全国的な梅雨明けを迎え、本格的な暑さの到来とともに、蚊が飛び交う時期になりました。

対策として夏の風物詩「蚊取り線香」を使う家庭は少なくなさそうですが、独特の匂いが苦手な人もいるようです。

子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板にも、「蚊取り線香の匂いで注意された」という投稿(http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=3649383)がありました。

自宅マンションのバルコニーで蚊取り線香を使用したところ、管理会社から「他の住人の迷惑なので、バルコニーでは使わないで」と注意されたようです。

投稿者は、「他の部屋にも蚊取り線香(の効用)をお裾分けしてるのに」「焼き魚の匂いも換気扇から出てる」と不満げです。

この投稿に対して、「煙たいから迷惑」「タバコの煙はダメだけど、これは許せる」などのコメントが寄せられています。バルコニーで蚊取り線香を使用するのはやめるべきでしょうか。河野晃弁護士に聞きました。

●「室外用の蚊取り線香にこだわる必然性は高くない」

ーー蚊取り線香の使用をめぐり、管理会社からの注意を受けたようです

「バルコニーで蚊取り線香の使用をやめて欲しいといわれることはあり得ると思いますし、昨今の風潮などを考慮した時に、決しておかしな内容ではないと私は思います」

ーー「タバコとは違う」という意見もあるようです

マンションのバルコニーで喫煙するいわゆる『ホタル族』が今ではほぼ『アウト』と認定されているのは、近年はマンションの管理規約において明確に禁止されていることが多いからです。

元々は管理規約上、バルコニーでの喫煙を明確に禁止していなかったところでも、昨今の嫌煙ブームを追い風に、マンション住民多数の意見により規約を変更してバルコニーでの喫煙を禁止する規約を追加するケースもあると聞きます。

『タバコの煙はダメだけど、蚊取り線香は許せる』というコメントもあるとのことですが、蚊取り線香の匂いが嫌いな人にとって、『隣人から届く異臭』という意味では、たばこも蚊取り線香も本質的にはそんなに変わらないのではないかな、と個人的には思います」

ーー注意を受けた以上、蚊取り線香の使用はやめたほうがいいでしょうか

「たばこの場合、ほぼ市民権を得たといえる嫌煙ブームの後押しがありますので、管理規約に明記が無いケースでも、最終的には喫煙者側がバルコニーでの喫煙をやめるようにという判断が出る可能性が高いとは思います。

蚊取り線香の場合でも、今の時代は匂いなども少なく、室内で使用できる虫よけグッズも多数販売されています。室外用の蚊取り線香にこだわる必然性は決して高くありません。

今回は管理会社から注意を受けたということですが、最終的には、管理組合等による話し合いの場において議題として取り上げられ、住民等の議決によってそのマンションにおける取り扱いが決まることになると思います。

管理組合からは『別の方法で防虫対策してください』といわれる可能性が高いのではないでしょうか」

【取材協力弁護士】
河野 晃(こうの・あきら)弁護士
兵庫県弁護士会所属。2010年弁護士登録。民事事件(中小企業法務・交通事故等)、家事事件(離婚・相続)、刑事事件など、多種多彩な業務を行う。趣味はゴルフ、野球など。日本一話しやすい弁護士を目指す。
事務所名:水田法律事務所
事務所URL:https://www.bengo4.com/hyogo/a_28201/l_137891/