2018(平成30)年の首都圏中学入試には、どんな傾向が見られたのでしょうか。
森上教育研究所による、2月1日受験者の速報値から、特徴的なトピックをお伝えします。

中学受験者は目立って増加

1都3県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の公立小学校卒業予定者は、前年の97.4%で、2.6%減少しています。
一方、2月1日に私立中学を受験した人は前年の102.6%と2.6%増加。他の日程から2月1日に入試日を移した学校もあるため、数値が伸びやすい事情はありますが、リーマンショック以降で、ここまで如実に中学受験者が増加した年はありません。
中学受験比率(2月1日受験者数÷1都3県公立小学校卒業予定者数)は13.7%となっています。

入試日の日程で見ると、東京・神奈川は2月1日、埼玉は1月10日、千葉は1月20日と、入試初日の受験者が増加し、ここ数年「短期決戦」の傾向が続いているといえます。そのため、入試初日に午後入試を行う学校が増えています。

強い「附属志向」、指定校推薦枠にも注目が集まる

ここ数年、大学附属(付属)校に数多くの志望者が集まる傾向が続いていますが、今年もその傾向は非常に顕著で、早慶、MARCH、日大、東海大の系列校、学習院中等部など、大学附属校は軒並み志望者が増えました。
また、立教大学への80名(2018年現在)の推薦枠をもつ香蘭女学校など、有名大学への指定校推薦枠のある学校も志望者を増やしています。

その背景には、大学入試改革があると考えられます。
大学入学共通テストの全容がわからない今、内部進学の保証のある学校に入れておきたいと考える保護者は増えています。
一方、大学附属校から、系列以外の大学への進学者も増える傾向にあります。進学先を確保しつつ、本人の希望次第で系列校以外の大学にチャレンジすることも可能である点や、大学とのつながりが強く、自分の興味に応じて様々な分野を深く学ぶことができるといった環境も附属校の魅力といえるでしょう。

大学進学実績や国際化がポイント、女子校、男子校の復権も

ここ数年、共学校に志望者が集まる傾向がありましたが、2018年入試では、難易度が上位から中位の学校で、共学・男子校・女子校にかかわらず志望者が増加する傾向がみられました。
特に女子校は苦戦が続いていましたが、女子校では、洗足学園、吉祥女子、鴎友学園女子、豊島岡女子学園、大妻、共立女子、頌栄女子学院、京華女子などで志望者が増えました。志望者増のポイントとしては、大学進学実績が大きいとみられます。
2017年は、私立大学の定員減の影響で早慶、MARCH等の合格者数が減っている学校が多いのですが、その中でも合格者数を維持している学校には志望者が集中しています。東大等難関大学の合格者数も志望者数を大きく左右します。男子校では、難関大学への進学実績が高かった城北、攻玉社、巣鴨などが志望者数を伸ばしました。

また、茗渓学園、開智日本橋、横浜女学院、昌平など、国際バカロレア(IB)認定校となったり、国際系のコースを設けるなどして、グローバル教育に力を入れている学校にも、志望者が集まる傾向がありました。また、英語入試や適性検査型入試、思考力入試なども増加傾向にあります。

全体的に見て、今回は「難関」「伝統校」といったブランドよりも、先行きの不透明さを反映し、大学進学やその先の進路を考慮した受験が多かったという印象を受けました。「大学」が今回の中学入試の重要なテーマといえるかもしれません。