夏休みを迎えて、子どもたちはどう過ごしているでしょうか。犯罪などの問題行動に巻き込まれないように、気を付けたいものです。警視庁は、中高生のアンケート調査結果から、犯罪の誘惑に負けない子どもを育てるためのヒントを探る取り組みをしました。

友達と一緒ならやってしまう?

調査は、2016(平成28)年7月に都内の中高生4,969人を対象に実施しました。
まず、「けんかをして、相手を殴る」「家のお金をだまって持ち出す」など11項目について「してはいけない」と思うかなどの回答を点数化して、中高生を「低規範群」「中規範群」「高規範群」の3つに分けました。その結果、規範意識が高い「高規範群」が中学2年生は43.8%いるのに対して、高校3年生は20.8%で、学年が上がるに従い、子どもたちの規範意識が低下していることがわかりました。

次に、子どもたちがやってしまいそうな行動9項目について「絶対にしない」「一人でもしてしまう」「友達と一緒ならしてしまう」の3項目で回答してもらいました。たとえば、「同級生の一人を仲間はずれにする」ことを「絶対にしない」としたのは、「高規範群」が79.7%、「低規範群」は52.3%でした。当然ながら「低規範群」の子どものほうが「一人でもしてしまう」「友達と一緒ならしてしまう」と答えた者の割合が多くなっています。

ところが、「夜遅くまで友達と遊ぶ」「同級生の一人を仲間はずれにする」の2項目は、「高規範群」でも「友達と一緒ならしてしまう」とした者が1割を超えていました。これらの行為は、友達に引きずられやすいといえるでしょう。

家庭を子どもが安らぐ「居場所」に

さらに、「高規範群」と「低規範群」の小学生までの保護者との関係を見ると、「良いことをして保護者に褒めてもらった」は各73.0%、60.4%、「保護者は話を聞いてくれた」は各79.3%、64.9%、「困ったとき、保護者に助けてもらった」は各74.8%、61.4%などで、規範意識の高い子どもほど、保護者とのよい関係を経験しています。

現在の家庭生活では、「友達や学校のことを話す」が高規範群は85.0%、低規範群は73.4%、「自分から手伝いをする」は各64.3%、46.7%。一方、「保護者と喧嘩(けんか)をする」は各58.1%、65.7%、「自分の部屋などで一人で過ごす」は各51.9%、69.0%で、低規範群のほうが高くなっています。高規範群の子どもたちは、家庭が「居場所」として機能しているようです。

「友達に約束を破られた」は高規範群51.7%、低規範群67.8%、「保護者に約束を破られた」は各28.2%、53.5%、「保護者に嘘をつかれた」は各17.9%、40.7%などで、規範意識の低い子どもは保護者や友達から約束を破られるなどの悔しい体験をしている者が多くいます。

「困った人を助けられる人間になりたい」は高規範群62.8%、低規範群44.7%、「周囲の人から信頼される人間になりたい」は各61.5%、45.4%、逆に「真面目よりも面白い人と思われたい」は各22.9%、32.8%、「大人になるより、子供のままでいたい」は各14.4%、25.6%でした。この他、非行などをしない理由としては、「家族を悲しませるから」が高規範群31.9%、低規範群19.2%、逆に「法律で罰せられるから」は各22.7%、41.3%で低規範群のほうが高くなっています。
結果をもとに同庁は、犯罪に誘惑されない子どもを育てるためには、保護者が「約束やルールを守る姿を示し」、「社会のマナーやルールをしっかりと教え」他、「家庭が子供にとって居場所となって」るよう、「心が和らぐ場を提供」することが重要だとしています。

※犯罪の誘惑に負けない子を育てるために
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/kodomo/questionnaire_2017.html

(筆者:斎藤剛史)