「現金で買い物をしたことがない」
「塾の帰りにお菓子を1つ買うよ」
子どもたちをとりまくお金の環境は大きく変わっています。キャッシュレスでお金の感覚がつかみにくくなっていると言われ、あえて子どもに現金での買い物を経験させる保護者も。そんなとき、子どもに自分の財布があると便利です。「自分のお金」として管理意識が芽生え、お金の使い方に慣れる手助けになるかもしれません。

では、子どもはどんなタイミングで財布デビューし、どんな財布を使っているのでしょうか。実際に使っている財布と、お金の失敗談を調査しました。「財布をどんな風に使えばお金意識を高められるのか?」日本教育金融協会代表・横川楓先生のアドバイスも紹介します。

この記事のポイント

  • 「おこづかいスタート」は財布デビューのタイミング
  • 小学校低学年の財布。まずは小銭の管理から
  • 小学校高学年の財布。収納や使い道にこだわって選ぶ
  • 中学生の財布。大人用もOK。高額なブランド品は注意して
  • 子どもが財布の管理を通してお金意識を育てるには?

「おこづかいスタート」は財布デビューのタイミング

子どもの財布デビューのきっかけでよく聞くのは、「塾に通いはじめた」「おこづかいを渡すようになった」タイミング。子どもだけで塾の行き帰りに買い物をしたり、おこづかいの管理をしたりすることが目的です。

東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」(2021年7〜9月実施) によると、小学1〜3年生のおこづかいの平均は月額521円(おこづかいを渡している場合)。お金を自分で管理するスタートは、まずは小銭からになりそうです。

東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」(2021年7〜9月実施) より、編集室が作成

小学校低学年の財布。まずは小銭の管理から

小学2年生のMさんが使っているメタナイト(星のカービィ)の財布。おこづいかいは不定期で、お年玉の中から100円など。キャッシュレスは利用なし。おこづかいの使い道は主に「ポケモンのゲーム」

小学生になると、駄菓子屋さんやゲームセンターで子ども自らお金を使うことも出てきます。おこづかいをその都度渡すスタイルでも、小銭を管理できる子どもの財布があると便利。調査では「財布は持ち歩かず、家でお金を貯めるのに使っている」子どもも多くいました。

財布ではなくミニポーチなどでも代用できますが、大き過ぎず、小銭を取り出しやすいタイプがおすすめ。お気に入りのデザインやキャラクターもので「大事なものを自分で管理する」習慣が付けられると良いですね。紛失が心配な場合は、コードやストラップが付いたタイプを選びましょう。

・お金の失敗談①

「お年玉に色鉛筆で色を塗ってしまい、銀行の窓口で交換してもらいました」(小1)

●小学校低学年に人気のマジックテープタイプ
プーマ アクティブ ウォレット(コイルチェーン付き)

小学校高学年の財布。収納や使い道にこだわって選ぶ

小学6年生のYさんが3年くらい使っているぼんぼんりぼんの財布。おこづいかいはなし(不定期)で、キャッシュレスはSuicaを利用。「財布はあまり持ち歩かず、家でお金の整理に使っています」

子どもだけで塾に行く時や友達同士でのお出かけなど、財布を使う場面も増えてくる小学校高学年。二つ折りやマジックテープタイプが主流ですが、大人っぽい長財布を使う子どもも増えてきます。

お金の管理にも少し慣れてきたら、「長財布がいい」「ICカードも収納したい」など使い方にもこだわりが出てくるはず。どんなデザインならお金の管理がしやすいか、じっくり考えて選んでみましょう。

・お金の失敗談②

「遊びに行った時、調子に乗って友達におごってしまい、月1,000円のおこづかいが1日でなくなってしまった」(小4)

●小学校高学年に人気の三つ折りタイプ
[アルディ] 三つ折りがまぐち財布(サンリオ シナモロール)

中学生の財布。大人用もOK。高額なブランド品は注意して

中学2年生のKさんのポーターの財布(初財布)。おこづいかいは不定期にネットの証券口座へ入金。キャッシュレスの利用はほぼなし。「塾に行く時に財布を使っています」

バスや電車も大人料金になる中学生。大人向けの財布を選んでも問題ありません。ただし、生活スタイルに合わせて持ちやすいサイズ感であることが大事です。子どもに「ハイブランドの財布が欲しい!」と言われた場合は、財布自体が高額であることのリスク、お金についての考え方などを家族で話し合ってみても良いでしょう。

●中学生に人気の折財布タイプ
[吉田カバン] PORTER HEAT

中学3年生のKさんの財布は、母親のお下がりのサンローラン。おこづいかいは月5,000円で、キャッシュレスはSuicaを利用。「財布は毎日使っています」

北欧などキャッシュレス化が進んだ地域ほどではないものの、日本でもスマホで決済することが増えています。「お財布をあまり使わないので、ミニ財布に変えた」という人も。かさばらないミニ財布は、荷物が多い中学生にもぴったりです。

・お金の失敗談③

「クレジットカードを定期のようにカバンにぶら下げていたところ、友達に注意されました」(中2)

●中学生に人気のコンパクトタイプ
[アネロ] ラウンドジップ 折り財布

子どもが財布の管理を通してお金意識を育てるには?

駄菓子屋さんでのお買い物からスマホ決済など、子どものお金の使い方もどんどん複雑化していきます。財布を上手に使うことでお金意識を育てることができるのか、2022年1月に発足した日本教育金融協会代表・横川楓先生に伺いました。

「子どものお金に対する意識を高めるために、まずは自分だけのお財布を持たせてあげることが大事です。そして、その財布の中に入っているお金の変化を記録することも教えてあげましょう。おこづかい帳を使っても、メモ程度でもかまいません。

無駄づかいや、必要もないのにおごってしまうといった失敗は大人にもあります。大事なのは、そんな時もしっかりお金の動きを観察すること。お金が《ただもらうだけのもの》ではなく、お財布に入っている範囲でやりくりしていくもの、大切に使わなければいけないものという意識を育てられると思います」(横川先生)

まとめ & 実践 TIPS

成長とともにぐっと大人っぽくなる子どもの財布調査。持ち歩かないまでも、家でお金の整理に使っている子どもが多かったのが印象的でした。お気に入りのお財布できちんと中身も把握するようにすれば、子どもたちの将来に役立つ金銭感覚も育てられそうですね。

執筆/樋口かおる

プロフィール

横川 楓(よこかわ かえで)

一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事、お金の専門家、金融教育活動家、推し活マネー専門家、マネーコンテンツクリエイター。こどもからおとなまで、等身大のお金の知識を伝える「やさしいお金の専門家」。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)。

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一般社団法人日本金融教育推進協会