25年以上、不法滞在(オーバーステイ)になっていた東南アジア出身のトランスジェンダーの女性(法律上は男性、58)が8月14日に国から在留特別許可を受けた。2017年3月、入国管理局に出頭し、在留特別許可を求めていた。

9月2日、女性は同居する日本人男性(67)と都内で記者会見を開き、「(宗教上の理由もあり)LGBTは母国だと宿敵。日本に来たら扱いが全然違った。自分の居場所が日本にあった」「ありがとう。本当に嬉しい。恩返ししたい」と話した。

法務省のガイドラインによると、在留特別許可を認める積極要素の1つに日本人との婚姻があげられている。

女性は2002年から、この日本人男性と同居しており、2012年には一緒に家を購入した。女性は法律上男性のため、日本での法律婚はできないが、夫婦同然の生活をしていたとして、在留特別許可を求めていた。

大病を患ったなどの事情もあり、許可の理由は明確ではないが、女性の代理人を務めた熊澤美帆弁護士は次のように話した。

「入管は手続き中から『奥さん、旦那さん』と呼ぶなど、夫婦として対応し、2人の関係を真摯なものとして受け止めてくれた。(同性カップルなど)法律上結婚できないカップルについては同じような判断になることが望ましい」

今年3月には、日本人の同性パートナーと20年以上同居していた台湾出身の男性に在留特別許可がおりている。こちらは裁判で争われていた(許可が出たため取り下げた)だけに、入管が自主的に在留特別許可を認めたことに驚いた、と熊澤弁護士は話す。

一方で、不安もある。パートナーの男性は「次も在留特別許可を更新してもらえるかは心配」とも口にした。2月に「結婚の自由をすべての人に」をスローガンに全国の同性カップルが起こした裁判の行方にも注目しているという。