記事で名誉を傷つけられたとして、野田聖子元総務相の夫が、『週刊新潮』を発行する新潮社と投資家・作家の山本一郎氏にそれぞれ1100万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁(五十嵐章裕裁判長)は、いずれの請求も棄却した。判決は4月21日付。

判決によると、問題になったのは、2018年7月26日発売の『週刊新潮』の記事と、同年7月19日・23日の山本氏によるヤフーニュースの記事。

いずれの記事も、野田元総務相の秘書が、違法性が指摘されている仮想通貨事業の関係者をともなって、金融庁の担当者と面談したことについて、「不当な圧力である」と批判する内容だった。

週刊新潮の記事は、夫が(1)仮想通貨事業に関与していた、(2)野田元総務相を通じて金融庁に圧力をかけた、(3)元暴力団員だった――などと報じていた。また、山本氏も(1)と(3)に関する記述をおこなっていた。

東京地裁は、秘書と金融庁担当者の面談が、夫の意向に基づいておこなわれたという事実、仮想通貨事業に関与しているという事実、元暴力団員であるという事実の重要な部分は「真実である」と認定。違法性がなく、名誉毀損による不法行為は成立しないと判断した。

一方、共同通信によると、野田元総務相の夫が、週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、文藝春秋社に損害賠償をもとめた訴訟では、東京地裁はことし3月、名誉毀損を大筋で認めて110万円の支払いを命じている。