ソフトバンクとWOTA、東急不動産、東急リゾーツ&ステイの4社は、東急不動産が保有し東急リゾーツ&ステイが運営するリゾート施設(東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設)で、全生活排水を再生循環するWOTAの「小規模分散型水循環システム」を設置し、水道インフラに依存しない新たな分散型水供給システムの構築に向けた実証を5月に開始した。

●過疎地やリゾート施設の水道インフラの維持に向けて


 過疎化が進む地方自治体のほか、点在する宿泊・レジャー施設をつなぐように水道管が敷設された広大なリゾート施設では、水道管の修繕費用など水道インフラの維持に関する課題がある。4社は今回、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設で、施設に接続することで全生活排水を再生循環するWOTAの「小規模分散型水循環システム」を活用した実証を行い、リゾート施設が共通で抱える水問題の解決に向けて取り組んでいく。
 最初の取り組みとして、5〜7月(予定)に千葉県市原市にあるゴルフ場「鶴舞カントリー倶楽部」のコース内(1か所)にWOTAの「小規模分散型水循環システム」を設置し、まずはトイレの排水の再生循環利用を行い、運用方法や可用性を検証する。その後、「東急リゾートタウン蓼科」をはじめとしたリゾート施設でWOTAの「小規模分散型水循環システム」による全生活排水の再生循環利用を行い、利用者の受容性や安定的な運用方法を検証する予定。
 検証結果を踏まえて、将来は、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設にWOTAの「小規模分散型水循環システム」を展開し、水道インフラに依存しない新たな水供給システムを構築して水問題の解決を目指す。
 各社の役割は、ソフトバンクでは、取り組みの全体統括、通信環境の提供、実証に関するサポート(センサーの提供など)を行う。WOTAは、「小規模分散型水循環システム」の提供と運用・管理、関連データの収集・分析を行う。東急不動産と東急リゾーツ&ステイは、実証フィールドの提供、「小規模分散型水循環システム」の設置工事を行う。