中学受験が本格的に始まる時期となりました。森上教育研究所では、11月に実施された四模試で、昨年から志望者数を10%以上伸ばした学校と10%以上減少した学校を分析しました。この分析結果と昨年度入試の実倍率に基づき、2021年度入試の倍率予想についてお伝えします。今回は女子の動向です。

中堅女子校の人気が高まり、難関校は避けられる傾向に

女子も11月の四模試では難関校の志望者数が減少し、中堅校・中位校などの比較的受けやすい学校の志望者数が増加しています。
2月1日に入試を行う学校で見ると、最も受験者数が増加すると考えられるのは鴎友学園で、四模試の志望者数が昨年の573人から793人に増えています。

吉祥女子の2回入試への変更といった外部環境の変化も影響しているとみられ、このまま増えていきますと入試の倍率は昨年の2倍から2.8倍にまで増えると考えられます。

同じくらい増えそうなのが山脇学園で、やはり入試倍率が昨年の2.4倍から3.3倍になると予想しています。

また、昭和女子大昭和も志望者数を大きく増やしています。理系向けのスーパーサイエンスコースの設置や坂東眞理子理事長による昭和女子大全体のブランド向上が人気につながっているとみられ、入試倍率は昨年の3.3倍から4.2倍という高い倍率になると考えられます。

ただ、いずれも比較的受けやすい中堅校であることが人気の大きな要因であることは間違いありません。

一方で、難関校の志望者数は減少しています。
女子学院は志望者数が昨年の894人から799人へと100人近く減っています。入試倍率は昨年の2.7倍から2.4倍となると予想されています。

また、香蘭女学校も志望者数が昨年の511人から407人へとやはり100人余り減り、入試倍率は昨年の3.9倍から3.1倍に下がると考えられます。
頌栄女子学院も志望者数を減らしており、入試倍率は昨年の2.3倍から2倍となる予想です。
いずれも劇的に減るわけではありませんが、やはり難しい学校を避けようとする受験生の動きは見てとれます。

共学に関しては、早稲田実業が昨年は入試倍率4倍という高い倍率だったのですが、今年は3.5倍に落ち着くとみられています。女子の場合は、男子と異なる傾向として、前の年に激しく増加した学校は次の年に減少するという隔年の現象がありますので、昨年の春に倍率が高かった学校は大体倍率が下がる傾向にあると考えていただくとよいでしょう。

付属校人気は高止まり、午後入試・1月入試の志望者は減少へ

2月2日に入試を行う学校では、跡見学園、山脇学園、実践女子学園が志望者数を大きく伸ばしています。青稜のように共学校でも志望者数を伸ばしている学校もありますが、やはり女子校の人気が高い傾向があります。

一方で白百合学園、大妻、渋谷教育幕張、國學院久我山といった難関校は、2月1日入試校と同様志望者数を減らしており、避けられる傾向にあります。男子の場合は付属校が志望者数を減らしていましたが、女子の場合は付属校人気があまり衰えず高止まりしています。

昨年度倍率が非常に高くなった明治大明治などは今年減少に転じていますが、香蘭女学校などのような系列大学に進学が可能でかつ他大学の受験も可能な「半付属校」はやはり人気が高く、多少の増減はあっても今後も人気は高止まりするでしょう。

地域的には、男子と同様東京と神奈川の学校に人気が集中しています。

公立中高一貫校が増えた影響で私学の志望者数も増えている茨城以外の千葉、埼玉の1月に入試が行われる学校は、青山学院浦和ルーテルといった一部の学校を除き、志望者数は1割程度減少しています。

女子の場合も、東京から併願校として受けに行く受験生が減っていることが、志望者の減少につながっているのでしょう。午後に行われる入試の志望者数も同様に減少傾向にあり、あまり多くの学校を併願せず受験校数を絞り、なるべく受かりやすい学校を手堅く受験するという傾向が女子についても今年は強いと言えます。

まとめ & 実践 TIPS

難関校の志望者数が減少する一方、中堅校・中位校などの比較的受けやすい学校の志望者数が増加し、特に中堅女子校の人気が高まっています。
女子の場合は、昨年の春に倍率が高かった学校は大体倍率が下がる傾向にあるという点も押さえていただくとよいでしょう。付属校の志望者数はあまり減らず人気は高止まりしています。「半付属校」を中心に人気が続くと考えてよいでしょう。
1月に入試が行われる埼玉・千葉の学校、午後に行われる入試については、男子と同様に志望者数は一部を除いて全体に減少傾向にあり、併願校を絞り、なるべく受かりやすい学校を手堅く受験するという傾向が今年は強いと言えます。