新しい学年が始まりました。4月は何かと変化の大きい時期で、子どもには心身ともに負荷がかかります。そこで、教育評論家の親野智可等先生から新生活の初めにしておきたいことや家庭での心構えについてうかがいました。連休明けに生活リズムが乱れないようにするためにも、この時期に新学年での家庭での時間の使い方などを見直しておくとよいようですよ。

この記事のポイント

  • 「家庭内時間割」で新学年の生活リズムを作る
  • 家庭を心の充電ステーションに
  • 年度のはじめに通学路の安全を再確認

「家庭内時間割」で新学年の生活リズムを作る

4月も後半になると、進学、進級の前後はドキドキしていた気持ちも徐々に落ち着き、新しい環境にも慣れてきます。新しい学年の時間割や授業の進み方、宿題なども見えてくるのと同時に、これまでのタイムスケジュールでは、うまく回らない面が出てくることも。この時期は、新しい予定に合わせて生活リズムを見直し、整えていくよいタイミングといえるでしょう。

低学年では、授業数が増えたり宿題の負担が増えたりしますし、高学年になればクラブ活動や委員会活動が始まる子も多いでしょう。新しい習い事を始めたり、塾のクラスが変わったりする場合もありますね。子どもは大人が思うよりも、見通しを立てて行動することが苦手です。その結果、目の前のことに夢中になったり先延ばししたりして、あとで焦ることに。また、余裕のないタイムスケジュールだと連休明けなどにどっと疲れが出ることもあります。

こうしたことを回避するためにおすすめなのが、下校後の過ごし方を見える化する「家庭内時間割」を作る方法です。まず1週間や1か月単位の予定を書き出して親子で確認し、共有しましょう。そして習い事のある日、下校が遅くなる日、休日などに分け、「食事」「入浴」「睡眠」「勉強」などの流れを決めて時間割を作ります。視覚的にわかりやすくすることで、子どもが時間の区切りや、このあとやらなければいけないことが把握できるようになります。

家庭を心の充電ステーションに

時間割は親子で話し合って、最後は子どもに決めさせることが大切。子どもが納得し、「自分で決めた」という意識があるからこそ、守ろうと思えるのです。もちろん、実際にやってみたらうまくいかない、予定が変わって時間割が合わなくなるといったことも起こります。そんなときは、その都度予定を見直して。時間割はホワイトボードに書いたり、予定をカードにして組み替えたりすると、うまくいかないときに時間を入れ替えるのが簡単になりますよ。

子どもが好きに過ごせる自由時間をしっかり確保することも重要です。その時間は親も口出しをしないようにしましょう。「外で遊んだら?」「また漫画?」などと言うのも控えて。気を抜いてリラックスする時間や楽しみに没頭できる時間があるから、やらなければいけないことに向き合ったり、気持ちを切り替えたりできます。何より「自分で過ごし方を決める」「その時間を楽しむ工夫をする」といったことは、今後の学習や仕事にもつながる貴重な経験です。

4月は友達関係が流動的になりやすく、先生との相性や学習内容の変化などでもストレスがかかりやすいときなので、ホッとできる時間は特に重要です。詮索するような声かけは子どもの負担になることもあるので、家庭ではいつも通りに接しながら、様子をよく観察してあげてください。そして、子どもが時間割に合わせて生活しやすいように、食事の時間がズレないようにする、自由時間に用事を入れないなどのサポートを。変化の大きい時期を過ごしている子どもにとって、家庭は心身のエネルギーを回復させる充電ステーションなのです。

年度のはじめに通学路の安全を再確認

もうひとつ、年度の初めにぜひやっておきたいことが通学路の安全確認です。入学の前後は親子で通学路を歩いて道順や注意点を確認したと思いますが、子どもがひとりで登下校できるようになると安心して注意を向けなくなりがちです。でも、交通事情はいつ変わるかわからないもの。学年が上がっても、気の緩みや不注意から思わぬ事故につながることがあります。そこで、年に一度は大人が一緒に歩き、大人の目で様子を確認してほしいのです。

たとえば道路の拡張や新しい建物の建設、柵などの設置によって見晴らしが変わったり、信号の位置が変わったりしていることもあります。子どもはこうした変化には気付いても、それによって新たに生じた危険や問題まではわかりません。交通量も時間によって変わるので、子どもの登下校と同じ時間に、子どもに先導してもらいながら一緒に歩くといいですね。

また、親の思うルートと違う抜け道などを見つけて通っていることもあります。その道が危険なら注意する必要がありますし、もしそのルートのほうが決められた通学路より安全だということがわかれば、学校と相談して変更したほうがいいかもしれません。

歩きながら「ここは狭いのに車が多いね」「この角は車から見えないね」「あそこの鏡に向こうから来る車がうつるよ」「自転車もスピード出して危ないね」など、気付いたことを伝えたり、「ここで飛び出したらどうなると思う?」とたずねたりしてみましょう。交差点の信号待ちでは車道ギリギリに立つと大型トラックの内輪差で巻き込まれてしまう危険があることも教えましょう。人気がない道は不審者にも注意が必要です。心配なときは近くの民家に入れてもらって家族に連絡するよう教え、助けてもらったときはあとでしっかりフォローするといった心構えも、もっておくと安心です。こうしたやりとりから、通学途中も無事を祈っているよというおうちのかたの気持ちも伝わるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

新学年の様子が見えてきたら、新しい家庭内時間割を親子で作りましょう。ポイントはリフレッシュや意欲につながる自由時間をしっかり確保できるスケジュール。最後は子どもに決めさせて。人間関係やタイムスケジュールの変化が大きい4月は、ホッとできる空間づくりや食事や睡眠リズムの固定でサポートを。通学路の安全確認も重要です。

親野先生の実践アドバイスがたくさん!
教育評論家・親野智可等先生の実践アドバイス集はこちら