まだお子さんが小学校低学年で、中学受験をするかどうか迷われているかたもいらっしゃるかと思います。今回は、中学受験について考える材料として、私立中と公立中にはどのような違いがあるのかについて森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

  • 自由な教育で個性を伸ばしやすい私立中
  • 小学校の友達と発達段階に沿って成長できる公立中
  • 大学受験では、私立・公立で得意とする入試形式が異なる

自由な教育で個性を伸ばしやすい私立中

規格品ではない個性的な教育も可能

私立中と公立中の最も大きな違いは、学校運営の主体です。公立中では地方自治体の教育委員会が間接的に運営しているのに対して、私立中では校長先生をはじめとした先生がたが直接的に運営しています。そのため規格品ではない自由な教育、公立中ではできないような個性的で面白い教育も可能になります。

私立中の場合「建学の精神」に沿った教育が行われていますから、その教育の価値観が合う人、公立中にはない自由な教育方針に共感する人にとっては、私立中は魅力的な選択肢となると思います。

高校受験に縛られない教育を受けられる

私立中の場合は中学受験はありますが、中高一貫校ですから高校受験がないというのも大きな特徴です。高校受験に向けたカリキュラムに縛られることはありませんし、内申点を上げるための努力や高校受験のための進路指導も必要ありません。そのため、学校の先生の受けが悪いお子さんや我を出したいお子さんには、公立中よりも適しているといえます。

さらに、中学に入学した時点で高校生の大人のような先輩と一緒に学校生活を送りますし、大学受験というかなり先の目標を目指して教育を受けるわけですから、自分の将来を意識したり刺激を受けたりする機会も多くなります。「早く大人になりたい」という大人へのあこがれを持つ少し大人びたお子さんにはぴったりでしょう。

小学校の友達と発達段階に沿って成長できる公立中

小学生、中学生らしい学校生活を送れる

一方、公立中のよさは、何と言っても小学校からの大勢の友達と一緒に中学校生活を送ることができるという点です。中学受験が必要ないという面でも、小学生らしい、中学生らしい生活を送らせたい場合は公立中がよいでしょう。また、お子さんの発達段階に沿って無理なく成長させることができるという点もよい点の一つです。

公立中では、私立中と違い高校受験が大きな目標になります。高校受験は3年後ですから、ぼんやりしている暇はありません。直近の目標に向けて、学習指導だけではなく内申が上がるような指導や進路指導も行われます。

身近で明確な目標に向けて学習面進路面で教育が行われるので、あまり将来に対して自覚のないお子さんであっても、発達段階に沿って成長していくことができます。したがって親御さんにとっては特に大人びていない子どもの場合は公立中のほうが育てやすい面が多くなります。

子ども自身が主体となる高校受験で成長できる

高校受験のためには、学力だけではなく授業態度に気を付け、宿題などの提出を遅らせないなどの内申点を上げる努力も必要になります。これに違和感を覚えるかたは私立中を選択するほうがよいかもしれませんが、授業態度なども大事であるととらえられるご家庭であれば問題ないでしょう。内申点は男の子は取りにくいのではと心配される声もお聞きしますが、実際は都立トップ校でも男子のほうが多く入っている場合もあります。

また、中学受験の場合は保護者の関わりがかなり大きくなりますが、高校受験では主体となるのはお子さん自身です。精神的・肉体的な発達と社会的な達成感の区切りとして高校受験は自然なタイミングですから、高校受験に向けて学力や学習態度の向上など、無理なく成長を目指すことができるというのは、公立中の大きなメリットといえます。

大学受験では、私立・公立で得意とする入試形式が異なる

総合型選抜に強い私立、一般選抜に強い公立

私立中高一貫校から大学受験を目指す場合と、公立中から公立高校を経て大学受験を目指す場合とで異なる点として、得意とする入試形式の違いが挙げられます。大学入試は、かつては学力検査の得点で合否が決まる「一般選抜」が主流でしたが、小論文や面接などの総合的な視点から意欲が測られる「総合型選抜」の割合が増えてきています。

私立中高一貫校では、早くから進路について考える機会が多く、将来の志望についてはっきりと決まっている場合が多いので、総合型選抜に強くなります。一方、公立高校の場合は、キャリア教育は高校入学後となりますから、志望についての意欲がそれほど大きな比重を持たない一般選抜を得意としています。このような違いも踏まえておくとよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

●私立中の特徴
・規格品ではない自由で個性的な教育も可能な点で、その教育の価値観が合う人、自由な教育方針に共感する人に向いている。
・高校受験がないため、内申点を上げにくい子どもに適している。
・将来を意識したり刺激を受ける機会が多いので大人びた子どもに向いている。

●公立中の特徴
・小学校からの大勢の友達と一緒に中学校生活を送ることができる。
・発達段階に沿って無理なく成長させることができる。
・小学生らしい、中学生らしい生活を送らせたい場合に適している。
・高校受験は子ども自身が主体となるため、高校受験に向けて無理なく成長を目指すことができる。