わが子の様子がいつもと違うなと感じる時、どうしてあげるべきか悩みますよね。「そっとしておく」という手もありますが、実はこれ、ベストな選択肢ではないようです。発達心理学、学校心理学の専門家であり、ベネッセの教育情報公式アプリの話題のコンテンツ「わが子の学習タイプ診断」の総合監修を務める渡辺弥生先生に、子どもがモヤモヤしている時の対処法を教えてもらいました。

この記事のポイント

  • 話を聞くには、こちらの心を開くことから
  • 下手な解決策よりも共感が大事
  • アドバイスは、子どもに合わせてできそうなことを

話を聞くには、こちらの心を開くことから

長引くコロナ禍で、思い通りにならないことも多く、子どもたちもストレスをためがちです。だからモヤモヤしているように見える日は、「友達と何かあったのかな…」などと、いつも以上に気になってしまいますよね。そんな時、大人だと「そっとしておいてあげよう」ということにもなりますが、テレビドラマなどでは『そっとしておいてあげよう』という親のセリフが入るからこそ、状況がこちらに伝わってくるもの。現実の生活ではその優しさは子どもにはよく伝わらず、どちらかといえば「無関心」と捉えられてしまうので要注意です。
では、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか。人って、心を開いてくれる人や、「わかる!」とうなずきながら話を聞いてくれる人に、話をしたくなるものですよね。だから「家にこもってばかりだと、イライラしちゃうなあ。あなたはどう?何かあった?」なんて、保護者のかたのほうから、オープンに話をするのもおすすめです。一方、お子さまのほうから話しかけてきた時には、「忙しいから後にして!」なんて言わずに、どんな話題であろうと耳を傾けることが大切なこと。そして、「へえ。そんなことがあったんだね」と共感することこそ、その先の話もしやすくなるものです。

下手な解決策よりも共感が大事

ただモヤモヤの原因がわかったとしても、ムリに解決してあげようとしなくていいのです。下手な解決策は、逆に煙たがられたり、うとまれたりする原因になりかねません。場合によっては「お母さん(お父さん)には二度と話さない!」なんてことにもなりかねないので、解決が難しいことは「難しいね」と共感するだけで十分。そうして一緒に悩んだり困ったりしてもらえるだけで、お子さまの気持ちも少しは落ち着くと思います。
とはいえ、中学生や高校生になっても、子どもにはまだまだ視野が狭いところがあるもの。保護者のかたの言葉で気づくこともあるので、必要そうだと思った時は、「それはこういうことかもしれないね」なんて解釈を補ってあげるのもいいでしょう。

アドバイスは、お子さまに合わせてできそうなことを

何かを伝える際に心がけたいのは、お子さまに合わせて具体的に話すということです。というのも、例えば「〇〇ちゃんとケンカしちゃった」と打ち明けてもらった場合に、「友達なんだから仲良くしたらいいじゃないの」などと抽象的なことを言ってしまうと、子どもはどう行動していいのかわからなくなってしまいます。
だから、わりと積極的なお子さまであれば、「お母さん(お父さん)なら、明日は早めに学校に行って〇〇ちゃんに『昨日は言い過ぎた。ごめんね』って謝るかな」などと具体的にアドバイスするということ。逆に面と向かって話すのがあまり得意でないお子さまであれば、「お母さん(お父さん)なら『昨日は言い過ぎてごめんね』って手紙を書いて、明日〇〇ちゃんに渡すかな」といったイメージですが、そのさじ加減は、お子さまの近くにいる保護者のかたの感覚がいちばん。お子さまの性格に合わせて、お子さまにできそうなことを伝えてあげてくださいね。いくつか方法を話して、選択させるのもいいかもしれないですね。

まとめ & 実践 TIPS

わが子が悩んでいるかもしれないと思うと、心配なあまり詮索したり、あれこれ口出ししたくなったりしてしまいますよね。でも、大人でも、ああだこうだと言ってくる人には、閉口してしまいがち。怒られているように感じたり、面倒くさくなります。逆に、「大変だったね」なんて悩みを聞いてもらっただけで、心がスッと軽くなった経験があるのではないでしょうか。だからまずは、話に耳を傾け、共感するということ。そのうえで、お子さまにやれそうなことや、保護者のかただったら「こうするかな」といったことを、伝えていってあげてください。そのスタンスが「いつでも話を聞くよ」「味方だよ」というメッセージとなり、本当に必要な時にも頼ってもらえるような信頼関係につながるのです。