「いつもありがとう。宿泊代置いておきます。大好きです」。このような夫直筆の手紙をみつけたという女性が弁護士ドットコムに相談を寄せています。

相談者は、手紙のほかにラブホテルのクーポン券も発見。夫を問い詰めると、夫は不倫を認め、相談者に謝罪したそうです。 

しかし、そのときの夫の言葉を録音していないため、相談者は「もし夫が不倫を否定した場合、手紙とクーポン券は不倫の証拠として使えるのでしょうか」と心配しています。

相談者は夫と不倫相手に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。また、手紙とクーポン券は不倫の証拠として裁判で使うことはできるのでしょうか。

●手紙とクーポン券は「不貞行為の重要な証拠」となる

相談者が発見した夫直筆の手紙とクーポン券。山口政貴弁護士は、「直筆の手紙とクーポン券は不貞行為の重要な証拠となります」と説明します。

「手紙は『宿泊代置いておきます』という文面から、不倫相手と宿泊した事実が推認されます。また、クーポン券も性行為があったことを強く推認させる間接証拠となります。

ですので、この2つがあれば不貞行為が認められる可能性は極めて高いでしょう。実際に私も裁判で直筆の手紙を証拠として提出したことがあります」

●離婚しない場合は「慰謝料が低くなる」傾向に

不貞行為が認められた場合、相談者は夫と不倫相手に慰謝料を請求することができます。ただし、相談者が夫と離婚はせずに婚姻をその後も継続する場合は、慰謝料が低くなる傾向にあります。

「不倫期間や婚姻期間にもよりますが、大まかにいえば50〜100万円程度になることが多いです。意外に少ないと思われる方もいらっしゃると思いますが、これは『離婚しないということであれば、精神的苦痛の度合いは小さい』と判断されるからです。

また、不倫相手が慰謝料を支払った場合は、そのうち半額程度を配偶者に請求(法律上「求償」といいます)することができます。そのため、不倫相手の経済的負担はそれほど大きくなりません」。

【取材協力弁護士】
山口 政貴(やまぐち・のりたか)弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。
事務所名:神楽坂中央法律事務所
事務所URL:http://www.kclaw.jp/index.html