小室圭さんのいじめで、私は高校中退し、ひきこもりになった——。週刊文春が秋篠宮家の長女・眞子さまの婚約内定者、小室圭さんに関する気がかりなニュースを報じた。

週刊文春(2020年12月31日・2021年1月7日号)によると、小室さんからのいじめ被害を打ち明けたのは、小室さんが中高時代に通っていた都内のインターナショナルスクールの同級生だった女性。中学時代に小室さんから「ブタが通った」などと悪口を言われるいじめに遭い、高校1年が終わる頃に学校を退学したといたという。

女性は退学後、2年間ほどひきこもる生活をおくり、取材に「人生を狂わされた」と語っている。

小室さん側はコメントを出しておらず、真相は定かではないが、学生時代のいじめは大人になれば傷が癒えるものでもない。一般論として、過去のいじめで、加害者に対して損害賠償請求することは可能なのだろうか。舟橋和宏弁護士に聞いた。

●「証拠と時効」2つのハードル

——過去のいじめで、加害者に対して損害賠償請求することは可能でしょうか

一般的に、過去の様々なトラブルを原因として損害賠償請求をしていく際に、(1)請求の根拠となる当時の資料があるか、(2)時効が成立していないか、という2点のハードルがあります。

——証拠というと、どのようなものがあれば良いのでしょうか

まず、(1)請求の根拠となる証拠です。

過去の出来事から時間が経つと、当時の人々の記憶も減退してしまうこともあり、請求の根拠となる様々な資料が失われてしまっている恐れが十分に考えられます。

もちろん、当事者の証言というのも証拠になりえますが、それを裏付けるような書面・メモなどの記録があるかどうかも裁判に持ち込まれた場合、裁判官は気にすることになるでしょう。

——時効はどのくらいの年数ですか

いじめの当事者を相手とするならば、不法行為を根拠に、学校などを相手とする場合には、学校が有する安全配慮義務違反という債務不履行が法的根拠として、損害賠償請求することが考えられます。

不法行為を根拠とする損害賠償請求権は、以前は、加害者及び損害を知ったときから3年、不法行為があったときから20年と規定されていました(改正前民法第724条) 。

それが民法改正により、生命・身体への侵害に対する損害賠償請求権については、加害者及び損害を知ったときから5年と時効期間が改正されました。

しかし、すでに時効が成立しているものについて、改正後民法は適用されません(改正後民法第724条、724条の2、附則35条参照)。

損害を何ととらえるかという問題がありますが、いじめにより学校をやめなければならなくなったことを損害としてとらえるならば、当時の時点で加害者も損害も知ったとして、現時点ではすでに時効が成立している可能性もあります。

一方、後遺症など損害が後から発覚する場合には、時効が成立する前である可能性もあります。

●損害賠償を求める場合には早く動くべき

——大人になってからだと、時効が成立しているケースも多そうですね

一般論としては、過去のいじめなどのトラブルをもとに損害賠償を求める場合には、証拠がなかったり、時効が成立していたりする場合があり、請求が認められることにはそれなりにハードルがあります。

事件当時、事件・事故があったという衝撃などもあり、なかなか弁護士などに相談することができないという方もいらっしゃるでしょう。

ただ、長期間が経過することにより証拠がなくなってしまうなど、時間の経過とともに相手方への請求はハードルが上がっていってしまいます。ぜひお近くの弁護士に相談いただくなど、早めの対応をしていただきたいというのが弁護士として思うところです。

【取材協力弁護士】
舟橋 和宏(ふなばし・かずひろ)弁護士
東京弁護士会所属。アニメ・映像コンテンツの権利保護に力を入れており、知的財産保護(特に、著作権・商標権保護)に精力的に取り組んでいる。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/