大学進学に向けて、避けては通れないお金の話。
子どもにはいつ話せばよいのか、どこまで伝えるべきなのか迷いますよね。でもあいまいにしてしまってはお互いにとってよい結果になりません。
今回は大学進学に向けての「お金」について、どのように親子でコミュニケーションを取るべきか、一緒に考えてみたいと思います。

この記事のポイント

  • 1.早めに伝える
  • 2.相手の気持ちも受け止めて共感する
  • 3.対等な相手として向き合う

1.早めに伝える

とにかく早めに話す機会を持つことをおすすめします。
受験勉強において、志望大に合わせた対策をするためにも夏休みまでには第1志望大を決めることが必要と言われていて、1学期に三者面談がある場合はその時に聞かれる場合もあります。

お子さまが目標とする進路を真剣に考えて仮決めする段階で、その前提条件であるお金のことはしっかり押さえておくとよいでしょう。
大学を探し始めてから「これはダメ」と条件を後出しすると、モチベーションを下げかねません(これは高1、高2のかたにとっても同じですので、同様に早めに前提条件を伝えた方がよいでしょう)。

「国公立大なら一人暮らしをしてもよいのか」「学費の上限として、どれくらいまでなら可能なのか」「受験校は何校くらい受けてもよいか」「浪人も視野に入れてよいか」といったお子さまからの質問にきちんと答えられるよう、家庭内でよく話し合っておくことが必要です。

教育費に回せる貯蓄額や学資保険に加入されている場合は満期となる時期と金額を確認する、塾代などこれから大学受験に向けてかかるお金を計算しておくことなども材料となるでしょう。

2.相手の気持ちも受け止めて共感する

お金のことは繊細な内容なので伝え方が難しく、「無理なものは無理なんだから、しかたがないでしょう!」などと一方的な言い方になってしまうことも。
ですがここで重要になってくるのは、お子さまの気持ちや意見もきちんと受け止めたうえで伝えること。

コミュニケーションの技術の一つに「アサーティブネス」があります。これは、自分と相手の双方を尊重した自己表現をすることを指します。

アサーティブな対話の流れとして、まずなぜその大学で学びたいのか、なぜその進路を希望しているのかについて、保護者のかたが決めつけることなくお子さま自身の言葉で説明してもらいましょう。

そのうえで、「あなたが行きたい大学を見つけたということはとてもうれしいことだし、できる限り応援してあげたいと思っている」「こういうことが学べたり、こんな大学生活が送れたらきっと充実するだろうね」と、お子さまが描いている未来を尊重し、しっかり受け止めます。

それから、保護者のかたが可能な経済的サポート範囲はどこまでなのか、どこを超えると難しくなるのかを伝えます。この際、できるだけ対等な立場で誠実に伝えることや、相手が受け止めやすい言葉や肯定的な表現で伝えること(「〜はダメ」などではなく「〜ならできる」と伝えるなど)がポイントです。

たとえば我が家の場合、長男は理系を選択したので私立大との学費の差が大きいため、「国公立大をめざしてほしい」「1年浪人するのは構わない(だから安全策を取りすぎなくてよい)」「国公立大であれば一人暮らしをしてもよい(むしろ推奨)」「塾などを利用したいなら月●円まで」という条件を伝えました。

最初に伝えたことで、その後成績に変動があって志望大を見直す時や併願大を決める時も、腹を探り合ったりすることなく選ぶことができたようです。

3.対等な相手として向き合う

お子さまに余計な気を遣わせたくない、お金を理由に将来の選択肢を狭めるようなことをしたくないという気持ちと、とはいえ、ない袖は振れないという事情もありますよね。

でもお金の話をするということは、お子さまを大人と認めること。
ですから、無理をして背伸びすることも、遠慮しすぎて隠すこともすべきではありません。

高校生と話していると「親に経済的な負担をかけたくない」「うちは経済的に余裕がないからこの範囲でしか進路を考えられない」など、家計のことを非常に気にしているお子さまは多いです。でも、実際のところはどうなのか、ということは直接聞いたことがない。普段の家庭内のやり取りなどから、なんとなく察して空気を読んでいるということのようです。

進路を考えるということはお子さまにとっても、そんなお子さまの幸せを願う保護者のかたにとっても大切なこと。正しい判断をするためには、正確な情報が必要不可欠です。
自分の人生を自分事として、一定の制約条件の中で考えて決めることは大人になるステップであるともいえます。

仮に奨学金を利用することになれば、それを返済するのはお子さま自身。先々のこともきちんとイメージして、現実的な選択ができるように情報提供してあげることも親の大切な務めだと思います。

包み隠さずきちんと伝えることは、お子さまにとっても大きな「承認」になります。ごまかすことなく向き合ってあげていただきたいなと思います。

まとめ & 実践 TIPS

大学進学にはまとまった金額が必要であることは親子共々わかっていながら、直接話す機会を持つことはお互いに勇気がいること。でも決して避けてはいけない、大切なプロセスです。せっかくのこの機会を、お子さまにとって家族を知ることや自分自身の成長につなげられるように生かすことができたらすばらしいですね。