この記事のポイント

  • Q:幼稚園(3歳以上の保育園を含む)から大学卒業まで、1年間にかかる教育費の全国平均は?
  • Q:「教育関係費」って何を指しているの?
  • Q:では、「教育関係費」がかかっている都道府県トップ10はどこでしょう?
  • Q:教育資金を計画的に準備するには?

Q:幼稚園(3歳以上の保育園を含む)から大学卒業まで、1年間にかかる教育費の全国平均は?

A:総務省が毎月調査公表している「家計調査結果」は、一定の統計上の抽出方法に基づいて、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを調査しています。2020(令和2)年「家計調査結果」(総務省統計局)の二人以上の世帯のうち勤労者世帯の集計によると、幼稚園(3歳以上の保育園を含む)から大学や専門学校卒業までにかかる教育に関係する費用、『教育関係費』の全国平均額は1か月約2万5000円です。 全国の地域別では下表のようになります。全国平均額を超えているのは、関東、北陸、九州の三地域です。

Q:「教育関係費」って何を指しているの?

A:「家計調査結果」(総務省統計局)による「教育関係費」の内訳は以下の通りで、3歳以上の幼児期以降の子どもの教育に関わる費用が幅広く含まれています。
①授業料等…国公私立の小学校・中学校・高等学校・専門学校・大学の受験料・入学金や授業料、幼児教育に関する費用(3歳以上の幼児に関する保育所費用を含む)、認定こども園費用、学校で行う修学旅行、臨海・林間学校の費用など
②教科書・学習参考教材
③補習教育に伴う支出…塾費用、予備校の費用など
④習い事の月謝など
⑤学校給食、男女学校制服、通学定期代(鉄道・バス)、学習机・椅子、文房具、通学用カバンなど
⑥仕送り金など

Q:では、「教育関係費」がかかっている都道府県トップ10はどこでしょう?

A:「家計調査結果」(総務省統計局)では、各都道府県の県庁所在地別の統計を公表しています。それによると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の集計における2020(令和2)年の第一位は、埼玉県(さいたま市)です。

トップ10は下表のとおりです。

大都市部には、私立の学校が多いことや塾や習い事の教室が近くに多くあったりするので、高額な教育費がかかると思われがちですが、統計結果ではそればかりではないようです。
ここで、教育関係費に含まれている「仕送り金」に注目してみました。トップ10内の山形県、栃木県、徳島県、高知県、静岡県は仕送り金が突出していることがわかります。将来、親元を離れて進学する可能性がある地域では、仕送りにかかる費用も準備しておく必要があります。

Q:教育資金を計画的に準備するには?

A: これまで見てきた「家計調査結果」(総務省統計局)はあくまで平均値です。当然ですが、子どもの教育にかかる費用は子どもの学齢によって異なります。平成30年度の文部科学省の「子供の学習費調査」と独立行政法人日本学生支援機構の「学生生活調査」による、幼稚園から大学までにかかる教育費の1年間の平均額は次の通りです。

高校には入学試験があるので、公立の学校か私立の学校かを判断できませんが、できるだけ高校卒業するまでの教育費は毎月の家計からねん出しましょう。もし、家計が赤字になるようなら、塾や習い事などにお金をかけすぎていないか、他に節約する費目がないかを点検します。

最もお金がかかるのが大学や専門学校の在学費用です。大学生になれば飲食代や友達との交際費など生活費の一部はアルバイト等で子ども自身が負担するとしても、入学時には受験料や入学金などのまとまったお金が必要になります。

最近は、推薦入学等によって高校3年生の秋ごろには入学金等のまとまったお金が必要になることが多くなっています。子どもが生まれたら17年後のために、貯蓄を始めましょう。まず児童手当等は、将来の教育費のために使ってしまわないことです。

児童手当等には所得制限がありますが、子どもが生まれてから中学校を卒業するまで毎月1万円を積み立てれば、児童手当等だけでも180万円になる計算です。

銀行等に毎月積み立ててもいいでしょうし、いわゆるこども保険(学資保険)に加入するのであれば、特約等を外して、元本割れしない商品で、シンプルなプランを選択しましょう。

積立の投資信託やつみたてNISAの利用を検討する場合もあると思いますが、いずれも元本保証のない「投資商品」です。

元本保証のない「投資商品」の運用成績は社会経済の状況に左右されます。必要な時期に元本割れしていては予定していた教育資金が準備できない可能性があります。

教育資金は子どもが高校3年生の秋以降に必ず必要になることを考えて「投資商品」のみで準備することは避けた方がいいでしょう。

子どもが2人以上いれば、それぞれの子どもに同額、むしろ下の子どもに手厚く準備することをお勧めします。子どもの年齢が近いと同時に高額な教育費がかかります。上の子どもに教育費をかけすぎて下の子どもにまで回らない、ということがないようにしてくださいね。

宮里惠子

宮里惠子

ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。生命保険をはじめ、教育費関連や住宅ローンについて雑誌・新聞・Webで執筆。地域に根をはるFPを目指して、横浜市北部エリアで活動している。若い世代に対する消費者教育の必要性を強く感じている。

出典
「家計調査」 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2020年 1-1表 (総務省統計局)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&tclass4val=0

平成30年度「子供の学習費調査」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html

平成30年度「学生生活調査」(独立行政法人日本学生支援機構)
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/gakusei_chosa/2018.html


参考までに「教育関係費」の内訳の根拠は
家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年) 家計調査の概要
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaiyou.html
Ⅲ 収支項目分類の基本原則 に記載されています。