この記事のポイント

  • Q 子どもの学費は、すべて公立に進学させると、いくらくらいかかりますか?
  • Q 中学受験を考えていますが、いつまでにいくら教育費を準備したらよいですか?
  • Q どこで子育てをするかによって、子どもの教育費は変わりますか?
  • Q 教育費を準備する場合、一番安く済む公立進学を目安にすればよいのか、それともためられればいくらでもよいのか、貯蓄するための目安を教えてください。

Q 子どもの学費は、すべて公立に進学させると、いくらくらいかかりますか?

A すべてを公立に進学させれば、541万82円かかる

文部科学省の「子供の学習費調査」から平均的な金額を見てみましょう。幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額が示されており、すべてを公立に進学させれば、541万82円かかることがわかります。
国公立大学であれば年間54万円ほどの学費で済みますが、私立大学であれば、文系は約100万円、私立理系であれば約140万円というように、大学は学部によってかなり差があります。さらに医療薬学系を修めるためには、4年ではなく、6年間通学する必要があります。もし国公立に進学できれば学部による学費の差はほとんどありませんので、4年間で216万円程度と入学金を加算して、合計で800万円程度かかるといえます。

Q 中学受験を考えていますが、いつまでにいくら教育費を準備したらよいですか?

A 中学受験をする場合は小学4年生から6年生までの3年間の通塾費用として、年間100万円くらい必要
高校3年生の時に、最低でも大学の初年度納付金100万〜200万円を準備することを目指す

先ほどの表を見てください。小学校だけ公立に進学させ、中学受験をさせると、幼稚園から高等学校3学年までの15年間の学習費総額は、1063万2988円となります。中学受験をさせる場合、塾に行くことが必須になってくるでしょうから、小学4年生から6年生までの3年間の通塾費用として、年間100万円くらい必要となるでしょう。

つまり、一番貯蓄できる小学生の「ため時」が3年少なくなるわけです。中学校を卒業して私立高校に進学した場合でも、高等教育の就学援助があるとはいえ、学校以外の活動費や補助学習費など、学費以外の費用は当然にかかってきますから、中学校から私立に進学させる場合には、「支払いながらためていく」計画性が必要です。大学進学を想定すると、学費として年間100万円程度を家計から支出しながら、高校3年生の時に、最低でも大学の初年度納付金100万〜200万円を準備することを目指しましょう。

Q どこで子育てをするかによって、子どもの教育費は変わりますか?

A 地域によっては子どもの教育にかかる費用に差が出る

文部科学省の表を見てください。幼稚園から公立の中学校まで、いずれの種別でも人口の規模が大きくなるほど、学校以外の費用が多い傾向にあります。
たとえば、公立中学校に通った場合、平均は30万6491円となっていますが、人口5万人未満の地域では20万4636円のところ、指定都市・特別区のような人口規模の多い地域であれば、36万6246円と、約16万円の差が出てくるのです。
どこで子育てするかによって、子どもの教育にかかる費用に差が出るのです。

Q 教育費を準備する場合、一番安く済む公立進学を目安にすればよいのか、それともためられればいくらでもよいのか、貯蓄するための目安を教えてください。

A 貯蓄は子どもの進学コースを考えて計画を
大学卒業までの4年分を貯蓄するのが理想だが、まずは大学受験から初年度納付金までの目安である100万円から200万円程度を目指す

たとえば、すべて公立に進学すると想定していきなり教育費800万円を貯蓄することは困難です。貯蓄は、子どもの進学コースを考えて計画しましょう。
もし、進学コースを私立大学にするのであれば、受験料と入学金、初年度納付金程度を一括して支払う金額を最低ラインとしましょう。
意外にかかるとびっくりされるのが、受験料です。大学入学共通テストだけの受験では18,000円(3教科以上の場合)ですが、その他、私立大学を受験すると、受験校1校につき3万5千円、学部や学科を追加で併願すると、さらに上乗せが必要です。あっというまに受験料の合計が数十万円になることも珍しくありません。

できれば、大学卒業までの4年分を貯蓄することは理想ですが、子どもが複数いたり、親が失業したり、計画にないことも起こるでしょう。受験から初年度納付金を目安にするのであれば、100万円から200万円程度、さらに貯蓄できるのであれば、学費3年分の上乗せの貯蓄を目指すことができると理想的でしょう。

プロフィール

當舎 緑

當舎 緑

社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。資格取得をはじめ、教育・育児、マネーなど一般消費者向けのセミナー、執筆活動を行う。子どもにかけるお金を考える会(http://childmoney.grupo.jp/)のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター(https://kanagawafpsoudan.jimdo.com/)の理事でもある。金融機関での年金相談はじめ、区役所、県民相談の窓口での行政相談、病院でのがん患者就労支援相談の窓口で一般向けの相談にも応じている。家庭では3児の母でもある。