアド)」と、22年4月から高校の家庭科の授業カリキュラムに加わる「金融教育」がヒットすると予想している。

 一部の医療機関・薬局における健康保険証としての利用(要申し込み)、スマートフォンアプリからの新型コロナワクチン公的接種証明書の申請手続きなど、段階的に利用できる機能の追加・拡充が進められている「マイナンバーカード」の人口に対する交付枚数率は21年12月1日時点で39.9%。47都道府県で人口1位の東京都では43.6%と、既に4割を超えている。
 マイナンバーカードは、国の目標としては、22年度末(23年3月31日)までにほぼ全国民が取得し、行政手続きのオンライン化、社会のデジタル実装を加速させたい考え。目標達成はかなり厳しいと危ぶまれているが、残り1年強で「ほぼ全員取得」を可能にするために打ち出されそうな施策を予想として挙げていく。

●マイナンバーカード普及策予想1 条件なし1人につきマイナポイント3万円分


 22年後半〜23年春に、決定済みのマイナポイント第2弾とは別に、マイナンバーカードの保有・マイナポータルからの公金受取口座登録以外の条件なしに1人につき3万円分のマイナポイントを付与するバラマキ施策があると予想する。共通ポイントのなかでも使い勝手が悪いといわれる「dポイント(用途・期間限定)」のように、付与日から6カ月間に限り有効など、「有効期間」を定めることで消費に直接回るからだ。
 一律マイナポイント付与は、21年秋の時点では見送られたが、「マイナンバーカードを作る動機になる」「ポイント連動のキャッシュレス決済となるため、誰がどの店で使ったのか分かる」「付与したポイントが消費されない場合は予算が余る」といったメリットがあり、マイナンバーカード普及の切り札となる案だ。いよいよマイナンバーカードを国民全員が持って活用して欲しい段階になったら必ずや実施されるだろう。

●マイナンバーカード普及策予想2 本人確認のマイナンバーカード優遇


 PayPayやメルカリなどは、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用した本人確認の手続きの仕組みを導入している。運転免許証・マイナンバーカードなどの本人確認書類の顔写真と、スマートフォン内蔵インカメラの前での「顔振り」などで実在性を確かめるeKYCは便利な反面、うまくいかない場合もあり、選択肢として、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを導入するアプリ・サービスが増えると予想する。
 同時に、マイナンバーカードの公的個人認証サービスによる本人確認(更新含む)限定で「500ポイント進呈」「割引クーポン配布」といった特典を用意し、新規利用者獲得に向けて口コミ拡散を狙うと予想。マイナンバーカードの普及は、これまで大型キャンペーンや値下げなどで話題を巻き起こしてきた民間企業にかかっている。

●マイナンバーカード普及策予想3 「ポイント投資」の認知度アップ


 証券口座の新規開設にあたり、マイナンバー確認書類(マイナンバーカード・マイナンバー記載の住民票)の提出が義務づけられているため、本格的な「ポイント投資」、特にクレジットカード決済による投信信託の積立購入(投信積立)を始めたい人が増えるほど、自然にマイナンバーカードの普及が進むだろう。マイナンバーカードを保有していないと、マイナンバー確認書類の提出を求められるたびにマイナンバー記載の住民票発行手数料が必要になるからだ。
 高校の金融教育の授業では、家計の資産形成の視点から投資信託などを取り上げるという。冒頭で紹介した楽天グループのヒット予想の通り、今後、ロボアド・金融教育の注目度が高まるのは必至。20代後半・30代の資産形成ブームがより若い世代にも広がりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)