高校生になると大学受験勉強が視野に入ってきます。特に夏休みは既習範囲の苦手克服や2学期以降の先取り学習など盛りだくさん。「夏休みの勉強って何するの?」という高校生に向けて、上手に夏休みの勉強を進める学習計画の立て方をお伝えします。

この記事のポイント

  • 夏休みに勉強の計画を立てる意義4つ
  • 高校生の夏休みの受験勉強におすすめな計画の立て方6つ
  • 学年別大学受験を意識した夏休みの勉強計画例3つ
  • 夏休みの受験勉強で失敗しがちなこと3つ

夏休みに勉強の計画を立てる意義4つ

夏休みに勉強の計画を立てることには、4つの意義があります。

【1】生活にメリハリをつけるため

夏休みは自由な時間が増える分、遅く起きたり夜中まで遊んだりして生活リズムも乱れてしまいがち。生活リズムが乱れると2学期が始まった時に戻すのが大変です。

せっかくの夏休みを「勉強サボった…」という後悔や「朝起きるのつらい」という気持ちで終わらせないためにも、毎日の勉強時間を決めて遊びと勉強のメリハリをつけましょう。

【2】やりたいこと、やらなければならないことを明確化するため

夏休みといえども、1日何時間も勉強時間に使えるわけではありません。
約1カ月ある長期休暇でも基本的に3分の1は睡眠時間になり、他にも食事や家事の手伝い、習い事や塾といったことに時間は使われていきます。「気づけば今日は何も勉強してない…」となっても不思議ではありません。

実際に勉強できる時間を計算してみると、意外に少ないもの。こうした限られた時間でやりたいこととやることを明確にするには、勉強計画がとても役立ちます。

【3】勉強の質を上げるため

その日の気分に合わせて勉強を進めるだけだと、好きな科目や得意な科目ばかりになって苦手分野が全然進まなかったり、「今日は何しよう」と悩むことばかりに時間が使われたりする可能性があります。

夏休みのための学習計画を立てておけば、「今日は何しよう」と悩む必要がありません。時間になったらすぐに勉強を始められますし、自分に必要な勉強を効率的に進めることができます。

【4】決めた課題を確実に実行するため

学習計画とは、勉強する内容と勉強時間をあらかじめ決めておくことです。何時に勉強を開始して何時に終わるのか決めておけば、勉強時間にうっかり他の予定を入れてしまうこともありません。

学習計画を立てておけば、誘惑の多い夏休みでも確実に自分が決めた課題を実行できるでしょう。

高校生の夏休みの受験勉強におすすめな計画の立て方6つ

学習計画の立て方には6つのコツがあります。これまでうまく計画を立てられなかったという人は、ぜひ参考にしてみてください。

【方法1】自己分析をしておく

学習計画の立て方ではじめにすべきことは、勉強時間をどのくらいとれるかを割り出すこと。私たちの生活には睡眠・食事・移動・入浴・準備・習い事といった勉強時間にはできない時間があります。家族の予定表も確認し、外出やイベントがあるかどうかチェックしておきましょう。

毎日の生活で何にどのくらい時間を使っているのかを記録し、自裁に勉強に使える時間を曜日ごとに計算してみてください。

次に、自分の苦手分野を確認します。これまでの定期テストや模擬試験で間違えた分野を洗い出し、自分の苦手分野を中心に取り組むと効率よく受験勉強を進められるからです。

そして、自分が勉強しやすい時間帯や勉強場所、環境も確認しましょう。たとえば、家の自室・家のリビング・学習室・カフェ・友達の家などが考えられます。おすすめは自室・リビング・学習室ですが、自分が集中しやすい場所や環境を確認してみてください。
なかなか集中できない場合は、教科や学習内容、時間帯によって勉強場所を変えてもよいでしょう。

【方法2】苦手項目など克服したいことを書きだしておく

自己分析が済んだら、苦手項目など克服したいことを書き出します。

基礎固めが必要な分野、基礎知識は覚えたので基礎問題を解けるようになりたい分野、基礎レベルはクリアして標準問題に進める分野など、各科目または分野について取り組みたいことを目標レベルとともに書き出すのがポイントです。

同時に、どの分野に先に取り組むか優先順位もつけておきましょう。
目標レベルを「基本問題で正答率9割」「標準問題で正答率7割」などと設定すると分かりやすいですし、丸付けや解き直しのモチベーションアップにもつながりますよ。

【方法3】自分のレベルに合った参考書や問題集を選ぶ

使うべき参考書や問題集が決まると、学習計画も立てやすくなります。
ポイントは、自分のレベルに合った参考書や問題集を選ぶこと。自分にとって分かりやすい説明や設問・解答の解説があるかどうかを特に重視してください。

高1や高2なら、自分に合った参考書を購入し、学校で使っている問題集を中心に使うのがおすすめです。学校の問題集をしっかり解けるようになれば、そのまま定期テスト対策にもつながります。学校の問題集が難しいと感じるなら、市販の基礎レベルの問題集を使うのでも構いません。

受験生である高3の場合、標準レベル以上なら高校3年間の範囲をカバーする参考書や問題集を選びましょう。入試直前までくり返し取り組めて便利だからです。

科目全体が苦手な場合は、高校3年間の全範囲を一通り復習できる基本レベルの参考書と問題集が一体となったタイプのものを。特定の分野が苦手なら、基本レベルの分野別問題集を使うと効率的に進められます。

【方法4】具体的な学習方法を決める

具体的な学習方法を決める際のポイントは、「何を」「いつ」「どこで」「何を使って」やるかです。

まず、手軽にできる暗記学習は、移動時間などのスキマ時間に取り組むのがおすすめ。暗記のためにまとまった時間をとる必要はあまりありませんので、「どのようなスキマ時間に暗記をするか」だけを決めておきましょう。

例)

他方、じっくり考える必要がある教科や問題形式では、まとめて時間をとりましょう。

じっくり考える問題は疲れの少ない午前中に取り組むと捗りやすいと言われます。朝型タイプなら朝ご飯の前に取り組んでもいいですし、夜型タイプなら午前10時以降の目が覚めてきたときに取り組むと無理がありません。

例)

問題を解く時間や解説を読む時間もそれぞれ決めておくと、学習計画に大きな遅れを出さずに進められます。

【方法5】スケジュールを紙に書き把握する

勉強時間と休憩時間が分かるようにスケジュールなどに印をしておくのもおすすめです。

分かりやすいのは、学校の時間割と同じ形式で作った予定表です。1時間目から設定し、各コマの間に休憩時間を入れましょう。12時頃からは昼休憩を1時間程度入れてから、午後のコマを開始します。

あるいは、志望校の入試スケジュールに合わせた時間割を自作してもよいでしょう。1コマが1時間〜2時間と長くなるものの、受験本番のリズムで勉強できるというメリットがあります。

暗記学習は、その日に覚えるべき範囲を書き出しておいてください。特に英語や歴史、地理、生物などの暗記項目が多い科目は夏休みのうちに1周目を終えられるよう、1日(または1週間)のノルマを決めておく必要があります。

これらの予定表や時間割を勉強場所の壁に貼ったり、学習室などへ持って行けるようにクリアファイルに入れたりして、いつでも見られる状態にするのがポイントです。

【方法6】1日ごとに学習を振り返り必要があればスケジュールを組みなおす

「勉強スケジュールを立ててもうまく実行できない」という悩みは多いもの。スケジュールどおりの勉強ができない場合は、そのスケジュールが自分に合っていない可能性があります。そんなときは、いっそスケジュール自体を組みなおしてしまいましょう。
まずは毎日の勉強記録を見ながら、次の3点を確認してみてください。

・どの問題集のどのページをやったのか
・どのくらい遅れが出ているのか
・遅れを取り戻すのに何時間必要か

これら3点の記録や評価をスケジュール表に書き込んでしまうという使い方も、それまでの取り組みが分かりやすくなるのでおすすめです。

振り返りの結果、数時間単位で遅れが出ているなら、翌日以降の勉強内容を少しずつ増やして遅れを取り戻しましょう。あらかじめ何も勉強予定を入れない「予備日」を作っておき、その日に遅れた分の勉強をまとめてするのもおすすめです。

学年別大学受験を意識した夏休みの勉強計画例3つ

では、各学年での具体的な勉強計画立ててみましょう。
1日何時間の勉強が必要かは克服したい内容と量にもよりますが、高1・高2なら2〜3時間以上、高3なら7時間以上が1つの目安です。

以下を参考に、自分の勉強の進み具合に合わせて計画表を作ってみてください。

【例1】高校1年生の勉強スケジュール表

高校1年生の夏休みの勉強は、基礎固めが中心です。ここでしっかり基礎を身につけておくことで、高校2年生以降のつまずきを減らすことができます。

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【例2】高校2年生の勉強スケジュール表

高校2年生の夏休みでは、既習範囲の苦手克服を中心に行い、余裕があれば未習範囲の予習をしておきましょう。

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【例3】高校3年生の勉強スケジュール表

受験生である高校3年生の夏休みは既習範囲の苦手克服に全力を注ぎ、余裕があれば未習範囲の予習をするというのが基本です。

難関大を狙う受験生は標準問題レベルの演習にも積極的に取り組みましょう。
苦手分野でも基礎固めは2年生のうちに、遅くとも1学期中に済ませておきたいところ。もし学習計画に遅れが出ているなら、夏休みのうちに一気に取り戻すつもりで取り組んでください。

例)

夏休みの受験勉強で失敗しがちなこと3つ

夏休みが始まって間もないうちは元気に受験勉強を進められていても、次第に「なんだかうまくいかない…」といったことが出てくるかもしれません。

夏休みの受験勉強で後悔しないために、以下の失敗例を参考に自分なりの対策を立てておくとよいでしょう。

【1】無謀な学習計画を立ててしまう

夏休みは学校がないので、多くの時間を自分の好きなように使えると考えてしまうもの。その結果、無謀な学習計画を立ててしまい、やる気が出ないまま夏休み終了といった失敗につながることがあります。

これにありがちなパターンは2つです。

無謀な学習計画の1つめのパターンは、自分の体力やスケジュールを無視した勉強時間を設定してしまうこと。
勉強にも体力は必要で、これまで長時間勉強したことのない人がいきなり4時間も5時間も続けて勉強するのは難しいものです。塾や習い事、食事の時間、家事の手伝いといった日常生活の時間を無視した学習計画の立て方も、「もっと勉強時間があると思ってたのに」という事態を招きやすくなります。

もう1つのパターンは、理解や問題を解くのにかかる時間を見誤ることです。
「1問10分で解ける」と思っていたら20分かかってしまった、解説を読む時間を勉強時間に入れていなかったなどで、勉強時間内に予定の内容が終わらないという状況です。

これらの失敗を避けるには、普段の自分が何にどのくらい時間をつかっているのか、1日にどのくらい勉強する体力があるのかを見極めましょう。

【2】学習が中途半端な状態で夏休みが終わってしまう

1カ月ほどある夏休み、「明日やればいいや」「今日はこのくらいで」とサボりがちに…。せっかく受験勉強の計画表を作ったのにサボったのでは、学習が中途半端な状態で夏休みが終わってしまいます。

特に高3は、2学期以降の学習を効率的に進めつつ秋から過去問題演習に入るため、夏休みの学習計画表に沿って勉強すべき内容を絞り、確実に取り組むことが重要です。

夏休みは「苦手分野を克服する!」「計画表に書き出した課題をクリアする!」という目標を常に念頭に置き、学習計画表をいつでも見られる場所に置いておきましょう。

【3】夜更かしの癖がつく

勉強時間を夜遅くに設定すると、就寝時間も遅くなり、夜更かしの癖がついてしまいます。

夜更かしの癖を直すには、「早寝」ではなく「早起き」を優先しましょう。早寝しようとしてもなかなか寝付けず、逆に焦ってしまう場合があるからです。「昨日より15分早く起きる」を意識すると、少しずつ朝型生活に戻していけますよ。

同時に、日頃から夜眠りやすくするため、

・夕方以降は仮眠しない、カフェインをとらない
・寝る2時間前までに夕食・入浴を済ませる
・ベッドにスマホを持ち込まない

といったポイントにも気をつけてください。

まとめ & 実践 TIPS

長いと感じる夏休みも、いざ始まってしまえばあっという間に2学期を迎えます。

上手に学習計画を立て、その勉強スケジュールどおりに進めるには、普段自分がどのように時間を使っているか、どのようなことに優先して取り組むべきかを最初に押さえておくのが効果的。

後悔のない夏休みにするためにも、早めに自分の生活時間を記録して1日何時間勉強できるか、苦手分野、やることなどを洗い出し、夏休み中の生活イメージと勉強スケジュールをつくっておきましょう。