富士通の携帯端末事業を分社化して発足した富士通コネクテッドテクノロジーズが7月20日に発売するSIMフリースマートフォン「arrows M04」は、富士通が長年培ってきた、「わかりやすさ」や「見やすさ」などを高めるノウハウを投入。CPUやディスプレイの解像度など、主要なスペックは1年前にリリースした「arrows M03」から変わらないが、耐衝撃性能がアップして曲がりや歪み、落下時の画面割れに強くなったほか、家庭用洗剤や泡タイプのハンドソープでの洗浄にも耐えるなど、より長期にわたって安心して使えるよう改良を加えている。

●主要機能が大きなアイコンで表示される「かんたんセット」を用意


 富士通は、シニア層や初心者をターゲットに、画面に表示される文字を大きくデザインし、深い階層型のメニューをたどらなくてもよく使う機能にアクセスできるなど、使いやすさにこだわった携帯電話「らくらくホン」シリーズをNTTドコモと共同で2001年から開発してきた。
 2012年にはAndroidベースの「らくらくスマートフォン」を発売し、スマホにも拡大。全年齢を対象とした新製品「arrows M04」は、「らくらく」シリーズとは異なり、外観は、シニア向けといったイメージはまったく感じさせない、シンプルで美しいデザイン。IPX5/8対応の防水性能、IP6X対応の防じん性能、高さ1.5mからの落下テストをクリアした耐衝撃性能を備え、SIMフリーながら、キャリアモデル同様、ワンセグや「おサイフケータイ」に対応する。
 工夫したポイントは、ソフトウェアだ。「かんたんセット」と呼ばれるモードに設定すると、主要機能が大きなアイコンで表示され、「らくらくスマートフォン」に近い操作体系に切り替わる。「電話」「電話帳」「メッセージ」「インターネット」の4アプリでは、メニューボタンの位置など画面デザインを極力統一し、Androidの操作を知らないユーザーでもすぐに使いこなせるようにした。
 文字や表示サイズを拡大し、見やすいフォントやアイコンに切り替える「はっきり文字」、ワンタッチで画面をズームできる「いつでもズーム」機能も備え、他のアプリでも見やすい表示にすることが可能だ。
 さらに、スマホを携帯して1日に歩いた歩数を家族にメールで通知する機能や、電話帳未登録の番号からかかってきた電話には「この通話は、迷惑電話防止のために録音されます」というガイダンスを流すとともに録音する迷惑電話対策機能など、見守り・安心機能も充実させた。

●今年度中に、格安スマホの半数が「店頭契約」になる


 ある富士通幹部は「これまでMVNO市場はWebサイト経由の契約が主流だったが、家電量販店の店頭やMVNOの自社ショップなど、店頭での契約が今年度中にも約半数を占めるだろう」と話す。「格安スマホ」とも呼ばれるMVNOの利用者は、これまでは比較的ITリテラシーの高い層が多くを占めていたが、今後は、自分で情報収集や機種選定を行わない層も流れてくるという見方だ。
 具体的には、50〜60代や、主婦層のMVNOに対する関心が高まっているという。家計に占める通信費の割高感があるなか、広告などを通じ、「格安スマホ」の認知は広がったが、「乗り替えると安くなるらしいが、料金プランや契約方法がよくわからない」という消費者は少なくない。そのような層を取り込めるのが、家電量販店などの店頭だ。
 今回の「arrows M04」は、そうしたMVNO初心者をターゲットに、販売店に「らくらくスマートフォン」の代わりとして安心してすすめられる機種として設定。国産ならではの安心感とあわせ、海外メーカーが席巻するSIMフリースマホ市場で、他社製品との差異化を図る戦略だ。
 家電量販店では、エディオン、ケーズデンキ、コジマ、ジョーシン、ソフマップ、ノジマ、ピーシーデポ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラの10社が取り扱い、ビックカメラ/コジマ/ソフマップは、通常カラーに加え、限定カラーのデニムブルーも販売する。税込の実勢価格は3万円強〜4万円弱の見込み。