「離婚調停を控えていますが、妻の両親が介入してきて、精神的に病んでいます」。弁護士ドットコムに、妻と別居中の男性からこのような相談が寄せられている。

相談者によると、妻の両親は普段から夫婦の問題にことあるごとに首を突っ込んできていたという。また、相談者の親を侮辱する発言をしたこともあったそうだ。

このことにストレスを感じた相談者は、自分の親に愚痴を綴ったメールを送信。ところが、寝ている間に妻に勝手に携帯を見られ、愚痴を書いたメールも読まれてしまった。妻は「(相談者に)精神的に虐待されている」として、離婚調停を申し立て、相談者に慰謝料も請求しているとのことだ。

妻と別居後も、妻の両親は何かと介入してきた。妻の父親が相談者の会社に電話をかけ、相談者を異常者扱いするような発言をすることなども続いた。相談者は強いストレスを感じるようになり、眠れなくなり、一時期は仕事ができない状態にまで追い込まれたそうだ。

相談者も妻に慰謝料を請求したいと考えているが、可能なのだろうか。和賀弘恵弁護士に聞いた。

●妻の両親に損害賠償が認められる可能性も

ーー相談者は、妻に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

妻に離婚調停(離婚事件)として慰謝料を請求することはできません。

婚姻中、妻の両親がことあるごとに首を突っ込んできたということですが、妻の両親とどういう距離感を保っていくかは夫婦間の問題です。また、妻の両親の介入で離婚に至ったというわけでもないようです。

ーー妻の両親は、相談者の会社に電話をかけ、異常者扱いをするような発言をすることが続いたようです。このような妻の両親の行為に法的な問題はないのでしょうか。

名誉毀損罪が成立する可能性もありますし、民法709条の不法行為にあたります。

まずは、妻の両親にそのような行為をやめさせるため、内容証明郵便などで警告文を出しましょう。それでも、妻の両親がそのような行為をやめなければ、地方裁判所に損害賠償を求めて提訴しましょう。

相談者は妻の両親の行為によって一時期は仕事ができない状態にまで追い込まれています。そのため、損害も大きく、妻の両親に損害賠償が認められる可能性は十分あります。

また、妻の両親がそのような行為をやめないようであれば、そのような行為をやめさせるため差止請求をすることもできます。

●相手の両親が介入してきた場合はどう対応する?

ーー今回の相談者のように、相手の両親が離婚問題に介入してきたために悩んでいるという相談は複数寄せられています。このような場合、どのように対応すべきでしょうか。

実際に、夫婦の離婚問題に相手の両親が介入してくるケースは若い夫婦によく見られます。

ただ、相手の両親が離婚問題に介入してきて、うまく離婚問題が解決したというケースはあまり聞きません。普段は相手の両親と仲良く交際していた夫婦でも、実際に離婚となると相手の両親は最終的に自分の子を守りますので、あてになりません。

あまりに相手の両親の介入が強く、離婚問題がかえってこじれているようなら弁護士に依頼する、調停を起こすなどの手段をとることをお勧めします。

あくまで、離婚は当事者同士の問題です。上手に相手の両親の介入を避けられるといいですね。

【取材協力弁護士】
和賀 弘恵(わが・ひろえ)弁護士
大手食品メーカー、行政職員の経験を経て、目の前のただ1人の人を救う仕事をしたいと思い、弁護士を目指しました。現在は、的確な法的解決のご提案に加えて、カウンセリング機能も果たせる弁護士を目指して奮闘中です。
事務所名:みつ葉法律事務所
事務所URL:http://www.mitsuba-law.net