埼玉県戸田市議選(1月31日投開票)で初当選したスーパークレイジー君(本名:西本誠)議員の当選に「待った」がかかった。

戸田市選挙管理委員会が2月16日、スーパークレイジー君議員の当選無効をもとめる異議の申し立てを受理したことを明らかにしたのだ。

市選管によると、2月15日に市民から「市内に住んでいる実態がないのではないか」などの理由で異議申し立てがあった。今後、実態調査や、本人・関係者のヒアリングなどから、生活の実態について調べて、30日以内に結論を出す方針だという。

スーパークレイジー君議員は、2020年7月の東京都知事選に立候補し、街頭演説でのダンスパフォーマンスなどが話題となっていた。

●「居住実態」ない立候補には罰金が科され、選挙権停止するおそれも

公職選挙法は、地方議員になるための要件として、選挙がおこなわれる日まで3カ月以上、その市町村の区域内に住所を有すること、いわゆる「居住実態」が必要だとしている(9条2項、10条1項5号)。

また、2020年9月の法改正で、地方議員選挙に立候補する際には、居住実態があることを誓う旨の「宣誓書」を届け出なければならなくなった(公選法86条の4第4項3号)。

宣誓内容に虚偽があった場合の罰則は「30万円以下の罰金」で(同法238条の2第1項)、罰金刑を科されると選挙権および被選挙権が5年間停止する(同法252条1項)。

戸田市選管によると、スーパークレイジー君議員も「宣誓書」を届け出ているという。

●「立候補の段階では居住実態を確認していない」

過去にも居住実態が問題となったケースは複数ある。

2012年2月の埼玉県新座市議選で当選した議員は、水道がほぼ不使用だったことなどから「居住実態がない」と判断され当選無効になり、裁判で争うなどしたものの、最終的には失職した。

2019年4月の東京都新宿区議選で当選した議員も、水道の使用量がゼロだった時期があり、電気・ガスの使用量の使用量も極めて少なかったことなどから、「居住実態がない」として当選無効となった。

公選法上の「住所」について、判例は「生活の本拠、すなわち、その者の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すもの」であり、その有無は客観的な事実から判断されるとしている(最高裁平成9年8月25日判決)。

スーパークレイジー君議員についても、水道、電気、ガスなどのライフラインをどの程度使用していたかなどの客観的な事情から、「生活の本拠」だったといえるかどうかが争点となりそうだ。

戸田市選管によると、住民登録などの要件を満たしていることについては、立候補時に確認するが、居住実態については、「市議選は公示から選挙まで1週間しかない。あくまで『候補者』という段階で、すべての候補者について調査するのは難しいのが現状」といい、立候補の段階では確認していないという。

スーパークレイジー君議員は2月18日、記者会見を開いて釈明すると報じられている。