ベネッセアートサイト直島では、2022年7月に新しい鑑賞キットを制作しました。対象は中学生以上で、自ら好きなように調べ、発見し、考え、表現できるツールです。この記事では、瀬戸内の島をめぐりながら、作品がある場所だけでなく、さまざまな場面で楽しめる鑑賞キットについて紹介します。

この記事のポイント

  • 気になったことを調べてみよう。
  • ワークシートに沿って考えを記録しよう。
  • 感じたことを自由に表現しよう。
  • 考えたことを発信しよう。

気になったことを調べてみよう。

この鑑賞キットは、透明なチャック付ケースに入っており、好きなように中身を変更したり追加したりすることができます。セットされている中身は、調べるツール、表現するツール、記録するツールに分かれています。

調べるツールは、美術以外の科目や学校で学んだことに結びつけるためのヒントにもなる、ルーペと測量カードです。ルーペは作品の表面を観察したり、海岸に自生する特徴的な海浜植物を観察したり、ものをよく「みる」ことを促します。測量カードはセンチ、インチ、角度が測れるようになっており、建築に差し込む計算された光の角度や、古い民家の各所に現れている生活の寸法などを調べられるようになっています。
ツールを通じて自分が気になった風景や場所をじっくりと観察することで発見を促し、興味を持ったことについて自分で深めていけます。

ワークシートに沿って考えを記録しよう。

記録するツールであるワークシートには、自分が気になった場所や作品をスケッチしたり、ツールを使って調べたことを記録したり、そこから考えたことを書き留めたりできます。
ワークシートを使う場所は自由に決められ、作品だけでなく、集落の風景や自然の景色、植物など、自分の関心事に合わせて対象物を選択して使用します。

調べたことから得た発見と、そこから自分が考えた内容を記録することで、自分の今の関心事を知ることにも繋がります。他の人のワークシートと見比べてみると、より自分ならではの視点に気付いたり、多様な価値観に触れられます。

感じたことを自由に表現しよう。

表現するツールは、文字以外の手法にも広げられるよう、複数用意されています。水に溶ける水用紙、自然のものから名前がつけられた色紙、卵の殻から作られた方眼紙・五線譜などです。感じたことや考えたことは、音楽や数字などで表現でき、何に書くのかも自由です。自分の感覚やイメージに合うものを選ぶことで感性や表現の幅も広がります。

他にも、鑑賞キットの中には、直島・豊島・犬島で見られる石や植物をモチーフにしたマスキングシートもあり、作品以外のものにも興味を持つきっかけになります。ベネッセアートサイト直島の作品にはその場所に合わせて制作されたものも数多くあり、作品を通じてその場所の風景・歴史・文化にも視野を広げられるのも特長の一つです。

考えたことを発信しよう。

鑑賞キットの中には、メッセージが印字された透明カードが同封されています。このカードには、ベネッセアートサイト直島を訪れた人々に、瀬戸内ならではの豊かな自然・それと調和する建築とアートのある場で考えていただきたい、それぞれにとっての「よく生きるとは何か?」というメッセージが込められています。このカードを作品や自然景観などに重ね合わせて見ながら、好きなように視界を切り取ってみると、自分が大切にしているものに気付いたり、これからの人生のステップについて考えるきっかけになるかもしれません。

そうして瀬戸内海の島々で得られた体験は、ワークシートについているQRコードから、文字と写真を使って投稿することができます。その時自分が考えたことを発信し、他の人たちの体験にも触れることで、自分だけの旅の思い出を目にも心にも残していくことができればと考えています。

ベネッセアートサイト直島・鑑賞キットの使用・購入については、こちらよりお問い合わせください。