夫婦別姓の婚姻届が受理されず、法律婚ができないのは違憲だとして、東京都世田谷区在住の大学教員の事実婚夫婦が、国を相手に損害賠償を求めた第二次夫婦別姓訴訟で、東京高裁(後藤博裁判長)は10月20日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。

訴状などによると、原告側は夫婦同姓を義務付けた民法750条は、同姓を希望する者と別姓を希望する者を差別していると訴えていた。別姓で婚姻できないために、法律婚夫婦にのみ与えられている法的権利や利益、夫婦としての社会的承認を享受することができないと指摘。法の下に平等を定める憲法14条1項の「信条」による差別があるなどと主張していた。

原告側の訴えに対して、国側は2015年の最高裁判決から現在にいたるまで、事情変更はないと反論して、全面的に争っていた。

東京高裁は判決で、「民法750条は、一律に夫婦の氏の選択を夫婦になろうとする人たちの間の協議に委ねている」として、同姓を希望する人と別姓を希望する人の間で、信条の違いで法的な差別的扱いを定めたものではないとして、原告側が主張した憲法14条約1項には違反しないなどと判断した。

原告側弁護団の榊原富士子は、判決後に司法記者クラブで会見して「がっかりする判決。2015年の最高裁判決を一部そのまま使っただけというもので、そこから一歩も出ていないという印象だ」とコメントした。

●2015年の最高裁判決以後、各地で起きた夫婦別姓訴訟

夫婦別姓をめぐっては、法務省が1991年から法制審議会民法部会において、婚姻制度の見直しをスタート。5年に及ぶ審議を経て、1996年には選択的夫婦別氏制度の導入を提言する答申をおこなっている。

ところが、国会で法制化が進まず、選択的夫婦別姓を求める人たちが第一次夫婦別姓訴訟を提訴。最高裁まで争われたが、2015年12月に夫婦同姓を義務付けた規定は「合憲」であるという大法廷判断が示された。

その後、約3年を経て今回の第二次夫婦別姓訴訟が東京地裁と立川支部、広島地裁で提訴された。いずれも地裁では原告側の訴えは棄却。広島高裁での控訴審判決でも9月、やはり原告側の請求が棄却されていた。東京地裁立川支部が原審となる控訴審判決は10月23日、東京高裁で言い渡される。