直島の南部は、日本で最初に国立公園に指定された「瀬戸内国立公園」に含まれています。豊かな自然を舞台に、ベネッセアートサイト直島では、美術館などが位置する直島の南部に広がる瀬戸内海の原風景を重要な資源と捉え、建築やアートと調和するように景観を整備、維持、管理する、「直島ランドスケーププロジェクト」の活動があります。その取り組みの中から、今回は、直島の景観に気付き、目を向け、他の人と共有し合う「腰かけたい場所シェア」プロジェクトを紹介します。

この記事のポイント

  • 「腰かけたい場所シェア」プロジェクトとは?
  • スタッフがすすめる「腰かけたい場所」
  • お気に入りの場所をシェアしてみよう

「腰かけたい場所シェア」プロジェクトとは?

「腰かけたい場所シェア」は、瀬戸内国立公園に含まれる直島南部の「ベネッセアートサイト直島」エリア内で、今年の4月より始まりました。

同エリア内には瀬戸内の海景や直島の山々を背景にさまざまな美術館や屋外作品が展開しており、周囲の自然に目を向けながら各施設や作品間を歩くことができます。

写真:鈴木研一

春になると桜やツツジが開花することで山がピンクに色づいたり、夕方には西日が海に反射し海面がきらきらと光っていたり、季節や時間帯、天候によって異なる多様な自然の表情が楽しめるのも特徴です。

春に開花したコバノミツバツツジ

自然を散策するなかで好きだと思うスポットや印象に残る風景は人によって異なるため、ベネッセアートサイト直島ではこれまで、一人ひとりが自由に過ごせるよう、「ここで見て」「ここに座って」という場所をあえて明示していませんでした。

今回のプロジェクトは、直島を訪れたかたが散策するなかで「腰かけたい」と思った場所をお聞きし、その場所にベンチを設置してみようという取り組みです。

来訪して見つけたお気に入りの景観スポットを、選んだ理由や訪れた季節、時間帯などを添えて投稿してもらうこと、また、誰かがすすめた場所に座る体験をとおして、この場所ならではの景観を意識したり、実際に来て体験し価値を感じられたりすることを目指しています。

スタッフがすすめる「腰かけたい場所」

2022年4月14日から始まったプロジェクトに先がけ、まずはベネッセアートサイト直島で働くスタッフで、各自のおすすめしたい「腰かけたい」と思った場所を出し合いました。

ベネッセハウス ミュージアムから下った場所にある砂浜を選んだスタッフからは、「両脇を崖が遮る小さい砂浜は直島の特徴的な地形・景観だが、実際に徒歩でアクセスできるスポットは多くない。この場所は、まさにこの地形を望むことができるスポットであり、かつ、大槌島と瀬戸大橋、高松の港を同じ箇所から拝むことができる」と、スタッフならではの視点での提案がありました。

海岸から見える大槌島

また、ヴァレーギャラリー内を候補に挙げたスタッフからは、「周囲の環境が直島の他の施設と異なる感があり、桜やツツジもきれいな場所。広い芝生スペースでのんびりとしてもらいたい」と、季節ごとの違いや場の価値をより実感していただけるような意見もありました。

「ちょっとでも待ち時間に座って体力回復していただけるといいな」と各施設の間に位置する場所やバスの停留所付近を提案するスタッフもいました。

ベネッセハウス ミュージアムと李禹煥美術館の間にある木陰

スタッフから寄せられたベンチを設置する場所の候補は、瀬戸内海を中心とした自然景観や、作品を中心とした景観を望むもの、また休憩・バス待ちを目的としたものなど多岐にわたりました。

これらの意見をまとめ、現在敷地内にプロジェクトで用意した10基のベンチが設置されています。

お気に入りの場所をシェアしてみよう

「腰かけたい場所シェア」プロジェクトでは、2022年11月6日までの期間中、ベネッセアートサイト直島を訪れた方々が「腰かけたい」と思った場所を募集しています。「ここから眺める景色が好き」「ひと休みできるスポットがほしい」「ここでのんびりできたらいいな」など、来訪した方々が直島での体験を通じて感じたこと、考えたことをもとに、2023年に向けて新たにベンチを設置していきます。自分がいいなと思った場所をすすめたり、他の誰かにおすすめされた場所に腰かけたり、お気に入りの場所をシェアし合うことをとおして、直島での滞在やその時ならではの景観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「腰かけたい場所」の投稿や、プロジェクトの詳細、最新情報はこちら。