賭け麻雀を繰り返していたとして、13人の弁護士有志が6月19日、黒川弘務・前東京高検検事長らについて常習賭博の罪で東京地検に刑事告発した。

告発状によれば、黒川氏、朝日新聞社員1人、産経新聞記者2人は今年5月1日頃と同月13日頃、点ピンのレート(1000点につき100円)で賭け麻雀を行い、数千円から約2万円の現金のやりとりをしていたとされる。賭け麻雀は約3年前から月1〜2回程度繰り返されてきたという。

この問題をめぐり、黒川氏は懲戒処分に当たらない訓告処分を受けて辞職。朝日の社員は停職1カ月、産経の社員らは出勤停止4週間の懲戒処分がそれぞれ下されている。

●責任は重い

伊澤正之弁護士らが告発後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。

伊澤氏によれば、法務省や黒川氏自身も賭け麻雀を認めており、常習賭博の罪は成立するとした。また、移動のタクシー代を負担したのが誰なのか、接待麻雀の疑惑も残っているとして、「接待なら賄賂も成立する可能性があり、また公務員倫理規定にも抵触する可能性がある」と問題視する。

「検察ナンバー2と呼ばれていた黒川氏が、自らを取材する新聞記者と賭け麻雀に興じるのは常習性があり、極めて責任は重いと考えている」

●検察庁の自浄力が期待されている

「検察庁が自浄力を発揮してほしい」。五十嵐二葉弁護士は、昨年の参院選をめぐって東京地検特捜部が河井克行前法相と妻の案里議員を公職選挙法違反の疑いで逮捕したことに触れて、「黒川さんが予定通りに検事総長になっていたら、(逮捕)できなかったかもしれません」と話す。

会見前日には、岐阜市で行われた賭け麻雀摘発のニュースが報じられたばかり。同じ点ピンのレートだったという。

及川智志弁護士は、警察と検察は捜査を尽くしたうえで、起訴するか不起訴にするのか決めるべきとし、「そうしないと身内をかばっていると思われてもしかたない」と主張した。

「司法は汚れてはならない。私たち弁護士も司法にたずさわる。そうした事態を許すことはできないとして告発した」

問題について、市民団体などの告発が相次いでいる。6月2日には「安倍首相による検察支配を許さない実行委員会」が東京地検に告発状を提出した。