新型コロナウイルス感染症の影響により、大学受験のお子さんを抱える保護者にとっては、思ってもみなかった変化が多々起こっています。社会全体が「アフターコロナ」に向かったとしても、受験生はこれまでとは違う環境の下で、大学進学に向き合わなければならないようです。

この記事のポイント

  • 受験料、受験学部数は減少したけれど
  • オンライン対応で負担増に
  • 不安は単位や人間関係

受験料、受験学部数は減少したけれど

全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が、2021年度に入学した新入生(学部生)の保護者を対象に、インターネットで実施した「保護者に聞く新入生調査」(2021年4〜5月、回答1万8907人)の結果によると、進学タイプ別に受験から入学までに掛かった費用として、最も低かったのは自宅から国公立の文系に入学した場合で140万3500円、最も高かったのは下宿で私立の医歯薬系に入学した場合で315万7300円となりました。

費用別に見ると、「出願をするためにかかった費用」の平均は、国公立・私立ともに減少しています。とりわけ「受験料」の減少が影響しており、国公立で11万100円(前年度比1万900円減)、私立13万9500円(同6300円減)となっています。

受験学部数も減少しました。20年には平均3.6学部だったのが、21年は3.4学部。全国大学生協連では、大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が始まったことや、コロナ禍による移動制限が影響したと分析しています。

オンライン対応で負担増に

受験から入学までの費用面で「予定と違って困ったこと」として「教科書や教材、パソコンなどの費用が高かった」と答えた保護者は36.2%で、前年の10.0%から大きく増加しました。
「オンライン授業のために購入するものが多かった」も11.4%となっており、結果として「教科書・教材購入費用」は前年より1万1100円増加して21万4900円となりました。
オンライン授業を受けるにはパソコンだけでなく、インターネット契約や周辺機器も必要です。そうした負担が、想定外の出費だと受け止められていることがわかります。

不安は単位や人間関係

大学生活を始めるにあたって心配なことは、「授業形態(対面・オンライン)のこと」57.9%が最多で、「新型コロナウイルスへの対応」(52.3%)、「友達付き合いなど人間関係のこと」(50.1%)も半数を超えています。
特に「友達付き合いなど人間関係のこと」は、コロナ禍以前の2019年の42.4%に比べ大きく増加しており、キャンパスに通うことが少なくなった学生生活を反映しているようです。
志望校選びの参考になるオープンキャンパスや、入学式に保護者が同行した割合も、低調でした。

まとめ & 実践 TIPS

新型の変異株の流行など、コロナ禍は予断を許さない状況です。そんな中で大学受験を迎える子どもたちは、想定外の条件で志望校を決めねばならず、入学後の学生生活も描きづらい状況に置かれています。
政府は2021年11月、困窮学生に1人10万円の緊急給付金を支給することを決めました。どの学生も安心して学び続けられるよう、大学生・院生の現状に再度、目を向ける必要がありそうです。

(筆者:長尾 康子)

※ 全国大学生活協同組合連合会「2021年度保護者に聞く新入生調査」
https://www.univcoop.or.jp/press/fresh/report.html