「体臭」への意識が高まる時期を迎え、洗っても落ちない「疲労臭」と心理的なストレスとの関係に注目が集まっている。

そんななか、皮膚ガス(体臭)分析の第一人者である東海大学理学部化学科の関根嘉香教授と、森永乳業 研究本部 素材応用研究所 マネージャーの境洋平氏は、「疲労臭」の抑制方法に関する共同研究を通して見えてきた「疲労臭」と「ビフィズス菌」の関係について、特別対談を行った。

ストレスで発生する「疲労臭」
関根先生:
「疲労臭の原因物質はトイレの嫌なにおいの成分としても知られるアンモニアで、鼻にツンとくるような刺激臭がします。
研究に取り組むなかで、体の疲れだけでなく、メンタルストレスもアンモニアの放散に影響していることが分かってきました」

これまでと異なる生活によってストレスが溜まっている人も多いはず。
今年の夏は汗による「体臭」に加えて、「疲労臭」にも注意が必要だ。

「ビフィズス菌」と「疲労臭」の“意外”な関係性
森永乳業 境氏:
「私はミルクオリゴ糖である、ラクチュロース*の研究を行っています。
ラクチュロースの『血中アンモニア濃度が下がる』機能に注目して情報収集していたところ、関根先生の『疲労臭』の研究に出会い、共同で研究を行うきっかけになりました」
(*ラクチュロース...牛乳に含まれる乳糖を原料として作られるオリゴ糖)

関根先生:
「共同で実施した試験では、ラクチュロースを2週間、毎日4gを摂取してもらいました。
その結果、摂取とともに皮膚のアンモニアの放散量が減少し、摂取15日後には有意に減少していたのです」

森永乳業 境氏:
「ビフィズス菌は、ラクチュロースの摂取前よりも摂取後の方がその数や割合が明らかに増えていました」

この二つの変化について相関を見てみると、ビフィズス菌数が多いと、アンモニア放散量が少ない傾向にあることが分かったという。
つまり、大腸のなかのビフィズス菌が増えることによってアンモニアの放散、いわゆる「疲労臭」を抑制できる可能性があると考えられる。
関根先生:
「私が『疲労臭』抑制の一番大きい要因と考えているのは、ビフィズス菌が大腸でつくる乳酸や『短鎖脂肪酸』の一種である酢酸の存在です。
この酸が大腸内を(弱)酸性にすることで、アンモニアが腸から血中に移行しにくい形に変わったり、悪玉菌の活動を抑制して、そもそもアンモニアが生み出されにくくなっている可能性があります」

ビフィズス菌入りのヨーグルトで「疲労臭」ケアを
腸内のビフィズス菌を増やし、短鎖脂肪酸を生み出すには、ビフィズス菌入りの食品を取り入れるのがおすすめ。
中でも手軽なのが、ヨーグルトだ。

ヨーグルトの中でも、ビフィズス菌が入っている商品を選ぶのがポイント。日々の食生活に取り入れてみてほしい。