新型コロナウイルスの影響で、ひとり親(離婚予定者含む)の73.2%が収入減(見込み含む)になるなど、苦境に立たされていることが民間支援団体の調査で明らかになった。

一般社団法人「ひとり親支援協会」代表理事の今井智洋さんは2月9日、厚労省記者クラブで会見を開き「コロナ禍で孤独が深まっており、離婚と未婚のシングルマザーの『死や自殺を考えた』という記述が前回調査時より増えている。自助や、民間の共助は限界です。公助、継続的な経済的支援が必要」と話した。

アンケート結果をもとに、団体は9日「ひとり親世帯、低所得の子育て世帯に給付金の支給など継続的な支援」を求め、国に対して緊急要望書を提出した。

●7割が収入減のおそれ、コロナで8割が支出増

「ひとり親支援協会」が運営するひとり親交流サークル「エスクル」のひとり親(離婚予定者含む)を対象に1月23日から2月1日、アンケートおよびオンラインでのヒアリング調査を実施。47都道府県1811名が回答した。

同協会が実施するコロナ下の生活状況の調査は4回目。前回調査は2020年10月に実施したが、いずれの項目も厳しさが増す結果となった。 

●コロナの影響で73.2%が収入減・収入減の見込み(前回+7.6ポイント)
●コロナの影響で80.1%が支出増(前回+0.4ポイント)
●ひとり親世帯臨時特別給付金の使い道は生活費・返済および年末の出費が91.9%

●離婚、未婚のシングルマザー「死や自殺を考えた」

会見に参加したシングルファーザーの1人は「シングル家庭は元々、脆弱だったが、コロナ禍で経済的だけでなく心身ともに危険な状況になっている」と危機感を示した。

今井さんによれば、親と同居しないワンオペのシングル家庭では特に、仕事と子育て、家事に追われる日々となり、時間的な余裕がない。コロナ禍で、人と会う時間も限られていることもあって孤立し、精神的に追い込まれる要因となる可能性がある。

また、一昨年、離婚したシングルマザーの女性は自身の経験をもとにこう語った。

「離婚後、精神的に追い込まれて自殺も考えました。食べられなくなると、眠れなくなります。SOSを求めることもできない。寝る、起きる、食べるという動作が機械的になります。なぜ死にたいのか? を考えることもなくなりました。

『自殺 楽に死ねる』を何度か検索し、たまたま行政の人とつながれたので、今ここにいます。『死にたいから死ぬ』ではなくて、生きる方法がないから死ぬのではないか」

ひとり親が利用できる公助としては生活保護の他に、ひとり親世帯臨時特別給付金、生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付)などがある。しかし、多額のお金を借りることへの不安、制度が知られていないことから、利用率は低いと今井さんは懸念している。

●「死ぬことも考えた」「18円のうどんが毎日」

自由回答には、次のように困窮を訴える声が並んだ。

40代シングルマザー

「失業したため、給料は10割減。去年の収入で計算される児童扶養手当が11月より4割減。食費が1.5倍〜2倍へ増加。生活保護課に相談に行きましたが、貯金が10万をきるまでは相談に乗れないといわれ、なんとか節約して暮らしていますが、経済的な不安から逃れられません。再就職も非常に厳しい状況です。2人の進級にあたり、揃える必要のある学用品があるし、毎年大きくなるので被服費もかなりかかるから賄えるか心配」

40代シングルマザー

「うちはDVからの離婚でお金を全く持たずに出たので給付金はありがたかったのですが、ほとんどが支払いに消えました。貯金なんてありませんし、子供の制服も1年学校から借りたままだし部活の用品を買うために衣類も買えないままです。食べ盛りの子供3人を食べさせるので精一杯で本当にきついです。就職先も見つからず役所に相談したら仕事をしてないからダメだと断られました。この時は死ぬ事も考えました」

40代シングルマザー

「昨年末、コロナにより自主退職させられて、収入ゼロです。なのに、娘は今年中学入学。児童扶養手当は、一昨年の所得なので児童扶養手当は最低額の月1万。今、手当もなく、収入もないのに、税金は5万6000円。食べるものは、18円のうどんが毎日。制服も、上靴、鞄も買うお金が今はないのでどうしたらよいかわからない」