家庭学習の習慣付けは、小学校低学年から始めるのがおすすめ。小さい頃から当たり前になってしまえば、中学受験の時期も無理なく勉強ができます。ただ、「どのように習慣付けていったらよいかわからない」というかたも多いでしょう。
そこで今回は、やる気を持って家庭学習に取り組めるようになるためのコツをご紹介します。

この記事のポイント

  • 「なぜやるの?」家庭学習の意味をきちんと伝えよう
  • 学年別に見るおすすめの家庭学習方法
  • 教科別に見るおすすめの家庭学習方法
  • 「得意」「楽しい」を伸ばすのがやる気アップのコツ
  • 家庭学習を習慣化させる4つのコツ
  • 年齢×1分でOK!家庭学習は塾や宿題とのバランスも考えて

「なぜやるの?」家庭学習の意味をきちんと伝えよう

まずは、家庭学習は何のためになるのかをお子さまに伝えてあげましょう。「頭が良くなる」という抽象的な理由や、「先生に怒られるから」というマイナスの理由では、やる気はアップしません。お子さまが理解できるような具体的な例を挙げて説明してあげましょう。

できることが増える

家庭学習で授業の内容を定着させてあげると、日常生活でできることが増えていきます。足し算やかけ算ができれば1人で買い物ができるようになりますし、料理をしたり物を作ったりすることもできるでしょう。漢字が読めて読解力が身に付けば、お店の案内図や商品の説明書を正しく読むこともできます。子どもが実感しやすい事例を挙げて説明してあげると、より伝わりやすいでしょう。

また、新しい知識を入れることで選択肢が広がるというメリットもあります。将来やりたいことが、家庭学習によって見つかるかもしれません。保護者のかたが「やっておけばよかった」と後悔しているものがあるなら、それを伝えてあげてもよいですね。

人の役に立つことがある

家庭学習が、誰かの助けになることもあります。たとえば英語。英単語をたくさん知っていたり簡単な会話を覚えていたりすれば、困っている外国人を助けてあげられるかもしれません。完璧に会話ができなくても、交番や駅の案内所に連れていけるスキルがあれば十分役に立ちます。

地図が読めれば道案内もできます。読解力が付いていれば、説明書などが理解できずに困っている友達を助けてあげることもできます。自分のためだけでなく、誰かの役に立つ可能性があるということも伝えてあげましょう。

楽しめることが増える

お子さまの趣味と関連付けてあげるのもよいですね。たとえばゲーム。ゲームには、算数の要素がたくさんあります。攻略するために、歴史や地理が役に立つこともあるでしょう。また、漫画を読むためには読解力が必要。言葉の意味を知っていればより楽しくなるはずです。

友達とただ話をするときにも、相手の話を理解できた方が盛り上がりますよね。スポーツや音楽にだって、算数や国語や英語が活かされることもたくさんあるはず。一見関係ないと思われがちな学習も、趣味や特技をもっと楽しくさせてくれる可能性があるのです。

学年別に見るおすすめの家庭学習方法

家庭学習の意義を伝えればやる気はアップしますが、習慣付けにはある程度サポートが必要です。そこで、おすすめの家庭学習の方法を学年別でご紹介します。

小学1年生は学習の習慣が付くようなサポートを

習慣付けは最初が肝心。1年生のうちは、とにかく机に向かう習慣を付けることに重点を置きましょう。「帰ってきたらすぐに机に向かう」「おやつを食べたら宿題をする」など、帰宅後のルーティンを作ってしまうとラクです。

ただし、習慣付けようと思って「勉強しなさい!」と叱るのはNG。宿題をメインに、あとは好きなことや楽しめることから進めていってください。始めのうちは、小学校での出来事を話したり、本を読んだりするだけでもOK。学力を上げることはひとまず後回しにして、まずは習慣付けることだけを意識しましょう。

小学2〜3年生はゆっくりでも基礎力を付ける

2〜3年生で習うのは、九九や割り算といった今後の学習の基礎となるものです。ここでつまずくと、勉強嫌いになってしまう可能性も。時間がかかってもよいので、毎日少しずつ力を付けていくことが大切です。

ゲーム性を取り入れたり、カレンダーに印を付けたりしながら、ゆっくりじっくり基礎力を付けていきましょう。一度に進めようとせず、長い目で見てあげることが大事。焦りは禁物です。1つでもできたらほめて、自信をつけていってあげてください。

小学4〜6年生は復習をメインに、親は見守りに徹する

中学受験に向けて勉強することが増え、自分から机に向かうこともできるようになる高学年。小学校での学習内容を定着させられるように、授業の復習をメインに行っていきましょう。お子さまがやりたいこと、苦手なことなどに合わせて、市販ドリルや無料でダウンロードできる教材などをプラスしてあげてもよいですね。

ただし、この時期の子どもは口を出されるのがイヤなもの。あれこれ口を出せば、逆にやる気を削いでしまう可能性があります。ですから保護者のかたは、基本的に見守りに徹しましょう。「がんばってるね」くらいの声掛けにとどめ、あとは子どもを信じて待ってあげてください。困ったことが出てきたら、そのときは助けてあげましょう。

教科別に見るおすすめの家庭学習方法

苦手な教科の場合は、進んで勉強するのが大変。そんなときは、家庭学習だからこそできる方法で、苦手を克服していきましょう。今回は「国語」「算数」「英語」の3教科についてご紹介します。

国語は興味のあることに絡めてみる

国語の勉強で特に大変なのは漢字です。覚えるためとはいえ、好きでもない字をひたすら書くのは苦痛でしょう。そこでおすすめなのが、子どもが興味のあることに絡めてみるという方法です。

漫画が好きなお子さまなら、キャラクターの名前を漢字で書いてみるという方法があります。これなら、興味を持って取り組めそうですよね。絵を描くことが好きなお子さまなら、漢字の成り立ちやイメージを絵にしてみるという方法もあります。家庭学習は、学校に提出するものではありませんから、自由なやり方で知識を身に付けていきましょう。

辞書を使うようになったら、興味のある言葉を調べてみてもよいですね。ゲームに出てくる用語、好きな食べ物、アニメや漫画のセリフなどを調べるだけでもOK。楽しみながら辞書をひくという練習ができ、語彙力もアップします。

算数は生活に絡めてみる

算数の基礎となる四則演算は、生活のなかにたくさん登場します。ですから、算数はどんどん生活に絡めていきましょう。

「コロッケが8個あるんだけど、4人で分けたら1人何個ずつかな?」「にんじん1本で50円だって。3本買いたいけどいくら払えばいいかな?」といった質問は、まさに算数。今行っている学習内容に合わせて、お子さまに聞いてみましょう。答えてくれたらお礼を伝えるのを忘れずに。こうすることで、役に立ったという気持ちになり、算数に対する自信が付いてきます。

また、展開図などはお菓子の空き箱を使って考えることもできますね。普段食べているお菓子なら、興味を持って取り組めるはず。勉強は、机に向かわなければできないわけではありません。生活のなかでさりげなく取り入れていけるのが、家庭学習の良さでもあります。

英語は生活や学習計画に絡めてみる

英語も、さりげなく生活に絡めていくことができます。「話す」「聞く」という学習がメインの3、4年生。この時期は、挨拶や自己紹介を英語にしたり、物の名前を英語で言ったりしてみるとよいですね。ちょっとした親子の会話のなかに、英語を取り入れてみてください。

「書く」ことがメインになってくる5年生からは、学習全体に英語を取り入れていくのがおすすめ。学習計画や週の予定を英語で書いてみたり、算数や国語のノートの日付を英語にしてみたりするとよいですね。教科書を見ながら書き写すだけでもOKです。

この方法なら、わざわざ英語の学習時間を設けなくても勉強ができます。家庭学習の時間が確保できないときなどにおすすめです。

「得意」「楽しい」を伸ばすのがやる気アップのコツ

お子さまが自主的に勉強するようになるためには、土台づくりが大切です。「勉強したい!」とやる気になれるような、保護者のかたのサポート方法をご紹介します。

1) 家庭学習は「得意な教科」から

家庭学習は、お子さまが楽しくできる教科から始めるのがおすすめ。まずは、「勉強できた」という自信や経験を積んでいきましょう。

家庭学習というと、つい苦手なことから始めようとしがち。しかし、苦手なことにやる気を出すのは大変です。ですから、「これならやる」「やってみたい」と思えるものをメインにしましょう。それだけで終わってしまっても大丈夫。ここで勉強をする習慣を付けることで、苦手な教科にも少しずつ取り組めるようになってくるはずです。

2) ゲーム性も取り入れて

家庭学習で苦手な教科に取り組むときは、楽しめる工夫をしてみましょう。「計算ドリルでタイムアタックをする」「漢字を覚えながらパズルや迷路ができる教材を選ぶ」「保護者のかたと競争する」など、さまざまな方法があります。

子どもたちが大好きなゲーム性を取り入れると、苦手な教科でも取り組みやすくなるはず。「勉強している」ではなく、「遊びながら結果的に勉強ができる」というイメージを持つとよいかもしれません。

3) 親子で勉強するのもアリ

時間に余裕があれば、保護者のかたも一緒に勉強してみましょう。1人で勉強するよりも、誰かと一緒の方がやる気になることがあります。学校や図書館などが良い例ですよね。

お子さまと同じドリルを解いてもよいですし、本を読む時間にしてもよいです。一緒に机に向かいながら、何かを勉強してみてください。これを機に、資格取得を目指すのもよいかもしれませんね。

4) 子どものやる気が出やすい時間を選んで

家庭学習の時間は、帰宅後にこだわらなくても大丈夫です。「早起きは得意だから朝勉強したい」というお子さまもいれば、「朝は苦手だから寝る前に勉強したい」というお子さまもいるでしょう。どの時間なら勉強しやすいか、お子さまに聞いてみてください。

また、塾や習い事の有無、保護者のかたの就業状況など、環境によっても違ってくるでしょう。それぞれの家庭でベストな時間は異なるはず。世の中にある情報や周りの家庭に合わせるのではなく、お子さまと保護者のかたに合った方法を選ぶことが大切です。

家庭学習を習慣化させる4つのコツ

やる気が出たら、後はそれを習慣付けていくだけ。家庭学習を毎日行うためのコツをご紹介します。

1) 学習計画を立てる

まずは学習計画を立てましょう。「1日ドリル1ページ」「1日20分机に向かう」など、時間や量を決めて取り組んでいくとよいですね。「次のテストで点数アップ」といった目標を決めてもよいでしょう。学期ごとで計画を見直していくのもおすすめ。習慣付いてきたらステップアップしていくのもよいでしょう。

ただし、目標や計画は子ども主体で決めてください。保護者のかたが決めると、「やらされている」という気持ちになってやる気がダウンします。アドバイスや希望を伝えるのはよいですが、決定権はお子さまにゆだねてあげてください。

2) 続けることが楽しくなる工夫

シールやスタンプなどを活用して、続けていくことが楽しくなるようにしてみましょう。特に低学年のお子さまには、この方法が効果的。

「家庭学習をした日はカレンダーにシールを貼る」「スタンプが貯まったら新しい本を買う」などは、代表的な方法です。目に見える形で続けられていることがわかると、モチベーションを保ちやすくなります。それを見た家族から「毎日がんばってるね」と声をかけてもらえれば、自信にもなるでしょう。

3) 集中できる環境づくり

家庭学習を習慣付けるためには、環境も大切です。テレビや漫画が近くにあると、途中で集中力が途切れてしまいます。「勉強机には勉強道具しか置かない」「教科書がすぐ手に取れるように棚を用意する」など、やる気を維持できるような工夫をしてみましょう。

また、最近人気のリビング学習を導入するのも良いですね。つまずいたときに保護者のかたがすぐアドバイスできるため、集中力を切らさずに学習を続けることができます。環境づくりがより重要になりますが、低学年のお子さまにはおすすめの方法です。

4) がんばり過ぎない

「家庭学習の時間が長過ぎる」「目標が高過ぎる」など、無理をするのはNGです。がんばることは良いですが、がんばり過ぎて続けられなかったら意味がありません。無理なく続けられる量から始めて、慣れてきたらステップアップしていくとよいでしょう。

特に時間は、長い方が学力アップにつながると思われがち。しかし実際はそうではありません。むしろ小学生の場合は、勉強時間が長くなればなるほど成績が悪くなるというデータがあるほど。短時間で集中して勉強した方が、学力が上がる可能性が高いのです。

年齢×1分でOK!家庭学習は塾や宿題とのバランスも考えて

家庭学習に使える時間は人それぞれ。塾や習い事に通っているか、学童は利用しているか、宿題はどのくらいあるかなど、家庭やお子さまによって条件は異なります。ですから、周りと比べるのではなく、無理なくできる範囲でバランスを取っていくことが大切です。

時間を確保するのが難しい場合は、ひとまず「年齢×1分」を目標にしましょう。1年生なら6分程度、6年生でも12分程度です。これなら、続けられそうな気がしませんか? 始めからがんばると続きません。まずは無理なくできる短い時間から始めて、徐々に増やしていけばOK。少ない時間でも習慣付けることの方が大切です。

まとめ & 実践 TIPS

家庭学習を習慣付けるのは大変。しかし、ちょっと工夫することで無理なく続けていくことは可能です。まずは、楽しいことや好きなことから始めてやる気をアップさせましょう。生活や遊びのなかに取り込めるのも、家庭学習のメリット。勉強が楽しくなるように、保護者のかたもあまり気負わずにサポートしてあげてください。