これからますます進むであろう男性の家事や育児への参加。制度が整ってきたのはわかりますが、実際に経験者はどのような利用の仕方をしているのでしょうか。
育児休業前後の生活や育休中の家事分担などの参考事例を紹介します。

1.5か月の育休で家事全般を担当、めざせイクボス

現場で男性の育休取得者の8割が1か月未満というデータから考えると、妻の産後休業中に1カ月半の育休を取得するというのは「優秀」なケースです。こうした場合、妻の妊娠が判明してすぐに、出産後の子育てについて話し合うことがスムーズな取得につながっているようです。
前例がある会社も徐々に増えてきていることから、取得への理解は得られるものの、業務のスムーズな引き継ぎと復職後の見通しを立てておくことがポイントになりそうです。

ある会社員の場合、上司へ育休取得の意思を伝えたのは出産予定日の半年前、自分の業務の棚卸や「見える化」を行い業務の引き継ぎを行ったそうです。その甲斐あって妻の産後休業中から万全の体制で育休に入れ、基本的な家事全てを担当。育休後は仕事のメリハリや効率を重視した働き方を意識し、部下のワーク・ライフ・バランスを気遣う「イクボス」を目指しているとのことです。

専業主婦にも夫の育児参加は大きな力に

仕事をしているかどうかにかかわらず、出産は女性にとって心身ともに大きなイベントです。 妻が専業主婦であっても出産後、自宅に戻ってからの生活が軌道に乗るまで夫がいてくれることは、不安をやわらげ大きな助けになります。IT企業に勤めるある会社員の場合、育休中は家事や育児を全て分担制にし、 時間のゆとりを作っていたそうです。夫は父親教室など育児イベントに参加、妻も積極的に外出して気分転換を図ったといいます。

復帰後は限られた時間を有効に使うように意識が変化。また、職場の同僚が急に休んだり早退したりしても「しょうがない」と思えるようになり、報連相などの見える化を意識するようになったといいます。

2人目で3か月育休が大正解の例

1人目のときは「里帰り出産」で乗り切ったものの、2人目は里帰りせず夫婦で、という場合、夫の協力は絶対に不可欠です。ある自動車メーカーの社員の場合「2人目の子の首がすわるころまで」を目安に3か月の育休を取得したそうです。
妻の体調が回復するまでは一手に育児・家事を引き受けて「想像以上に大変」な思いをしたものの、2か月目からは徐々に妻が分担することも増え、家事・育児のバランス調整にゆっくり時間をかけることができたそうです。長期の育休を取得したことで、会社以外のパパ友ができたり、育児ブログを開始したりするなど、新たな人間関係が広がったといいます。「上の子と二人きりで遠出できる信頼関係が築けたのが嬉しい」とのこと。こうしたネットワークができていると「ファミリー・サポート・センター」や「病児・病後児保育」などの自治体の子育て支援サービスの情報も入手しやすくなります。

職場・社会全体で育児休業への理解を

ここに挙げたような事例はイクメンの「優等生」かもしれません。しかし好事例を知ることで、男性も育休取得への理解が深まっていくのではないでしょうか。
会社に勤める男性にとって1か月以上の長期休業を取るのは「人生初の経験」という人も多いはず。
育休に理解を示さない上司、収入面の不安、仕事を手放す不安、キャリアへの不安など、挙げればきりがないからです。

育休を取得した従業員が少ない場合、育休を申請すること自体が心理的にハードルになるケースもあると思います。そんな「残念な」職場の場合「子どもを授かったら育休を取得したい」と、日常的に職場で話しておくことも大事かもしれません。育休に入る前に、本人でないと行えない業務の判断や対応を「上司に引き継ぐ」という上のラインを意識することもポイントになりそうです。

厚労省の両立読本では「会社や職場で理解を得るための心得7箇条」を挙げ、取得までの事前準備や引き継ぎ業務のポイントについて解説し、育休を取る本人だけでなく職場の理解も促しています。

すでに共働き世帯は1,100万世帯を超え、第1子出産後に仕事を続ける女性は5割を超えています。「働き方改革」の関連法が施行され、幼児教育・保育の無償化も2019年10月から始まることから、若い世代のワーク・ライフ・バランスに対する意識は確実に高まってくるでしょう。未来を担う若い世代を応援するためにも、社会全体が男性の育休取得に対して理解を深める必要があるのではないでしょうか。

※厚生労働省 イクメンプロジェクト
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