終わりが見えない新型コロナ禍の影響もすでに第5波となり、将来に不安を抱える人が多くなってきている中、人口減と少子化が止まりません。日本の少子化の要因の一つである、高額な教育費は大きな問題になっています。
教育費の準備は時間との勝負です。迷っている暇はありません。教育費は、少しでも早くから長期で準備することが最大のポイント。たくさんの情報はネットで簡単に手に入る時代ですが、今回は必要な情報をまとめてご説明します。

この記事のポイント

  • 【国公立・私立別】子どもの教育資金はいくらかかる?
  • 子どもの教育資金に関する7つの制度について
  • 教育資金はいつから貯めるのが良い?
  • 教育資金を貯める時のポイント5つ
  • 教育資金を貯める4つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

【国公立・私立別】子どもの教育資金はいくらかかる?

幼稚園〜小学校の年間教育費

2019年12月18日に公開された文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果」によると、3歳から私立の幼稚園から公立の小学校に進学した9年間の学習費総額は、3,511,586円となります。
一見、大きな金額に思えますが、これは学校外の教育費を入れた金額です。同年10月から始まった、3歳から5歳までの子どもの保育料無償化が行われる前の数字ですので、後述するように、幼稚園、保育園、認定こども園を利用する3歳から5歳までの子供の利用料が無償(幼稚園では月額2.57万円、年額30.84万円が上限)となり、かつ児童手当が月額10000円(年額12万円)支給されると考えれば、小学校までの子どもに対する支援制度は調査以降、充実したといえます。中学受験をしないのであれば、小学校卒業までは、教育費は、習い事や塾など、学校以外のお金をかけることがなければ、一番の貯蓄のがんばりどきだといえます。

参考:「平成30年度子供の学習費調査の結果について」2 調査結果の概要(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_03.pdf

参考:「幼児教育・保育の無償化概要」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/gaiyou.htmlnintei

中学校の年間教育費

同じく、文部科学省の調査結果によると、公立中学校では488,397円(年間)、私立中学校では1,406,433円(年間)かかっているようです。
私立学校の学費は、近年増加傾向にありますが、3年間の合計では、公立中学校に進学した場合は約150万円、私立は約420万円となります。私立中学校に進学するときには、小学校高学年からの塾代もかかりますので、公立と比較して教育費の負担がかなり重いことがわかります。中学受験をして私立に進学すると、その後6年間の学習費総額は7,121,402円。私立高校の学費の支援制度もありますが、中学校進学後は、重い負担が家計にかかり続け、貯めるどころではない時期となります。

参考:「平成30年度子供の学習費調査の結果について」2 調査結果の概要(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_03.pdf

高校の年間教育費

公立高等学校にかかる年間教育費は457,380円、私立高等学校にかかる年間教育費は969,911円です。
私立高校については、「授業料」や「補助学習費(自宅学習や学習塾・家庭教師などの費用)」が減少したことによって、前回の調査結果よりも減少しています。さらに後述する高校生への支援は、公立高校の学費だけではなく、2020年4月私立高校生への就学援助の新制度などが大幅拡充されたことで、現時点ではさらに減ることが予測されます。

参考:「平成30年度子供の学習費調査の結果について」2 調査結果の概要(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_03.pdf

大学の年間教育費

2020年10月30日にニュースリリースされた「教育費負担の実態調査」(出所:日本政策金融公庫)によると、国公立大学116万円、私立大学文系152.1万円、私立大学理系192.9万円が年間かかっているそうです。この調査で注目したいのは、高校入学から大学卒業までの在学費用が965.1万円と前回調査より26万円増加していることです。
大学進学の際、自宅から通うのか自宅外から通うのか、自宅外でもアパートを借りるか寮なのか、また学部や専攻によって、実技や施設利用料など、さらに費用が掛かるケースもあり、一概に平均では語れません。また、2020年は、新型コロナ感染症の影響や給付型奨学金、就学援助など、子どもの進路に大きな影響があったはずですが、調査には十分に反映されていない可能性もあります。

参考:日本政策金融公庫教育費負担の実態調査
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf

子どもの教育資金に関する7つの制度について

1:児童手当について

児童手当は、子どもが生まれてから、中学校を卒業する3月の年度末まで、世帯主の口座に直接振り込まれる給付です。
3歳未満は15,000円、それ以降は10,000円(第3子以降、もしくは所得基準により異なる場合あり)の4か月分が、年3回、6月・10月・2月に振り込まれます。
2022年10月から年収1200万円以上の世帯に対する給付は廃止の方向です。

参考:「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」(内閣府)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204_2gaiyou.pdf

2:子ども・子育て支援新制度について

幼稚園・保育所・認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子どもたち、 住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子どもたちの利用料が無料になっています。
ただ、所得によりますが、通園送迎費・食材料費・行事費など、すべてが無料となるわけではありません。幼稚園については、月額上限2.57万円と決まっており、超えた分は保護者の負担です。
無償化の期間は、満3歳になったあとの4月1日から小学校入学前までの3年間です。ただし、年収360万円未満相当世帯の子どもたちと全ての世帯の第3子以降の子どもたちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。

参考:「幼児教育・保育の無償化概要」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/gaiyou.htmlnintei

3:就学援助制度について

経済的な理由で就学が困難な場合に、義務教育期間中の児童の保護者に対する就学援助制度があります。以下の費用が援助される対象です。

  • ・学用品費
  • ・体育実技用具費
  • ・新入学児童生徒学用品費等
  • ・通学用品費
  • ・通学費
  • ・修学旅行費
  • ・校外活動費
  • ・医療費
  • ・学校給食費
  • ・クラブ活動費
  • ・生徒会費
  • ・PTA会費
  • ・卒業アルバム代等
  • ・オンライン学習通信費

保護者については、生活保護もしくはそれに準じるほど困窮しているという条件があり、全国的に設けられている支援ではありますが、認定基準は一律に決まっておらず、市町村によって異なります。

参考:「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm

4:高校生等奨学給付金について

次段で説明する授業支援の仕組みである「高等学校等就学支援金」と2020年4月から新設されている「高等教育の給付型奨学金」と区別する必要があります。
教材や教科書代など授業料以外の支援が、この「高校生等奨学給付金」です。
対象世帯は、生活保護世帯もしくは年収270万円未満(住民税所得割非課税世帯)です。
高校は義務教育ではありませんので、教科書代や教材費など、進路によってさまざまな費用がかかります。家計が急変して非課税相当になった世帯も対象になります。また、新入生は、4〜6月に一部早期支給の申請ができる場合もあります。都道府県ごとの独自の奨学金がある場合もあり、窓口は都道府県ごとに異なります。自分で確認し、自分で問い合わせるほうがよいでしょう。

参考:リーフレット「みんなに知ってほしい 高校生への2つの支援」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20210317-mxt_kouhou02_3.pdf

参考:高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/1353842.htm

5:高等学校等就学支援金制度について

この支援金制度は、前述の奨学給付金とは、対象世帯が異なります。所得基準の目安としては、年収910万円未満の世帯です。
ただ、保護者が共働きの場合や片働きの場合、子どもが高校生と大学生がいる場合など、働き方や家族構成で、所得の基準が多少変わりますので、住民税を確認できる書類で対象となるかを確認してもらいましょう。
就学支援金は、授業料支援の仕組みです。国公立への進学では授業料が実質0円となります。
一方、私立に進学した場合には授業料と就学支援金との差額を保護者が負担する必要がありますが、どちらに進学しても学費を支援される制度ですから、学校に直接支払われます。所得基準の判断方法や提出期限については各学校、都道府県によって異なります。新入生については入学後すぐ、在校生については毎年7月ごろに学校から案内されることが多いようですので、申請時期を逃さないよう注意してください。

参考:リーフレット「高等学校等就学支援金」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20210317-mxt_kouhou02_1.pdf

6:給付型奨学金について

大学だけでなく、短期大学・高等専門学校・専門学校などの高等教育を受ける学生に対しての新しい支援制度が2020年4月にスタートしています。
原則として、給付型奨学金と授業料・入学金の減免についての対象者は同様で、「住民税非課税もしくはそれに準ずる世帯」は、以下のような給付が受けられます。
高校生の時に、「大学に進学したときに支援を受けられるよう、あらかじめ申し込む」という予約の制度と、進学してから「制度を利用する」という2つの申し込み方法があります。
在学中、成績が悪かったり、授業にあまり出席しなかった場合には、支援を打ち切られたり、場合によっては返還などが必要になることもあります。所得基準だけでなく学力基準もありますので、支援を4年間受け続けるためには、単位を落としたり留年などのないよう、子どもにしっかりと言い聞かせておきたいものです。

参考:「給付奨学金」(日本学生支援機構)
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html

7:授業料・入学金の減免について

給付型奨学金と同様に就学援助の対象は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生です。高校3年生で申し込む予約採用は高校を通じて申し込みますが、この授業料等減免については、進学先で申し込みとなります。

入学金は通常、入学前に入金となりますが、文部科学省からは、経済的に困難な状況にある学生の入学金等は、納付時期の猶予など弾力的な取り扱いをするように、各大学にお願いはされているようです。つまり、納付猶予などを受けた場合には入学金も対象になりますが、既に支払った入学金や授業料については対象になりません。この入学前の猶予などの取り扱いについては、希望する進学先の大学に対応してもらえるかどうかをあらかじめ問い合わせたほうがいいでしょう。在学中の学生については、年2回、春と秋に、在学中の大学等を通じて日本学生支援機構に申し込みます。

前段の給付型奨学金の申し込みと併せて、授業料等減免の申込みをします。その受付期間は学校によって異なりますので、学校の窓口などに申請期限をしっかりと確認しましょう。

参考として、どれくらいの支援が受けられるのか挙げておきます。例えば、私立大学に自宅から通学する場合、給付型奨学金が91万円、授業料が70万円(住民税非課税世帯の場合)受けられることとなります。
給付型奨学金と授業料・入学金の減免制度につきましては、「返還しなくてもいい」ということが一番のメリットですが、所得制限がありますので、最初からこの2つの制度を目当てにする教育資金計画は立てないほうがいいでしょう。

参考:高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1409388.htm

参考:高等教育の修学支援新制度(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/kyufu/student/daigaku.html

教育資金はいつから貯めるのが良い?

教育資金の準備方法は、「できるだけ早く」「長期間かけて準備する」ことが王道です。
定期預金や積み立ての利率のあまりの低さに、少しでも利率のよいものはないかと考えるかもしれませんが、教育資金は、必要な時に必要金額を準備できなければ意味がありません。妊娠がわかった時から、教育資金の準備計画を立て、時間を味方につけて少しでもプラスの教育資金を貯めることが大切です。

教育資金を貯める時のポイント5つ

1:想定外の支出を念頭に入れて目標額を考える

冒頭でご紹介した文部科学省の調査結果は平均の「学習費」ですから、突発的な費用がどれくらいかかるのかを読み取ることはできません。
保護者の希望で、これを習わせたい、もしくは海外留学に行かせたい、など子どもへの期待は人それぞれです。

2021年のオリンピックで新競技として採用されたボルダリングやスケートボードなどを多くの子どもたちが習い始めるという現象が見られています。このように、子どもにかかる費用は、保護者の予想外となる可能性はあるものだと思っておきましょう。
ただ、それをどこまで負担するのかは保護者次第です。一度に大きな金額がかかる留学のようなケースでは、その後の資金計画が崩れてしまわないか、再度、見直しておきましょう。

また、忘れやすい費用として、受験時の費用にも注意してください。
もし、自宅外からの進学を考えていたり、大学をいくつも受験したりするという可能性があるのであれば、進学前にかかる費用は意外と大きな金額となります。
子どもが急に予備校での個別対策を追加でしたいと言ってみたり、受験校や受験学部を増やしたりと、受験の際にかかる費用だけで、一度に20万〜30万円が飛んでいくなんてことも珍しくはありません。「想定外の支出はかかるもの」と考えて、目標金額に少しでも上乗せすることを考えておきたいものです。

2:高校までは手取り収入で賄えるような進路選びをする

高校生までにかかる費用は、「貯める」という考えでなく、通常かかる日常生活費と同様に考えておいてください。
中学受験を考えないのであれば、子どもの小学校卒業までは貯蓄を最大限にがんばりつつ、部活や塾代など教育費がかかってくる中高生の間はできる範囲での上乗せの貯蓄を継続し、大学進学時にそれまで貯蓄してきた教育費を使うという流れが理想的です。
ですから、高校までに、手取りで賄えない費用や、貯蓄を切り崩して賄うような費用がもしあるなら、一番お金のかかる大学進学時の費用を賄うのは困難を極めます。

3:大学・専門学校の通学方法についてもあらかじめ考えておく

子どもが生まれてすぐには将来の進路のことはわかりませんし、そもそも親が決めることではない、なんて思うかもしれません。
ただ、お金が準備できていないから、進学をあきらめざるを得ないということのないよう、あらかじめ、どんな進路であれば、保護者として応援できるのかを考えてみませんか。

たとえば、「高校までは公立。大学は私立文系」や「中学受験をさせて、中高は私立。大学はがんばって国公立」、それとも「高校まで公立で、その後専門学校2年」など、大まかで構いません。
進路を考えることで、将来に向けての教育資金の目標金額が決まります。目標金額を立てれば、あとは計画をたてればよいだけです。「いつからいつまで学資保険に加入して保険料を支払う」など、具体的な計画に落とし込むことができます。
専門学校は、大学進学より費用がかからないと思っていらっしゃるかたもいますが、実技がある専攻や医療系であれば、理系大学並みに費用がかかることもあります。

実際に進学する際、不足分の奨学金の検討を考えるのは構いませんが、最初から奨学金頼みの計画にはしないでください。奨学金は進学後に給付されるもので、入学前の費用、受験料や入学金などには対応できません。教育ローンを利用する手段もありますが、奨学金頼みでない方法を前提にした進路を、まずは考えてみましょう。

4:生まれる前から準備は始まる

教育資金の準備は、生まれてから始めると思っていらっしゃるかもしれませんが、学資保険や積立NISAなど、生まれる前から準備ができることもあります。
子どもが生まれてからは、毎日が忙しく、子育てをするだけで一日はあっという間です。少し余裕のある産前に、ご夫婦で子どもの進路と目標金額を考えながら、加入する学資保険の検討や教育資金を準備する商品について、落ち着いて検討しておくとよいでしょう。
学資保険の場合、生まれる140日前から加入できるという保険会社が多いです。保険の場合、契約者をママにするのかパパにするのか、早くから加入すると保険料が安くなる、月々よりも年間でまとめて払うと安くなる、もしくは10歳程度の早い時期に払い込みを終えると返戻率が高くなる、など特有の難しさがあります。
できれば、生まれる前に各社の保険を比較しておくと落ち着いて商品が選べるでしょう。

5:積立や学資保険などを利用する

積立預金や学資保険を提案しても、「利率が低くて加入しても意味がないのでしょう? もっと効率的に準備する方法はないですか」と逆に質問されることも増えてきました。
教育資金を準備するために「お得感」を求めると、リスクも当然あります。
投資信託や株などのリスクのある商品では、「決まった時期に決まった金額が受け取れる」ことができるかどうかがわかりません。
その点、学資保険は進学時に必要なお金を準備するための商品ですから、進学時に必ずお金を受け取ることが可能です。
一方、積立NISAなどは、必ずしも引き出したい時期に、自分が求める利益が確定しているとは限りません。
ですから、少しのお得と税制優遇のある積立NISAと、必ず教育資金として準備できる学資保険を組み合わせて、どちらの長所も取り入れた準備方法を考えるとよいでしょう。

教育資金を貯める4つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

1:個人向け国債

個人向け国債で教育費を準備する場合は、「変動金利型個人国債10年」がよいでしょう。
3年型や5年型などの固定金利型と違って、実勢金利に応じて半年毎に適用利率が変わるため、受取利子が増えることもあるので、普通預金に預けておくより増える可能性があるという点がメリットです。
最低1万円から1万円単位で購入できるという点もコツコツ準備したい人には適しているでしょう。ただ、1年間は途中換金できませんし、中途換金では、そもそも額面金額から所定の金額が控除されますから利益はありません。国債で教育費を準備する場合は、まとまった金額を「寝かせておく」という感覚で、途中で使い込まないようにするというくらいの気持ちをもっておきましょう。

2:積立NISA(ニーサ)

老後資金の準備方法としても人気のある積立NISAですが、投資信託ですから手数料もかかり、提供されている商品次第ですから、得になるのか損になるのか、だれにもわかりません。
インフレリスクには対応可能というメリットはありますが、教育資金として必要な時に必要な額であるかの保障はありません。
学資保険や国債をメインの準備方法としてある程度の教育資金を確保しておき、少し上乗せという意味での積立NISAの利用が望ましいでしょう。 

3:預金

預金のメリットであり、デメリットともいえる点は「いつでも引き出すことが可能である」ということです。
いつでも引き出せることがデメリットになるのは、「今使っても、あとで補充しておけば構わない」などと、マイルールによって簡単にお金を減らすことができるからです。
教育費の準備としての「預金口座」の使い道は、子どもの名義で口座を開設し、世帯主の口座に入金された児童手当を移し替えたり、満期を迎えた国債を移したり、もしくは一定の利益を確保したあとの積立NISAなどを換金して移したりして、教育資金の積立を確認するというための利用は考えられるでしょう。
この場合、教育費が必要になるまで、絶対使わない、元本を確保するというメリットを生かしましょう。

4:学資保険

学資保険で教育資金を準備するのは、加入する時期によって返戻率も変わりますから、得とは言えない点がデメリットと考えるかたもいるようですが、学資保険のメリットは依然として揺るぎません。
保険ですから、保護者に何かあった場合の「保障」になります。生命保険料控除という税優遇もあります。
一方、教育資金の準備を学資保険だけに頼るのはデメリットがあります。学資保険は、支給されるのが18歳・19歳・20歳・21歳・満期学資保険などという、年金形式で支給されますので、受験時期や進学時期に予想される大きな出費に、毎年一定金額の保険金だけでは不足することもあるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

教育資金には、子ども一人当たり「総額1000万円以上かかる」と聞くと、あまりの多さに、無理と思う気持ちもわかりますが、「高校まで日常生活費の枠内で支出する」を基準にすれば、それほど難しいことではありません。子育て家庭は、今ある制度を上手に利用しつつ、改正される制度の情報収集など、自助努力を怠らないようにしたいものです。

當舎 緑

當舎 緑

社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。資格取得をはじめ、教育・育児、マネーなど一般消費者向けのセミナー、執筆活動を行う。子どもにかけるお金を考える会(http://childmoney.grupo.jp/)のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター(https://kanagawafpsoudan.jimdo.com/)の理事でもある。金融機関での年金相談はじめ、区役所、県民相談の窓口での行政相談、病院でのがん患者就労支援相談の窓口で一般向けの相談にも応じている。家庭では3児の母でもある。

出典:
教育費にいくらかかるかの金額は、以下の2つのウェブから引用。
子どもの学習費調査
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf

教育費負担の実態調査
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf