エスキュービズムは7月13日、ロボット掃除機・CDポータブルプレーヤー・炊飯器の新製品を発表した。発表会で薮崎敬祐社長は、家電事業の戦略として掲げる「ルーム家電」のコンセプトについて紹介した。

 今年で12年目を迎えるエスキュービズムが家電事業を開始したのは4年前。ネット通販事業で自社製品を販売することを目的に開発していたが、現在はリアルの家電量販店を中心に展開している。取り扱うアイテムも多彩だ。液晶テレビやオーディオプレーヤーなどのデジタル家電から、掃除機や冷蔵庫などの白物家電まで幅広く揃える。
 それぞれの家電に共通しているのは、リビングのような広い空間ではなく寝室や一人暮らしのワンルームをターゲットにした小型家電ということだ。エスキュービズムでは、これらを「ルーム家電」と呼称している。
 独身世帯の増加や少子化で、日本の住環境は急速に変化しつつある。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来設計」では、一人暮らし世帯は、2010年には1679万世帯だが35年には1846万世帯になると予想している。なかでも高い割合を占めるのが60歳以上の高齢者だ。
 生活空間も年々狭くなっている。住宅生産団体連合会が実施した「戸建注文住宅の顧客実態調査委」のデータでは、06年と比較して15年は10平方メートルほど縮小した。
 また、薮崎社長は消費傾向と販売環境についても指摘する。「ジェネリック家電が人気を集めているが、消費者は物を購入するときに『安くていいもの』を求める傾向が強くなっている。ブランドにはこだわらなくなってきた。また、かつては街の電気屋だけだった売り場は、量販店、ネット通販と広がり、非マス家電にも居場所ができた」。
 エスキュービズムが目指しているは、この非マス家電。大手が注力するリビング向けの家電ではなく、より狭いルームでこそ生きる家電で勝負する。キーワードは「ENRICH THE ROOM」だ。薮崎社長はルーム家電が支持されるための条件に「小型・薄型」「部屋を彩るカラーリング」「お手頃・納得価格」「テクノロジー」を挙げる。さらに家庭だけでなくオフィスも“ルーム”と捉えて、アプローチしていくという。
 今回、発表した各カテゴリの新製品にもその考えは反映されている。ロボット掃除機は厚さ3.2cmと薄型に特化、CDポータブルプレ―ヤーと炊飯器はカラーにこだわった。発売時期は未定だが、BtoB向けにAndroidを搭載した電子黒板も完成間近だ。
 今後はサイクルを早めて月に1回は新製品を投入する予定。現在の家電事業の売上高は20億円規模だが、2〜3年以内に50億円を目指す。(BCN・大蔵 大輔)