将来なりたい職業について、高校生にアンケートを実施しました。その中でTOP10にランクインした職業について、仕事内容から将来性、そのための進路や適性まで、詳しい情報をお伝えしていきます。今回ご紹介するのは、第1位の「看護師」。新型コロナウイルス感染症の拡大が社会的問題となる中で、医療現場を支えてくれている看護師は、いったいどんな職業なのでしょうか? 将来なりたい職業TOP10の発表は最後の章で!

この記事のポイント

  • 看護師って、どんなオシゴト?
  • 看護師の働き方って、どんな感じ?
  • 看護師の給料って、どれくらい?
  • 看護師の将来性は?
  • 看護師に向いているのはどんなタイプ?適性は?
  • 看護師になるには、どうすればいいの?
  • 看護師に関連する職業には、どんなものがあるの?
  • キャリアアップをめざせる資格
  • 高校生 なりたい職業ランキングTOP10

看護師って、どんなオシゴト?

医師の治療を助け、人々の健康を守る

看護師の主な仕事は、病院や診療所などで医師の診察や手術などを手助けし、病人やけが人などの体調の回復に努めることです。勤務先は病院、診療所以外にも、社会福祉施設、訪問看護ステーション、保健所など広範囲。勤務先によって仕事内容も異なります。

大病院の看護師は…

病棟、外来、手術室といった具合に担当が分かれており、業務内容もそれぞれ異なります。
病棟と外来の担当は、医師の診察の補助、カルテの整理や患者の検温などを行います。加えて、入院患者の洗面、入浴、排せつ、食事などの手助けもします。
手術室の担当は、手術の準備をし、手術中は執刀医に必要な器具を手渡したり、患者の容体を見守ったりします。

有料老人ホームなど福祉施設の看護師は…

主に入居者の健康管理・健康相談を行います。医師の診察の補助や、カルテ・健康診断の管理など、病院と同じような内容です。また、入居者に配る薬や残った薬、服薬の相談など、施設内の薬に関する管理を任されることもあります。
現在では、医療現場での「チーム医療」にならって、福祉施設でも「チームケア」が進められています。医師や薬剤師、介護スタッフ、リハビリスタッフと協力する姿勢も欠かせません。

保健所の看護師は…

仕事内容は福祉施設で働く看護師と似ています。施設への来訪者の健康相談や予防接種などを、医師と協力して行うことが多いようです。

看護師の働き方って、どんな感じ?

患者に対応するため、24時間体制をとる職場もある

看護師の多くは、総合病院や個人医院、診療所で働いています。その労働条件は厳しく、特に病棟担当の看護師は、24時間体制で入院患者に対応しなければなりません。そのため、夜勤や休日出勤を含む、交代制の勤務形態がとられている場合が多いようです。

シフト制は2つのパターンがある

看護師のシフト制には2交代制と3交代制があります。
2交代制のシフトは日勤と夜勤の2種類。日勤は朝から夕方まで、夜勤は夕方から朝まで働きます。3交代制に比べて勤務時間が長いぶん、休みを取りやすいのが特徴です。
3交代制は日勤、準夜勤、夜勤のシフトがあり、2交代制より勤務時間は短くなります。ただし、日勤が終わってすぐに夜勤に入るなど、働き方も休み方も変則的になりやすい様子。どちらの場合も多忙になりがちなため、自分自身で体調を管理していくことが大切です。

看護師の給料って、どれくらい?

給料

・平均給与 33万1900円/月
・年収 約480万円

※年収の計算方法:きまって支給する現金給与額(33万1900円)×12カ月+年間賞与その他特別給与額(81万6500円)
※厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より
※10人以上の規模の事業所で働く看護師の給与月額男女計(平均年齢:39.3歳、勤続年数:8.2年、所定内実労働時間数:158時間、超過実労働時間数:7時間)

男女計の平均年収は約480万円です。多くの看護師の給与形態は「基本給+時間外(残業)手当+各種手当」となっており、特に各種手当が手厚いことが多いようです。

看護師独特の手当

例えば独特の手当として、「オンコール手当」が挙げられます。緊急時の招集にすぐに応えられるよう、自宅で待機しておくのが「オンコール体制」。オンコール手当は、その負担に対する手当です。そのほか、手術室看護師など、病院内の特定の科の看護師については危険手当が支給されることもあります。

看護師の将来性は?

高齢化の進行で、ますますニーズが高まっている

少子高齢化の進行、医療技術の進歩などに伴って、ニーズが高まっている看護師。加えて、地域の訪問看護や福祉施設など、活躍の場は広がりつつあります。
しかし、中小病院や地方の病院では看護師が不足気味のところが多く、地域格差の是正や看護の質の向上が急務です。今後は高齢者看護においてもさらなる活躍が期待されています。

働きやすい環境に変化しつつある看護師

看護を取り巻く環境の変化に合わせて、看護師の働き方にも変化が生じています。人手不足、医療に関わるプレッシャーや夜勤の負担など、看護師のハードな働き方は長年問題視されてきました。今後は夜勤の人員確保や時間外労働の削減など、看護師がよりよく働いていける環境の整備が進められていく見込みです。そのためのサポート施設が「ナースセンター」。出産などで離職した看護師の復帰を助けたり、現役の看護師の相談に乗ったりしてくれる施設で、各都道府県に設置されつつあります。また、従来は女性の多い職場でしたが、近年は男性も増加しています。

看護師に向いているのはどんなタイプ?適性は?

適切に対処できる冷静さ

看護師には、まず患者の症状を正確に観察し、適切に対処する医学的知識・技術、冷静さが求められます。緊急時には機敏さも必要です。

患者の心のよりどころとなる誠実さ

患者へのいたわりや思いやりの気持ちも欠かせません。入院患者の多くは、将来への不安で精神的に落ち込みやすい状態にあります。そうした患者を理解し励ますためには、誠実な態度で、患者から信頼されることが何より大切です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も必要です。近年では「チーム医療」という考え方が重視されるようになってきました。医師の指示を聞くだけでなく、積極的に報告や相談を行い、医師をはじめとしたほかの医療従事者と協力しながらケアを行うことが求められています。チームへの貢献意識も不可欠であるといえるでしょう。

タフな精神と肉体

看護師の仕事は交代制であり、日勤と夜勤を繰り返すこともあるハードなものです。命を扱うという仕事柄、精神的にも肉体的にもタフであることが求められます。

看護師になるには、どうすればいいの?

必要な資格やなるためのコースは?

看護師になるには、「看護師」資格が必要です。そのためには、看護師国家試験に合格しなくてはなりません。受験資格は、大学や3年制短大の看護系学科、または病院や大学の医学部に付属する3年制看護学校などを卒業すると得られます。また、大学や4年制専門学校の中には、看護師と保健師・助産師のカリキュラムを統合して学べるところも。この場合は、卒業時に保健師・助産師の国家試験受験資格も得ることができます(ただし、保健師・助産師になるためには、看護師国家試験にも合格している必要あり)。

看護師資格の合格率は高め

2019年の国家試験では、受験者6万3,603人、合格者5万6,767人、合格率は89.3%でした。合格率は例年9割前後で、ほかの国家試験に比べると比較的高い割合を保っています。
近年では、看護のニーズの高まりに応じて、看護師を養成する大学・学部も増えています。

看護師に関連する職業には、どんなものがあるの?

医師/歯科医師/保健師/薬剤師/理学療法士/臨床検査技師/診療放射線技師/作業療法士/細胞検査士/視能訓練士/はり師・きゅう師/音楽療法士/臨床工学技士/歯科技工士/歯科衛生士/薬品メーカー勤務/義肢装具士/柔道整復師/あん摩マッサージ指圧師/診療情報管理士

看護師に関連する職業は多岐にわたりますが、そのほとんどが医療に携わる職業です。なかでも医師や理学療法士、臨床検査技師などは、実際の医療現場でも一緒に働くことが多い職業。また、保健師と助産師はともに看護師の国家資格が必須であり、業務内容も重なり合う職業です。

なお、保健師と助産師の仕事内容と資格については、以下のようになっています。

・保健師
保健所や保健センターで、病気の予防や啓発のために働くのが保健師。取得には看護師の資格が必要です。看護師・保健師の資格を両方取得できる大学や専門学校を卒業するか、看護師の国家資格合格後に改めて保健師養成課程のある大学等を卒業することで受験資格を得ることができます。

・助産師
出産の手助けをする職業。保健師同様、看護師の国家資格に合格することが資格取得の条件です。看護師や保健師と同時に資格取得をねらえる大学等もあります。

看護師をめざす人は、関係の深い医療系の職業について調べ、看護師や医療への理解を深めておくのがよさそうです。

キャリアアップをめざせる資格

看護師になってからも、キャリアアップをめざして資格取得をすることができます。その資格について詳しくお伝えしましょう。

・認定看護師
高い水準の技能・知識を持っていることを認められた看護師のこと。5年以上の実務経験を持ち、日本看護協会が認める養成課程を修めたうえで、認定審査に合格することで資格を得られます。全国で約2万人が認定看護師として活躍しています。

・専門看護師
認定看護師同様、日本看護協会に認められた資格。臨床現場でのケアをしたり、看護師やほかの医療職の相談に乗ったり、病院と訪問看護ステーションなどほかの看護施設との橋渡しを行ったり……。専門性の高い看護師として、幅広い活動を行います。そのほか、大学などで看護の研究や教育を行うことも。資格の取得には実務経験5年以上、看護系大学院の修士課程修了、認定審査の合格が必要です。

高校生 なりたい職業ランキングTOP10

第1位 看護師
第2位 地方公務員
第3位 プログラマー
第3位 システムエンジニア
第5位 保育士
第6位 薬剤師
第7位 管理栄養士・栄養士
第8位 心理カウンセラー
第9位 高校教諭
第10位 歌手、ミュージシャン
第10位 ゲームクリエイター

堅実な職業から、表現・クリエイティブ系の職業まで多彩なラインナップになっています。
高校生には、未来に向かって自分らしく、興味や関心を追いかけてもらいたいもの。そのためには、情報収集も欠かせませんよね。

まとめ & 実践 TIPS

高校生のなりたい職業1位の看護師は、医師の治療を助け、人々の健康を守る仕事です。病院や診療所以外にも、社会福祉施設、訪問看護ステーション、保健所など勤務先はさまざまで、勤務先によって担当する仕事も異なります。精神的にも肉体的にもタフであることが求められる看護師。そのぶん、大きなやりがいを感じることもあるでしょう。コロナ禍において、その重要性や大変さを感じた人も多いはず。ランキングの結果にも、少なからず影響しているのかもしれませんね。
「看護師になりたい!」と考えている高校生は、どんなところに魅力を感じているのでしょうか? この情報も手がかりのひとつにして、夢に向かって進み続けてくださいね!

出典:マナビジョン 職業情報 医療・看護系 「看護師」
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/167/?utm_source=kj&utm_medium=banner&utm_campaign=manabi

※2020年12月に実施した高校生対象のアンケート結果より
【調査方法】Webアンケート
【調査期間】2020年12月25日〜12月27日
【対象人数】515名