熱中症予防は通年で対策を

クールビズや熱中症予防など、期間を決めて啓発を強化し、人々に取り組みを促す、環境省の「月間」が、2021年から変わります。小泉進次郎環境相の掛け声による、事業の見直しの一貫です。教育活動に関わる月間も多い中、どのような変更があるのでしょうか。

環境系の「月間」見直しへ

環境省は2020年3月に、今後の月間等のあり方を示しました。2019年秋から、事業の選択と集中の一貫として、当たり前に繰り返されてきた月間の取り組みを評価し、環境省が関わる19の月間を、6件に整理したものです。
よく知られている「クールビズ」は、ノーネクタイやノージャケットなどの軽装を推奨し、冷房エネルギーを削減して、二酸化炭素排出量を減らす取り組みです。これまでは5〜9月でしたが、2021年度からは実施期間を設定しないことになりました。近年、気候変動で気温が上昇しており、固定的な期間設定はふさわしくないことや、05年の導入から15年が経ち、すでに定着しているとの見方から判断したといいます。
同様に、重ね着をして暖かく過ごす「ウォームビズ」(従来11〜3月)も、期間設定をしないことになりました。
7月だった「熱中症予防強化月間」も、期限を廃止します。熱中症のリスクが高まる時期に合わせ、柔軟に対応した普及啓発を実施するとしています。

関心高める工夫を

法律や閣議決定などに基づく月間は継続し、複数の月間との統合も図りました。6月の「環境月間」は継続し、そこに「ごみ減量・リサイクル推進週間」(5月30日〜6月5日)や「オゾン層保護対策推進月間」(9月)、「地球温暖化防止月間」(12月)、「大気汚染防止推進月間」(同)を統合し、地域の活動の促進を目指すといいます。
「みどりの月間」「海ごみゼロウィーク」「動物愛護週間」「3R推進月間」「食品ロス削減月間」は、これまで通り継続します。「自然に親しむ運動」(7月21日〜8月20日)と「全国・自然歩道を歩こう月間」(10月)は、地域ごとに最適なシーズンが異なるため、地方自治体が実情や特性に応じて、取り組むことになりました。
これらの月間は、省庁だけでなく、各自治体や企業、市民団体、地域の協力の下に展開されてきました。自然と触れ合い、環境を守るイベントが地域で開催されたり、学校でも、子どもたちが月間に合わせてエコ活動をしたり、作文やポスターのコンクールに参加したりするなど、教育活動との結び付きも小さくありません。
環境省は、今回の見直しで、人々の理解がより進み、参加したくなる月間にしたいとしていますが、通年化されたり自治体ごとで取り組み内容や時期が異なったりすると、その狙いがぼやけてしまうおそれもあります。特に熱中症予防は、子どもの健康を守るうえで、期限が設定されていなくても、注意喚起を怠らず、安全対策を講じることが求められます。
一人ひとりが命を守れる判断力を身に付けるためにも、月間の意義を改めて考え、啓発の方法を工夫していきたいものです。

(筆者:長尾康子)

※環境省 各種月間等のバージョンアップについて
https://www.env.go.jp/press/107946.html