現在は高齢者が中心の新型コロナウイルスのワクチン接種だが、働いている世代に順番が回ってくるようになると、仕事を一時的に抜けるなどの調整が必要になってくる。

また接種後も、接種部位の腫れや発熱などの副反応も報告されている。ほとんどは2〜3日で自然におさまるようだが、仕事がある人にとっては困りものだ。

そこで「ワクチン休暇」を求める声が広がっている。

●発熱で1日寝込んだ人も

九州在住で清掃会社に勤める男性(66歳)は今年5月に1回目の接種が完了した。

「2日ぐらいは注射をうった腕が重かった。たまたま土曜日に予約がとれたから良かったが、平日だったら仕事にも支障があったと思う」

また、海外在住の30代女性は現地でワクチンを接種したが、その日のうちに筋肉痛と38度を超える熱が出て、次の日も仕事が手につかなかったという。

●すでに導入している企業も

ワクチン休暇をめぐっては、河野太郎ワクチン担当大臣が5月13日、経団連に導入を検討するよう要請している。

報道によると、すでにソニーグループや三菱電機などでは、混まない平日の接種が可能なように、有給の特別休暇制度がつくられているという。副反応にも対応できる仕組みをつくっている社もあるようだ。

また、河野大臣は5月28日、国家公務員と地方公務員について、接種や副反応が出た場合などについて、事実上の休暇を取得できる仕組みができたことを明かしている。

●年休じゃなく、有給の特別休暇を

労働組合もワクチン休暇を求め、企業と交渉していく構えだ。ものづくり産業労働組合「JAM」の川野英樹副書記長は、「接種日と次の日の2日間について、有給の特別休暇とするよう企業に求めていきたい」と話す。

年次有給休暇(年休)を利用すれば良いという考え方もあるだろうが、その場合、入社したてやパートタイムなど、日数が少ない労働者は受けづらくなってしまう。そもそも年休は、心身の疲労回復などのため、労働者が自らの意思で取得するものだ。

「ワクチン接種は、企業や事業所内のリスク軽減に大きく寄与する安全衛生活動の一環と考えられます。副反応がある中、勤務すれば労災事故を引き起こしかねませんし、有給の特別休暇にする必要があると考えています」

ワクチン接種はコロナ打開のため、社会的にも強く要請されている。場合によっては、ワクチン問題をテコに、職場環境が改善される事例なども出てくるかもしれない。